工場の5S改善事例14選|設備・工具の改善事例を専門家がS〜Dランクで評価し解説する

朝の交代時、台車が通路をふさいでいて、荷物を運ぶ人が少し遠回りをする。よくある光景ではないでしょうか。皆さんの職場にもありませんか。窓が曇っていても、床に油がにじんでいても、「そのうち片づけよう」で今日も一日が終わる。

この記事は、そんな工場の現場をまとめている班長・職長クラスの方と、これから持ち場を任されそうな方に向けて書いています。結論を先に言うと、5S活動の評価が分かれるのは、片づけた「量」ではなく、片づいた状態が続く仕組みがあるかどうかです。台車を移動させただけの改善と、台車が二度と通路をふさがない仕組みを作った改善では、同じ「整頓しました」でも中身が違います。

この記事では、5S-CONCEPTの事例データベースにある工場の改善事例640件の中から、Sランク3件・Aランク6件・B/Cランク2件・Dランク3件、合計14件を選び、専門家評価の理由とあわせて紹介します。良い事例だけを並べた「成功事例集」ではありません。評価が伸び悩んだ事例も、笑うためではなく、どこにあと一歩が必要かを一緒に見るために載せています。

読み終える頃には、自社の改善が今どのあたりにいるのか、次に何を足せば一段上がるのかが、ぼんやりとでも見えてくるはずです。5S活動そのものの意味・進め方から確認したい方は、5S活動とは?意味・目的・進め方7ステップ・続かない理由と直し方を製造現場目線で解説を先にご覧ください。

目次

工場の5S改善事例を「ランクで見る」とうまくいく理由

他社の事例を探すとき、多くの方はまず「うまくいった話」を探します。ですが、成功事例だけを読んでも、自社との距離感はつかめません。この記事では、5S-CONCEPTが独自に採点しているS〜Dの5段階評価をそのまま使い、良い事例と、そこそこの事例を並べて見せます。

評価は、次の5項目をそれぞれ4段階(S=20点・A=16点・B=12点・C=8点・D=4点)で採点し、合計点でランクを決めています。5S-CONCEPTの評価基準による採点で、公的な認証や第三者機関の格付けではありません。

評価項目 当社での意味
成果の大きさ 時間・費用・品質にどれだけの効果が出たか
改善の独自性 誰でも思いつく改善か、発想の転換があるか
改善の難易度 実行にどれくらいの技術・時間が必要だったか
清潔レベル 同じ不具合が「また起きる」か、「起きない仕組み」になっているか
習慣(しつけ)レベル 良いやり方が、その人だけでなく全員が使える標準になっているか

合計81点以上がSランク、66〜80点がAランク、46〜65点がBランク、31〜45点がCランク、30点以下がDランクです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」、習慣(しつけ)レベルの最高位は「誰が担当しても同じ結果になる標準化」です。この2項目は、改善の派手さとは関係なく、仕組みの作り方だけで点数が変わります。

今回選んだ14件は、当社の事例データベース(工場の改善事例640件)の中から、Sランク3件・Aランク6件・Bランク1件・Cランク1件・Dランク3件を選びました。狙いは、上位ランクの「何が違うのか」と、Dランクの「何が足りていないのか」を、同じ物差しで見比べられるようにすることです。

14件の評価早見表(ランク・改善対象・効果・点数)

