フォークリフトで荷を取りに行ったら、手前のパレットが高く積まれていて奥が見えない。どの棚に何が何個あるのか、担当者に聞かないと分からない。よくある光景ではないでしょうか。皆さんの職場にもありませんか。倉庫は物が集まる場所だけに、「とりあえず置く」が積み重なりやすい場所です。
この記事は、倉庫・置き場・在庫をまとめている資材や出荷の担当の方と、これから倉庫を任されそうな方に向けて書いています。結論を先に言うと、倉庫の5Sも工場やオフィスと同じ物差しで評価できます。物をきれいに並べただけの改善と、積みすぎや放置が起きない決めごとまで作った改善では、同じ「整頓しました」でも中身が違います。
この記事では、5S-CONCEPTの事例データベースにある倉庫の改善事例62件の中から、Aランク4件・Bランク4件・Cランク3件・Dランク3件、合計14件を選び、専門家評価の理由とあわせて紹介します。倉庫の事例にはSランクがまだありません。だからこそ、Aランクの工夫から、あと一歩で上がるBランク、基本の一歩のC・Dランクまでを、同じ物差しで見比べられるようにしました。評価が伸び悩んだ事例も、どこにあと一歩が必要かを一緒に見るために載せています。
読み終える頃には、自社の倉庫の改善が今どのあたりにいるのか、次に何を足せば一段上がるのかが、ぼんやりとでも見えてくるはずです。工場の事例は工場の5S改善事例14選、オフィスの事例はオフィスの5S改善事例14選で紹介しています。5S活動そのものの意味・進め方から確認したい方は、5S活動とは?意味・目的・進め方7ステップ・続かない理由と直し方を製造現場目線で解説を先にご覧ください。
倉庫の5S改善事例を「ランクで見る」とうまくいく理由
倉庫の5S事例は、パレット、棚、在庫、フォークリフトの動線といった「量」と「流れ」が中心です。対象は工場やオフィスと違っても、良い改善と、そこそこの改善を分ける物差しは同じです。この記事では、5S-CONCEPTが独自に採点しているS〜Dの5段階評価をそのまま使います。
評価は、次の5項目をそれぞれ4段階(S=20点・A=16点・B=12点・C=8点・D=4点)で採点し、合計点でランクを決めています。5S-CONCEPTの評価基準による採点で、公的な認証や第三者機関の格付けではありません。
| 評価項目 | 当社での意味 |
|---|---|
| 成果の大きさ | 時間・費用・安全にどれだけの効果が出たか |
| 改善の独自性 | 誰でも思いつく改善か、発想の転換があるか |
| 改善の難易度 | 実行にどれくらいの技術・時間が必要だったか |
| 清潔レベル | 同じ不具合が「また起きる」か、「起きない仕組み」になっているか |
| 習慣(しつけ)レベル | 良いやり方が、その人だけでなく全員が使える標準になっているか |
合計81点以上がSランク、66〜80点がAランク、46〜65点がBランク、31〜45点がCランク、30点以下がDランクです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」、習慣(しつけ)レベルの最高位は「誰が担当しても同じ結果になる標準化」です。この2項目は、工場でもオフィスでも倉庫でも同じ考え方で評価します。
今回選んだ14件は、当社の事例データベース(倉庫の改善事例62件)の中から、Aランク4件・Bランク4件・Cランク3件・Dランク3件を選びました。狙いは、上位ランクの「何が違うのか」と、Dランクの「何が足りていないのか」を、同じ物差しで見比べられるようにすることです。
14件の評価早見表(ランク・改善対象・効果・点数)
まずは14件を一覧で見てみましょう。効果の数値は、各改善報告に記載された試算をそのまま載せています。点数の記載がない事例は、点数の内訳が元の記録にないもので、ランクだけを載せています。
| ランク | 改善内容 | 改善対象 | 効果 | 点数 |
|---|---|---|---|---|
| A | 部品置場に品名と最大数量の看板を掛ける | 仕掛品/完成品 | 1日15秒×月20日で月300秒(300円)削減 | 68点 |
| A | 製品部品置場をA〜Jに区画分けしてマップ化 | 仕掛品/完成品 | 1日60秒×月10日で月600秒(600円)削減 | 68点 |
