この事例は、共有フォルダの不要なフォルダを27個から16個に減らし、番号付けで並べ直した整理事例で、専門家評価はBランク(52点)。探すムダが1日平均60秒減った。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | オフィス(業務課) |
| 改善対象 | 情報(サーバー内の共有フォルダ) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | フォルダ数を27から16へ整理。検索の時間を1日平均60秒短縮×月20日発生。1カ月あたり1,200秒(1,200円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
業務課のサーバー内にある共有フォルダに、使っていないものや不要なものが増えていました。そのため、必要な情報を探すときの検索に時間がかかっていました。
専門家コメントでは、改善前の状態を「使用していないフォルダやファイルが乱立し、『どれが最新か』『どこに必要な情報があるか』を探す検索のムダが発生していた」と見ています。

改善内容(After)
共有フォルダの中身を精査し、使っていないフォルダや不要なフォルダを減らして、フォルダ数を27個から16個に整理しました。さらに、各フォルダの先頭に「01_」「02_」のような数字を付けて、並び順を整えました。

専門家コメント
共有フォルダ内の不要データを削減し、ナンバリングによる体系化で、検索時間を大幅に短縮した見事な改善事例ですね。
【ビフォー】の状態では、使用していないフォルダやファイルが乱立しており、「どれが最新か」「どこに必要な情報があるか」を探す検索のムダが発生していました。
今回、【アフター】のように不要なフォルダを精査して「27個から16個へ大幅削減(整理)」し、さらに各フォルダの先頭に「01_」「02_」といった数字を付与して並び順を整えられた(整頓)のが、とても素晴らしいと感じました。
デジタル上の探すムダ削減は、全社員の業務スピード向上に直結しますね。物理的な現場だけでなく、画面の中まで5Sの思想を浸透させた素晴らしい取り組みです。改善活動お疲れ様でした。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:フォルダ数を27から16へと4割ほど減らし、検索の時間を1日平均60秒、1カ月あたり1,200秒短縮した(改善報告の試算)。共有フォルダは課の全員が毎日使う場所なので、効果は一人の作業にとどまらず、使う人の数だけ積み重なる。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:不要なフォルダを減らし、先頭に番号を付けて並べる方法は、パソコンの中の整理でよく使われる手法。ただし、5Sを物理的な現場だけでなく画面の中にまで当てはめた視点は評価できる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:フォルダの中身を確かめて要・不要を判断し、名前に番号を付ける作業で、特別な道具や費用は必要ない。中身を精査する手間はあるが、大がかりな作業ではない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:今はきれいに整っているが、新しいフォルダの作り方や名前の付け方のルールがまだない。専門家コメントのとおり、時間が経つと各自が新しいフォルダを作り、ファイル名がばらばらになって再び乱れるおそれがある。「何かのきっかけで再発する」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:番号付けで並び順はそろったが、そのやり方を運用ルールとして文章にし、課の全員に周知したかは改善報告に記載がない。徹底すべきルールの整備はこれからの段階と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
パソコンの中は乱れが目に見えにくく、5S活動の対象から外れがちな場所です。そこに手を付けたこと自体が大きな一歩です。特に次の4点を評価したいと思います。
- 整理と整頓を、正しい順番で進めた。先に不要なフォルダを減らし(整理)、残したものに番号を付けて並べた(整頓)
- 27個から16個へ、思い切って減らした。中身を精査して4割ほど減らした判断は、整理の基本そのものです
- 効果を数字で示した。1日平均60秒、月20日で1,200秒という形で、探すムダの減り方を試算しています。数字があると、他の課にも説明しやすくなります
- 課の全員に効く改善になった。共有フォルダは毎日、誰もが開く場所です。一人の工夫が、使う人全員の時間を生み出しています
あと14点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルを、それぞれC(8点)からA(16点)に上げると、+16点で合計68点になり、Aランクに届きます。どちらか一方だけをAにしても60点で、Bランクにとどまります。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 習慣だけをAに | C(8点) | A(16点) | 60点 | B |
| 清潔と習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
専門家も、次の改善として「リバウンドを防ぐための運用ルールの標準化」を挙げています。
「フォルダがまた増える」を、起きる前に防ぐ
乱れてから、また大掃除をするのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「各自が気をつける」に頼らず、ルールの置き場所と見直しの日を決めて、乱れが起きにくい形にします。専門家のアドバイスと(例)を合わせると、次のようになります。
| 起こりうる乱れ | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| ファイル名・フォルダ名がばらばらになる | 「日付_件名_作成者(例:20260823_5S報告書_氏名)」のような名前の付け方ルールを、フォルダの一番上(「00_運用ルール」など)に置く(専門家の提案) |
| 使わなくなった過去データが、また溜まる | 年に1回「デジタル大掃除の日」を設け、使わなくなったデータを「旧データ保管庫」へ移す(専門家の提案) |
| 各自が新しいフォルダを勝手に作る | (例)一番上の階層にフォルダを作るときは、担当者に相談して番号を割り当てる手順にする |
| 番号が重複したり、途中から抜けたりする | (例)番号とフォルダの一覧を「00_運用ルール」に載せ、新しく作るたびに書き足す |
フォルダの作成権限やサーバーの設定に関わる変更は、社内のシステム担当者と確認しながら進めてください。「データの整理整頓」の次は、誰が使っても二度と散らからない「データ管理の標準化」へ。この改善を、ぜひ他の課の共有フォルダにも広げてみてください。
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