まずは14件を一覧で見てみましょう。効果の数値は、各改善報告に記載された試算をそのまま載せています。ランクが同じでも、改善対象はさまざまです。

ランク 改善内容 改善対象 効果 点数
S 溶接のズレをセンサーで検知し機械を停止 設備(溶接工程) 月3台×2,100円=6,300円削減(試算) 84点
S バリ取りゲージのカバーを硬質樹脂製に変更 治具/刃具 月150秒(150円)削減(試算) 84点
S コモンプレートで金型交換の高さ調整を不要化 設備(金型交換) 年間28,800円削減(試算) 84点
A たわしの箱を一部カットし在庫を見える化 工具/備品 在庫と発注時期が一目で分かる 68点
A 自動油塗布機の制御BOXの扉を外し役割を明示 設備 1日平均50秒短縮 68点
A ワイヤー加工を丸穴逃げ加工に変更しバリを抑制 完成品 バリ取り時間が約5分短縮 72点
A 脱脂用コロコンの戻し位置を床の印で明示 設備 位置合わせが2分→20秒 68点
A カス受けに印を付けて専用化 設備 準備が約3分→約20秒 68点
A ラジアルボール盤のマクラに固定穴を加工 工具/備品 1日平均10秒短縮 72点
B 台車置き場を変更し各台車の定数を設定 置き場(台車) 出し入れが1日平均60秒短縮×月10日 60点
C 研磨屑をダンボール+ビニール袋でまとめて処理 廃棄物 1日換算36秒短縮×月20日 44点
D 普段手が回らない窓を拭き掃除 窓 作業場が明るくなった(数値記載なし) 28点
D 使っていない製品見本を廃棄 完成品 作業場が広くなった(数値記載なし) 28点
D 光明丹の容器に品名を明示 工具/備品 一目で分かるようになった(数値記載なし) 28点

表を見ると、上位ランクほど「秒」「円」で語れる効果が多く、Dランクの3件は数値の記載がありません。数値がないこと自体が悪いわけではありませんが、効果を数字で確かめる習慣がない現場ほど、次に何を測ればよいかが分からなくなりがちです。次の章から、それぞれの事例を詳しく見ていきます。

Sランク3選|「気をつける」に頼らず、仕組みが止めている

Sランクの3件に共通するのは、人の注意力ではなく、構造やしくみそのものが不良やミスを止めている点です。3件とも、当初の評価から運営者判断で習慣(しつけ)レベルを見直し、2026年9月27日付でSランク(84点)に更新しました。西本さんが最初からSと評価したわけではなく、評価基準を再確認した結果の引き上げです。

1. 溶接のズレをセンサーで検知し、機械を止める(設備・溶接工程)

改善前は、2枚重ねで溶接する際に下側の部品がピンに入らず、ズレが発生していました。改善後は、ズレを検知するセンサーを取り付け、ズレている場合は機械が作動しないようにしています。月3台×2,100円=6,300円の削減(改善報告の試算)です。

評価理由は、成果A・独自性A・難易度B・清潔S・習慣Sの合計84点。不良品が発生する前に機械を止める仕組みは、「清潔=未然防止」の最上位にあたります。専門家コメントは、次の一歩として「ズレの発生原因そのものをなくす根本対策(位置決めピンや治具形状の改善など)」を挙げています。センサーはあくまで保険にして、ズレが起きない構造へ一段深めるのが次の課題です。元の改善事例を見る

2. バリ取りゲージのカバーを硬質樹脂製にして、キズを未然に防ぐ(治具/刃具)

従来は布製のカバーを使っていたため精度が足りず、リューター作業中にキズが発生していました。カバーを硬質樹脂製の精密カバーに変更したところ、キズが出にくくなり、キズ品を処理する時間がなくなりました。月150秒(150円)の削減です。

評価は成果S・独自性A・難易度B・清潔S・習慣Aの合計84点。素材を変えるという一見地味な工夫が、キズという品質不良を根本から解決しています。専門家が挙げる次の一歩は、カバーの点検・交換ルールを決めること。今の良い状態を「続く仕組み」にできれば、Sランクを保てます。元の改善事例を見る

3. コモンプレートで、金型交換の高さ調整そのものをなくす(設備・金型交換)

改善前は金型交換のたびに高さ調整が必要で、取り付けに40分(2,400円換算)かかっていました。コモンプレートを追加し、金型ごとの調整作業を共通化したことで、高さ調整そのものが不要になりました。年間28,800円の削減です(改善報告の試算)。

評価は成果S・独自性A・難易度B・清潔S・習慣Aの合計84点。「調整する」から「調整をなくす」への発想転換が、清潔レベルを最高位に押し上げました。新人作業者でも安心して金型交換ができる点は、習慣(しつけ)の観点でも評価されています。元の改善事例を見る

Aランク6選|発想の転換で、効果と再発防止を両立した事例

Aランクの6件は、成果と独自性はSランクに迫るものの、清潔レベルか習慣レベルのどちらかが「あと一歩」という共通点があります。逆に言えば、この一歩さえ埋まればSランクに近づく事例ばかりです。