| A | 棚卸し精度を上げ、材料の過剰在庫を削減 | 材料/部品 | 1日300秒×月20日で月6000秒(6000円)削減 | 76点 |
| A | 在庫数を紙からホワイトボードに一元化 | 材料/部品 | 記録用紙の出し入れ時間・購入ミスの削減(数値記載なし) | 非公開 |
| B | 在庫ケースに写真と在庫数を表示 | 材料/部品 | 1回3秒×月20日で月60秒(60円)削減 | 52点 |
| B | 在庫置場の棚に図面を置く | 置き場 | 1日45秒×月20日で月900秒(900円)削減 | 非公開 |
| B | パレット置き場にラインを引く | 置き場 | 36パレットから54パレットに増、600秒が120秒に | 非公開 |
| B | プラダンをパレットの上に置き積み替えを排除 | 完成品 | 1日15秒短縮 | 非公開 |
| C | パレット置場に段積みのルールを表示 | 梱包資材 | 危険な段積みを防止(数値記載なし) | 非公開 |
| C | 古い蛍光灯や段ボールを撤去 | 廃棄物 | すっきりした(数値記載なし) | 非公開 |
| C | パレット上にダンボールを敷き部品の落下を防止 | 置き場 | 1日30秒×月20日で月600秒(600円)削減 | 非公開 |
| D | 資材倉庫1階の棚を整頓 | 材料/部品 | 収納スペースを有効活用(数値記載なし) | 24点 |
| D | 不要なテレビ2台を廃棄 | 廃棄物 | 出荷品置場が広くなった(数値記載なし) | 28点 |
| D | ドラム缶の足を赤札で処分 | 設備 | 長期放置の不要物がなくなった(数値記載なし) | 24点 |
「点数:非公開」の7件は、5項目の点数内訳が元の改善報告に記録されておらず、専門家コメントとランクだけが残っている事例です。効果を数字で語れる事例ほど、ランクの根拠も追いやすいという関係が、ここにも表れています。次の章から、それぞれの事例を詳しく見ていきます。
Aランク4選|積みすぎ・探すムダを「決めごと」でなくした事例
倉庫のAランクは4件です。共通するのは、物を置く場所だけでなく、何をどれだけ置いてよいかという数量や在庫の考え方まで見える形にしている点です。
ただし倉庫にはSランクがまだありません。Aランクの事例にも、Sに届くための次の一歩が残っています。
1. 部品置場に「何を何個」の看板を掛けて積みすぎを防ぐ(仕掛品/完成品)
改善前は、置場に置くものは決まっていても、何を何個置くかの表示がありませんでした。床には黄色の区画線がありますが、そこに何段まで積んでよいかの基準がなく、担当者以外には今の状態が正しいのか判断できませんでした。レーンごとに看板を掛け、品名と「最大5段6列」のような具体的な数量を書いたところ、聞くムダが減り、1日平均15秒、月20日として月300秒(300円)の削減です。評価は成果A・独自性B・難易度B・清潔A・習慣Bの合計68点。専門家は、フォークリフトの運転手も安全な段数を迷わず判断できる点を評価しつつ、床面のペイントや壁の「これ以上積まない線」で、運転手の視線の先にも限界線を見える化することを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
2. 製品部品置場をA〜Jに区画分けしてマップ化する(仕掛品/完成品)
改善前は、ライン内に置くものを決めず、空いたスペースにコンテナが乱雑に積まれ、奥の部品が見えない状態でした。置場全体をA〜Jの区画に分け、置くものを決めて、全体の配置を示す「製品部品置場マップ」を作って掲示したところ、探すムダが減り、1日平均60秒、月10日として月600秒(600円)の削減です。評価は成果A・独自性B・難易度A・清潔B・習慣Bの合計68点。専門家は、新入社員や他部署の人でも目的の部品の場所が分かる点を評価しつつ、床の区画やコンテナにもマップと同じ色のテープを付け、戻し間違いを直感的に防ぐことを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
3. 棚卸し精度を上げて、材料の過剰在庫を減らす(材料/部品)
