この事例は、緊急品等連絡表に「前工程」の項目を追加し、問題発生時の確認先を探すムダをなくした整頓・清潔事例で、専門家評価はBランク(56点)。あと10点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓・清潔 |
| 改善場所 | オフィス・工場 |
| 改善対象 | 情報(緊急品等連絡表) |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 確認先を探すムダを、1日平均900秒短縮×月5日発生。1カ月あたり4,500秒(4,500円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
緊急品などの連絡に使う連絡表には、前工程の情報が載っていませんでした。そのため、問題が発生したときに、どこへ確認すればよいのかが分からず、確認先を探し回ることになっていました。
「前工程が何処か分からない。だから探すことになる」。改善報告の説明は短い言葉ですが、急ぎの対応が必要な場面ほど、この「探す時間」が重くのしかかります。

改善内容(After)
連絡表に「前工程」という項目を追加しました。問題が起きたときに、連絡表を見ればすぐに該当する部門を特定でき、確認先を探し回らずに済むようになりました。
改善報告の試算では、探すムダが1日平均で900秒短縮され、それが月に5日発生するため、1カ月あたり4,500秒、金額にして4,500円の削減になっています。

専門家コメント
緊急品等の連絡表に前工程の情報がなく、問題が発生した際にどこへ確認すればよいか分からず探し回っていた状態を、連絡表に「前工程」の項目を追加することで、すぐに該当部門を特定できるようにした改善ですね。
対応時間の短縮に直結する、非常に実用的で現場目線の素晴らしい工夫です。気づいて改善してくれたことに感謝します。ありがとうございます。
こうした「探さない」「迷わない」ための仕組みづくりは、5Sの整頓や清潔に深く関わる大切な考え方です。
次に意識してほしいのは、この新しい記載項目が確実に運用され続けるための“しつけ”の視点です。たとえば、
- 連絡表の記入手順をマニュアル化する
- 記入漏れがないようチェック欄を設ける
- 全員にルールを周知・共有する仕組みを作る
といった対策を取り入れることで、改善が一時的なものではなく、「守られるルール」として根づいていきます。
今回の取り組みをきっかけに、他の書類や連絡手段にも目を向け、さらなる改善につなげていきましょう! 次なる改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:確認先が一目でわかるようになり、対応時間を短縮。不具合対応の迅速化につながる効果は大きいと判断しました。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「前工程を記載する」という工夫はシンプルですが、現場で困っていた問題を的確に捉えた実践的な発想です。標準的な改善の一歩先と評価。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:連絡表に項目を追加するだけなので、作業時間や労力は大きくかからない。比較的容易に実施できる改善。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:記載ルールを守る限り、再発は起きにくい仕組み。ただし「記入漏れ」や「運用忘れ」が起きれば効果が失われるため、点検ルールが加わればさらに向上します。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:記入手順やチェック体制が整備されていない段階。マニュアル化やルール周知を徹底すればAレベルまで引き上げ可能です。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、手間は小さくても、効果の大きい改善です。成果の大きさがA(16点)という評価が、それをよく表しています。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「探す」原因を、情報の欠けに見つけた。探し回る人の努力ではなく、連絡表に前工程の情報がないことを原因としてとらえ、様式の側を直しています
- 小さな変更で、大きな時間を生んだ。項目を1つ追加しただけで、改善報告の試算では1カ月あたり4,500秒の削減。急ぎの対応ほど効いてくる改善です
- 「探さない」「迷わない」を形にした。専門家も、整頓や清潔に深く関わる大切な考え方だと評価しています
モノの置き場だけでなく、書類や連絡の「情報」も整頓の対象になる。そのことを示してくれる、良いお手本です。
あと10点でAランク。習慣と清潔を上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で64点。まだ2点足りません。そこで、清潔レベルもB(12点)からA(16点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 56点 | B |
| 習慣をAに | B(12点) | A(16点) | 64点 | B |
| 習慣をA、清潔をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
専門家の評価でも、習慣は「マニュアル化やルール周知を徹底すればAレベルまで」、清潔は「点検ルールが加わればさらに向上」とされています。記入手順のマニュアル化、チェック欄、全員への周知という3つの提案は、そのまま2項目を上げる道筋になっています。
「記入漏れ」「運用忘れ」を、起きる前に防ぐ
項目を追加しても、空欄のまま連絡表が回れば、また探すことになります。記入漏れに気づいてから書き足すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「忘れずに書こう」と気をつけることに頼らず、様式と手順の側で、書き漏れが起きない形にしていきます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 前工程の欄が空欄のまま回る | (例)前工程の欄を必須項目として目立たせ、空欄の連絡表は受け付けない決まりにする |
| 前工程の書き方が人によってばらつく | (例)前工程の候補をあらかじめ様式に印刷し、丸を付けるだけにする |
| 部門の名称や確認先が変わり、情報が古くなる | (例)様式の見直し日を決め、定期的に内容を点検する |
| 初めて使う人が書き方を知らない | (例)記入例を連絡表の置き場に掲示する |
様式を変えるときは、連絡表を使う関係部門と確認しながら進めてください。専門家の言うとおり、他の書類や連絡手段にも目を向ければ、同じように「探さない」「迷わない」仕組みを広げていけます。
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