1. たわしの箱を一部カットして、在庫と発注時期を見える化(工具/備品)

数種類あるたわしが箱に入っていて在庫が分かりにくかったところ、箱の一部をカットして中身が見えるようにし、発注時期まで明示しました。評価は成果B・独自性A・難易度B・清潔A・習慣Bの合計68点。専門家は「現場のこの箱は勝手に管理してくれている」と、手間を増やさない点を評価しています。次の一歩は、発注時期が来たときに、誰がどう発注の合図を出すかを決めること。ここまで仕組みができているので、発注まで自動でつなげばSランクに近づきます。元の改善事例を見る

2. 自動油塗布機の制御BOXの扉を外し、役割を明示(設備)

操作のたびに制御BOXの扉を開け閉めしていたところ、扉を取り外し、タイマーやカウンターの役割を明示しました。開け閉めのムダがなくなり、1日平均50秒短縮です。評価は成果A・独自性A・難易度B・清潔B・習慣Bの合計68点。専門家は、扉を外したことと役割を明示したことの2点を評価する一方、設定方法などの掲示があればさらに便利になると述べています。元の改善事例を見る

3. 丸穴逃げ加工で、ワイヤー加工のバリの発生そのものを抑える(完成品)

ワイヤー加工後にできていたバリ(ヘソ)を、切離しの加工方法を変えることで発生自体を抑えました。バリ取り作業がなくなり、約5分短縮です。評価は成果A・独自性A・難易度B・清潔S・習慣Cの合計72点。バリを「取る」のではなく「出さない」加工方法に切り替えた発想が清潔レベルを最高位にしていますが、専門家は「材料が制限される」「精密さに限界がある」といったデメリットも指摘しており、適用範囲の基準がまだ整っていません。元の改善事例を見る

4. 脱脂用コロコンの戻し位置を、床の印で決める(設備)

金型切替のたびに動かすコロコンを元に戻す際、位置合わせにベテランでも2分かかっていました。床に支柱の位置を示す印を付けたところ、20秒でできるようになりました。評価は成果A・独自性B・難易度B・清潔A・習慣Bの合計68点。専門家は、さらなる微調整用にコロコンと機械の位置を示す印を追加してはどうかと提案しています。元の改善事例を見る

5. カス受けに印を付けて専用化する(設備)

設備に合うカス受けを毎回探していたため、準備に約3分かかっていました。カス受けに印を付けて専用化したところ、約20秒で準備できるようになりました。評価は成果A・独自性B・難易度B・清潔A・習慣Bの合計68点。専門家は成果の大きさを評価しつつ、類似設備や金型への水平展開を次の一歩として挙げています。元の改善事例を見る

6. ラジアルボール盤のマクラに固定穴を加工する(工具/備品)

加工のたびにクランプで材料を固定していたところ、マクラに固定用の穴をあらかじめ開け、材料を差し込むだけで位置が決まるようにしました。1日平均10秒の短縮です。評価は成果A・独自性A・難易度A・清潔B・習慣Bの合計72点。専門家は、穴が摩耗した場合の対処法や、他の材料への汎用性という「運用の安定性・再発防止策」の視点を次の課題として挙げています。元の改善事例を見る

B・Cランク2選|「惜しい」を言語化する

S・Aランクの事例は、真似したくなる完成度です。ですが実際の現場でよく出会うのは、むしろこのB・Cランクの改善ではないでしょうか。評価できる点と、Aランクに届かない理由の両方を見ていきます。

1. 台車置き場を変更し、各台車の定数を設定する(置き場・台車)

未使用の台車を工場の端にバラバラに置いていたため、通路が狭くなり、奥の台車を出すのにも手間がかかっていました。置き場を見直し、台車ごとの定数を設定して整然と配置したところ、出し入れの時間が1日平均60秒短縮(月10日発生)、1カ月あたり600秒・600円の削減になりました。評価は成果A・独自性B・難易度B・清潔B・習慣Cの合計60点でBランクです。