改善前は棚卸しの精度が悪く、ムダな購入で材料在庫が過剰に積み上がり、置場を圧迫していました。棚卸し精度の向上と適正在庫管理で不要な在庫を減らし、空いた場所を整理したところ、1日平均300秒、月20日として月6000秒(6000円)の削減です。評価は成果S・独自性A・難易度A・清潔B・習慣Bの合計76点。専門家は、在庫過多という見過ごされがちな問題に向き合い、整理の基本に立ち返った点を評価しつつ、発注前チェックのルールや、誰がいつ在庫を見直すかの決めごとなど、過剰になる前に止める仕組みを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
4. 紙で管理していた在庫数を、ホワイトボードに一元化する(材料/部品)
材料の在庫数を記入した紙を各製品の箱の中に入れて管理していたため、一目で在庫数が分かりませんでした。ホワイトボードを購入し、各部品の在庫数を記入する方式に変えました。専門家評価はAランク。専門家は、紙を出し入れする作業の削減、在庫情報の見える化、購入ミスの減少という効果を挙げ、問題の発見から改善方法の発想までのレベルが高いと評価しています。次の一歩は、同じ考え方を他の在庫管理にも広げることと、在庫の容器の最適化です。この事例は点数の内訳と、秒数・金額の記録が元の記録にありません。元の改善事例を見る
Bランク4選|あと一歩で上がる「惜しい」を言語化する
Aランクの事例は、真似したくなる完成度です。ですが実際の倉庫でよく出会うのは、むしろこのBランクの改善ではないでしょうか。評価できる点と、Aランクに届かない理由の両方を見ていきます。
1. 在庫ケースに写真と在庫数を表示する(材料/部品)
保管された在庫ケースの棚は型番だけの表示で、毎回ケースを降ろして在庫数を確認していました。ケースに写真と在庫数を記入したところ、棚の上からでも在庫が分かるようになり、1回3秒、月20日として月60秒(60円)の削減です。評価は成果A・独自性B・難易度C・清潔C・習慣Cの合計52点でBランク。専門家は「見てわかる化」という整頓の基本を評価しつつ、在庫数の記入方法や更新ルール、表示の劣化や写真の貼り替えタイミングを決めて、表示が常に正しい状態を保つことを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
2. 在庫置場の棚に図面を置き、取りに行くムダをなくす(置き場)
類似品が多い部材の確認のために、図面を事務所まで取りに行っていました。棚の保管箱の中に部品と一緒に図面を置いたところ、取りに行くムダが50秒から5秒になり、1日平均45秒、月20日として月900秒(900円)の削減です。専門家評価はBランク。専門家は、現場で確認作業を完結させ、誤出庫のリスクも減らせた点を評価しつつ、図面を防水・防汚のクリアファイルに入れること、改訂管理のルールを決めて常に最新版が置かれる仕組みにすることを次の一歩に挙げています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
3. パレット置き場にラインを引き、置ける数を増やす(置き場)
それまで何も線引きしていなかったパレット置き場にラインを引き、2列だったところを3列置けるようにしました。36パレットから54パレットと18パレット多く置けるようになり、作業時間は600秒から120秒に縮まりました。専門家評価はBランク。専門家は、単に線を引くだけでなく場所の有効活用まで図った点を評価しつつ、増えた3列のそれぞれに何を置くかを明示することを次の一歩に挙げています。場所が空いていると何かを置きたくなるのが人の性で、ルールがないと逆に乱れかねないという指摘です。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
4. プラダンをパレットの上に置き、積み替えをなくす(完成品)
出荷品を入れるプラダンを床に直置きしていたため、出荷のたびにパレットへ積み替えていました。プラダンをパレットの上に置くことで積み替えをなくし、1日平均15秒の短縮です。専門家評価はBランク。専門家は、直置きによる移動できないムダ、積み替えのムダ、製品への悪影響のムダを排除した点を評価しつつ、置き場を決めたものの写真では明示が見当たらないため、出荷品の置き場であることと、パレットに載せることを明示するよう求めています。明示がないと、決めたルールが元の状態に戻ってしまうからです。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
Cランク3選|基本の一歩と、次に足したいこと
