この事例は、倉庫の備品棚から不要物を一気に廃棄して並べ替えた整理事例で、専門家評価はBランク(48点)。あと18点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理 |
| 改善場所 | 倉庫 |
| 改善対象 | 備品棚(在庫品、工具、不要物) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | いらないものを捨てて並べ替えたら、スッキリ見やすくなった |
改善前の状態(Before)
備品棚には、在庫品、工具、不要物が置かれていました。専門家は、この棚を「雑にモノが置かれていた備品棚」と捉えています。必要なモノと不要なモノが混ざっていて、どこに何があるのか、ひと目では分かりにくい状態だったと考えられます。

改善内容(After)
棚に置かれていた物のうち、いらないものを捨て、残ったモノを並べ替えました。専門家のコメントでは、不要だと思われるモノを一気に廃棄処分した改善と受け止められています。その結果、棚はスッキリして、見やすくなりました。

専門家コメント
雑にモノが置かれていた備品棚において、不必要だと思われるモノを一気に廃棄処分した改善だと捉えました。
おそらくこの備品棚も、以前からちゃんとスッキリさせたいと、改善者も思ってきたんでしょうね。しっかり時間をかけて整理した改善は、素晴らしい成果だと思います。おつかれさまでした!
実は、この改善をやりながら気が付いたことがあったと思います。それは、このモノは捨てるべきなのかどうか? 1つひとつ判断していくことが結構面倒ですし、迷いもありましたよね。
実は、5Sの整理活動のポイントは、この破棄すべき時間的基準の有無です。あるモノは何か月使わないものは破棄、あるモノは数週間など、基準がありますか? 捨てたらもったいない、とか、判断できないからとりあえず、とかは論外です。そういったモノが職場スペースの多くを占めていること自体が、異常なハズですよね。
この異常が常態化することによって、5Sが進まない工場が出来上がります。だからこそ、まずは職場にあるモノの破棄基準があること。まずはそこからスタートしていただきたいですね。
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:在庫品、工具、不要物が置かれていた棚から、いらないものを捨てて並べ替え、スッキリ見やすくなった。数値で示された効果は報告されていないが、しっかり時間をかけた整理を、専門家も「素晴らしい成果」と受け止めている。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:いらないものを捨てて並べ替えるのは、整理の基本となる取り組み。同じような改善は多くの現場で行われている。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:不要なモノを一気に廃棄するには、1つひとつ捨てるかどうかを判断する手間と、迷いを乗り越える必要がある。専門家が言うとおり、時間をかけて取り組んだ改善であり、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:今回の改善は、たまっていた不要物を一度片づけたもの。何を、どれくらい使わなければ捨てるのかという基準が示されていないため、何かのきっかけで再び不要物が増える可能性がある。「何かのきっかけで再発する」状態と判断する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:改善報告には、廃棄の時間的な基準や、点検のルールについての記載がない。専門家も、破棄基準があることからスタートしてほしいと述べている。徹底すべきルールは、これから整える段階と判断する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計48点のこの事例は、Bランクの入口に立つ改善です。それでも、次の点はしっかり評価したいところです。
- 時間をかけて、最後までやり切った。専門家も「しっかり時間をかけて整理した改善は素晴らしい成果」と評価しています
- 面倒な判断を、1つひとつ重ねた。「捨てるべきかどうか」の判断は迷いが出るものです。そこに向き合ったからこそ、棚がスッキリ見やすくなりました
- 棚を変えたいという思いが、形になった。以前から、ちゃんとスッキリさせたいと考えていた現場の気持ちが、成果として現れています
- 改善の途中で、大事な気づきを得た。「捨てるかどうかの判断に迷う」という体験こそ、次の仕組みづくりの出発点になります
あと18点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。1項目を1段階上げると+4点なので、1項目だけではAに届きません。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+16点で64点。さらに成果をB(12点)からA(16点)に上げると+4点で、合計68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 点数の変化 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | ― | 48点 | B |
| 習慣をA(16点)に | +8点 | 56点 | B |
| 習慣と清潔をA(16点)に | +16点 | 64点 | B |
| 習慣・清潔・成果をAに | +20点 | 68点 | A |
近道は、専門家が最初の一歩に挙げた「破棄基準」を決めることです。基準を決めて周知すれば習慣(しつけ)が上がり、基準で判断できるようになれば、棚の乱れも再発しにくくなります。
「また不要物がたまる」を、起きる前に防ぐ
一度きれいにしても、気をつけるだけでは、また不要物はたまります。起きてから一斉に片づけるのが「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。不要物がたまらない形を、先に作ります。専門家のアドバイスをもとに、次のような仕組みを考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 捨てるかどうか、毎回迷う | 「何か月使わなければ破棄」という時間的な基準を、モノの種類ごとに決めて掲示する |
| 判断できず「とりあえず」置かれる | 置き場を決めて、基準を過ぎたモノを見分けられるよう、入れた日が分かる表示をする |
| 棚が再び、雑な置き方に戻る | 棚の位置・品名・数量(定位・定品・定量)を決めて表示する |
| 他の棚や場所にも不要物がたまる | 同じ基準と手順を、他の棚にも広げる |
廃棄するモノの判断は、使う人と担当者で確認しながら進めてください。こうして基準が職場に定着すれば、清潔・習慣レベルが上がり、Aランクも射程内です。
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