専門家は「モノの定位置・定量管理」という整頓の重要な考え方を実践できている点を評価しています。一方で、この定位置・定数のルールが守られ続ける仕組み(台車ごとの形跡表示、置き場所の定期チェック、定数を超えたときの一時保管ルール)がまだ整っていません。ここを仕組みにできれば、Aランクに近づく次の一歩になります。元の改善事例を見る

2. 研磨屑を、ダンボール+ビニール袋でまとめて処理する(廃棄物)

研磨屑を小さな袋に入れてごみ箱に何度も捨てていたところ、ダンボール箱にビニール袋を敷き、まとめて処理する方法に変えました。1日1回60秒かかっていた作業が、5日に1回120秒になり、1日換算で36秒短縮(月20日発生)、1カ月あたり720秒・720円の削減です。評価は成果B・独自性C・難易度C・清潔C・習慣Cの合計44点でCランクです。

専門家は、袋詰めの回数が減ったことによる作業のムダ削減を評価しつつ、「まとめて処理する」工夫自体は多くの現場で使われる標準的な発想だと述べています。上位ランクに上げる工夫としては、ビニール袋の厚みを見直して破れを防ぐこと、満杯ラインを表示して交換タイミングを見える化すること、箱の交換・廃棄手順を標準化することの3点が挙げられています。元の改善事例を見る

Dランク3選|「やって終わり」から、続く仕組みへ

ここからはDランクの3件です。先に言っておきたいのは、この3件を「悪い改善」として笑うために載せているのではないということです。どれも、現場の誰かが「気づいて、手を動かした」事実は同じです。ただ、その良い気づきを、次も同じように続く形にできていません。

1. 普段掃除が行き届かない窓を拭く(窓・清掃)

普段の掃除では手が回らない窓が汚れたままになっていたところ、しっかり拭き掃除をしました。作業場が明るくなり、気持ちよく働ける場所になっています。効果の数値記載はありません。評価は成果C・独自性D・難易度C・清潔D・習慣Dの合計28点です。

専門家は「作業環境が明るく快適になる」効果を認めつつ、窓が汚れる原因への手当てがない点を指摘しています。上位ランクに上げる工夫は、清掃を月1回などの年間予定に組み込むこと、清掃担当をローテーションで決めて担当表を掲示すること、最終清掃日を窓の近くに表示することです。習慣(しつけ)を1段階上げるだけで、あと4点でCランクに届きます。元の改善事例を見る

2. 使っていない製品見本を廃棄する(完成品・整理)

使われていない製品見本が立てかけたり積んだりされていたところ、思い切って廃棄しました。作業場が広く、すっきりした状態になっています。効果の数値記載はありません。評価は成果C・独自性D・難易度D・清潔C・習慣Dの合計28点です。

専門家は「思い切った決断」を評価しつつ、廃棄の基準や見直しのタイミングが決まっていない点を課題としています。上位ランクに上げる工夫は、製品見本の置ける数と置き場を決めてあふれる前に見直すこと、「廃棄基準」を明確にして誰でも同じ判断ができるようにすること、定期的な見直しの日を年間予定に組み込むことです。製品見本は営業や品質の担当者が必要とする場合もあるため、廃棄基準は関係部署と一緒に決めることが欠かせません。元の改善事例を見る

3. 光明丹の容器に品名を明示する(工具/備品・整頓)

光明丹の容器が普通のペンキに見えてしまい、取り違えそうになっていたところ、容器に「光明丹」と明示しました。一目で何の容器か分かるようになっています。効果の数値記載はありません。評価は成果C・独自性D・難易度D・清潔C・習慣Dの合計28点です。

専門家は取り違えの防止という安全面の効果を評価しつつ、他にも誤認の可能性がある材料はないか、表示基準が確立されているかを問うています。上位ランクに上げる工夫は、表示の書き方・大きさ・貼る位置を基準として決めること、誤認の可能性がある材料を洗い出して一覧にすること、容器や表示の見直し時期を決めて記録を残すことです。光明丹のように取り扱いに注意が必要な材料は、表示や保管方法を安全の担当者と確認して決めてください。元の改善事例を見る