Cランクの3件は、安全や整理の基本に手を付けた事例です。専門家の次の一歩を読むと、どれも「この改善を、起きない仕組みに変える」ことが共通の宿題になっています。
1. パレット置場に段積みのルールを表示する(梱包資材)
パレット置場のルールが、はっきり表示されていませんでした。専門家は、おそらく高く段積みされることがあり、危険な状態になっていたと推測しています。そこで「7段まで」と明示して置き場をはっきりさせました。専門家評価はCランク。専門家は安全な職場づくりへの貢献を評価しつつ、表示が小さいため見えないことを理由に守られない可能性があるので、スーパーの駐車場の出口表示のように大きく表示することを求めています。あわせて、7段が適切かを関係者で話し合うことや、空パレットを減らす物流の平準化も次の課題として挙げています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
2. 放置されていた古い蛍光灯や段ボールを撤去する(廃棄物)
長い間放置されていた古い蛍光灯を廃棄し、一緒に放置されていた段ボールやゴミも片づけて、すっきりしました。専門家評価はCランク。専門家は5Sの基本である廃棄を実践した点に感謝しつつ、ここはゴミ置き場ではないのにゴミが放置されていたのは、置くべきものの明示がなかったからだと指摘しています。そこで、置くべき物を決め、置き場を明示し、数量を定める「3定」に取り組むことを次の一歩に挙げています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
3. パレット上にダンボールを敷き、部品の落下を防ぐ(置き場)
パレットの隙間から部品が落ちてしまい、拾う手間と時間がかかっていました。パレットの上にダンボールを敷いて隙間から落ちないようにしたところ、拾う時間が1日30秒、月20日として月600秒(600円)の削減です。専門家評価はCランク。専門家は、部品を拾う手間と、なくしてしまうムダを省けた点を評価しつつ、そもそもパレットの上に部品が落ちること自体が問題なので、部品をオリコンに入れる時に落ちない工夫を、特性要因図となぜなぜ分析で根本から考えることを求めています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る
Dランク3選|「片づけた」で終わらせない視点
ここからはDランクの3件です。この3件を「悪い改善」として笑うために載せているのではありません。どれも、現場の誰かが「気になって、手を動かした」事実は同じです。ただ、その良い気づきを、次も同じように続く形にできていません。
1. 資材倉庫1階の棚を整頓する(材料/部品)
資材倉庫(1階)の棚を整頓し、収納スペースを有効活用できるようになりました。改善前の具体的な状態や、数値の記載はありません。評価は成果C・独自性D・難易度D・清潔D・習慣Dの合計24点。専門家は、良い倉庫管理は「新人の担当者でも、どの部品がどこにあるか見つけられる」状態だとしたうえで、部材のカテゴリーごとに看板・棚番・棚札を付け、色分けと対応する倉庫マップを整備することを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
2. 不要なテレビ2台を廃棄して出荷品置場を広くする(廃棄物)
2階の出荷品置場に置かれたままだった不要なブラウン管テレビ2台を撤去し、置場が広くなりました。専門家は、アナログ放送の終了から数えて約12年そのままだったようだと述べています。評価は成果C・独自性D・難易度D・清潔C・習慣Dの合計28点。専門家は、定期的な5S活動を続ければ廃棄すべき物を処置できると励ましつつ、不要になった時点で処分する「きっかけ」を仕組みにすることを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
3. 機械横に置きっぱなしのドラム缶の足を処分する(設備)
機械の横に置きっぱなしだったドラム缶の足に赤札を貼り、処分しました。専門家は、数年単位で置かれていたとみています。評価は成果C・独自性D・難易度D・清潔D・習慣Dの合計24点。専門家は、誰かが悪いのではなく、不要かどうかを判断する機会や処分する機会がなかったことが原因だと述べ、不要品がないか確認する仕組みと、定期的に処分する仕組みを全員で考えることを次の一歩に挙げています。元の改善事例を見る