14件から見える、ランクを分ける3つの視点

ここまで14件を見てきて、気づいたことはありませんか。ランクを分けているのは、改善の大きさそのものよりも、次の3つの視点があるかどうかでした。

視点 Dランクに多い状態 S・Aランクに多い状態
効果の数値化 「きれいになった」「広くなった」など数値の記載がない 秒・円・回数など、確かめられる数字がある
清潔(未然防止) 汚れや不要物が「また溜まる」原因への手当てがない 構造や仕組みが、そもそも問題を起こさせない
習慣(しつけ・標準化) 担当・頻度・基準が決まっておらず、単発の取り組みで終わる 誰が担当しても同じ結果になる手順・基準がある

面白いのは、効果の数値化と、清潔・習慣の仕組み化は、大きな投資をしなくても始められるということです。窓拭き、製品見本の廃棄、光明丹の表示は、どれも今日からでもできる改善でした。足りなかったのは、次の一手ではなく、「これを標準にする」という一言だったのかもしれません。

逆に言えば、B・Cランクの2件のように、既に効果が数値で語れている改善は、清潔・習慣の2項目を仕組みにするだけでAランクへ近づきます。自社の改善報告を見返すとき、次のことを確認してみてください。

  • ☐ この改善の効果を、秒・円・件数のどれかで言えるか
  • ☐ 同じ問題が「また起きない」構造になっているか、それとも「気をつける」に頼っているか
  • ☐ 担当者が変わっても、同じやり方が続く決まり(頻度・基準・掲示)があるか

3つとも「はい」と言えれば、その改善はすでにA・Sランクの水準に近いということです。

よくある質問

ここまでの14件を読んで、皆さんの中に浮かびやすい疑問を4つにまとめました。真似る範囲と、載せた理由を先にお答えします。

工場と、オフィス・倉庫で事例の選び方は違いますか

はい。工場は設備・治具・工具など「動かす・加工する」対象が中心になるため、未然防止の仕組みも配線・センサー・加工方法の見直しといった形で表れやすい傾向があります。オフィス・倉庫の事例は、別記事でそれぞれの改善対象に合わせて紹介する予定です。

Sランクの事例を、自社でそのまま真似してよいですか

設備や工程が異なれば、そのまま同じ方法が使えるとは限りません。特にセンサーの選定・配線や、金型・治具の加工に関わる部分は、設備や安全の担当者と確認してから進めてください。真似てよいのは、方法そのものよりも「後追いではなく未然防止で考える」という視点です。

Dランクの事例を紹介する意味はありますか

あります。Dランクの3件は、どれも「気づいて、手を動かした」という点では立派な一歩です。足りなかったのは、効果を数値で確かめることと、続ける仕組みを決めることだけでした。同じ立ち位置の現場は少なくないはずで、あと一歩が具体的に分かる事例として載せています。

この評価基準は誰が使っていますか

5S-CONCEPTの事例データベースに登録された改善報告を、専門家が5項目(成果・独自性・難易度・清潔・習慣)で評価する、当社独自の基準です。国や業界団体の公的な認証制度ではありません。

まとめ|次に見る一手

冒頭の、通路をふさぐ台車の話に戻ります。台車を動かすだけなら数分の作業ですが、その台車が二度と通路をふさがないようにするには、置き場と定数を決め、誰が見ても分かる形にする必要があります。今回紹介した14件も、同じことを教えてくれています。効果を数字で確かめること、清潔(未然防止)、習慣(標準化)。この3つが、ランクを分ける正体でした。

すべてを一度に整える必要はありません。まずは、自社で最近行った改善を一つ選び、「これは秒・円・件数で言えるか」「また起きない仕組みになっているか」「担当者が変わっても続くか」の3つを、この記事の判断表と見比べてみてください。それだけで、次に何を足せばよいかが見えてくるはずです。

自社の改善事例も、こうした基準で評価してほしいという方へ。5S-CONCEPTでは、今回のような5項目評価の考え方を、日々の改善報告にそのまま使えるチェックシートとしてもご用意していく予定です。まずは、自社の改善を一つ、見直すところから始めてみてください。

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この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。16年間で900社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例338件を評価(2026年9月27日時点)。

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