14件から見える、倉庫の5Sを分ける3つの視点
ここまで14件を見てきて、気づいたことはありませんか。倉庫の改善は、置き方をきれいにするだけでは評価が伸びにくく、次の3つの視点があるかどうかでランクが分かれていました。
| 視点 | C・Dランクに多い状態 | A・Bランクに多い状態 |
|---|---|---|
| 数量・限度の明示 | 置き場はあっても、何を何個・何段まで置くかが決まっていない | 品名と最大数量、段数の上限が看板やラインで示されている |
| 放置・積みすぎを止める仕組み | 気づいた人が片づける。不要物は、機会があれば処分する | 区画・マップ・置き場の明示で、置かれ続ける状態そのものが起きにくい |
| 表示を保つ決まり | 表示や記録の更新ルールがなく、いずれ実態とずれる | 更新の担当・時期、劣化時の貼り替えなどを決めている |
面白いのは、これらは大きな設備投資をしなくても始められるということです。看板、ライン、ラベル、色分けは、どれも今日からできる工夫でした。足りなかったのは、次の一手ではなく、「ここには何を何個まで」という一言だったのかもしれません。
自社の倉庫の改善報告を見返すとき、次のことを確認してみてください。
- ☐ この置き場に、置く物と最大数量が書いてあるか
- ☐ 不要な物や、積みすぎが「また起きない」構造になっているか、それとも「気をつける」に頼っているか
- ☐ 担当者が変わっても、表示や在庫数の更新が続く決まり(担当・時期・基準)があるか
3つとも「はい」と言えれば、その改善はすでにAランクの水準に近いということです。
よくある質問
ここまでの14件を読んで、皆さんの中に浮かびやすい疑問を4つにまとめました。工場やオフィスの事例との違いと、進め方を先にお答えします。
工場やオフィスの事例と、倉庫の事例で評価の視点は変わりますか
評価の5項目(成果・独自性・難易度・清潔・習慣)は同じです。ただし倉庫は、パレット、棚、在庫、フォークリフトの動線が対象になるため、数量や段数の上限、置き場の区画といった形で未然防止の仕組みが表れやすい傾向があります。工場の事例は工場の5S改善事例14選、オフィスの事例はオフィスの5S改善事例14選で紹介しています。
倉庫の5Sは、まず何から始めればよいですか
今回の事例では、まず不要物の処分(整理)から始め、次に置き場と数量の明示(整頓)へ進む流れが多く見られました。特に、パレットを高く積む場所は、安全に関わるため、安全の担当者やフォークリフトを使う方と一緒に段数や線の位置を決めることをおすすめします。
在庫を減らす改善も5Sの対象ですか
はい。過剰在庫は置場を圧迫し、探すムダや安全のリスクにつながります。今回の14件でも、棚卸し精度を上げて材料在庫を減らした事例(5704)がAランクの評価を受けています。在庫が増えてから減らすのではなく、過剰になる前に止める発注前チェックなどの仕組みを作ることが、次の一歩です。
この評価基準は誰が使っていますか
5S-CONCEPTの事例データベースに登録された改善報告を、専門家が5項目(成果・独自性・難易度・清潔・習慣)で評価する、当社独自の基準です。国や業界団体の公的な認証制度ではありません。
まとめ|次に見る一手
冒頭の、手前のパレットが高く積まれていて奥が見えない倉庫の話に戻ります。パレットを並べ直すだけなら数十分の作業ですが、二度と積みすぎないようにするには、何を何段まで置いてよいかを看板やラインで決める必要があります。今回紹介した14件も、同じことを教えてくれています。数量と限度を明示すること、放置や積みすぎを止める仕組みを作ること、表示を保つ決まりを持つこと。この3つが、ランクを分ける正体でした。
すべてを一度に整える必要はありません。まずは、自社の倉庫で最近行った改善を一つ選び、「置く物と最大数量が書いてあるか」「また起きない仕組みになっているか」「担当者が変わっても続くか」の3つを、この記事の判断表と見比べてみてください。それだけで、次に何を足せばよいかが見えてくるはずです。
自社の改善事例も、こうした基準で評価してほしいという方へ。5S-CONCEPTでは、今回のような5項目評価の考え方を、日々の改善報告にそのまま使えるチェックシートとしてもご用意していく予定です。まずは、倉庫の改善を一つ、見直すところから始めてみてください。



