この事例は、センサーでズレを検知し、ズレたまま溶接しないようにした清潔事例で、専門家評価はSランク(84点)。不良を出す前に止める未然防止が特長。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(溶接工程) |
| 専門家評価 | Sランク(84点。Sは81点以上) |
| 効果 | ズレの発生が、月1回の生産で、月3台×2,100円=6,300円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は、2枚を重ねて溶接する際に、下側の部品がピンに入らず、ズレが発生している状態でした。

改善内容(After)
センサーを取り付け、ズレが発生している場合は機械が作動しないようにしました。不良品が発生する前に機械を止めることで、不良の発生を未然に防いでいます。

専門家コメント
改善前は、2枚重ねて溶接する際に、下側の部品がピンに入らずズレが発生している状態でした。そこでセンサーを取り付けることによって、ズレが発生している場合は機械が作動しないようにして、不良品の発生を未然に防ぐようにした改善ですね。
不良が出る前にストップをかける仕組みを導入する、まさに5Sでいう「清潔=未然防止」の好例です。現場の品質を守るうえで、非常に有効な工夫だと思います。ありがとうございます。
次に考えたいのは、このズレ自体を発生させないための根本対策です。例えば、部品の位置決め方法や治具形状の改善、部品供給時の置き方・方向の統一化など、整理・整頓の視点から見直すと、さらに効果的です。「ズレが起きない状態」を作れれば、センサーはあくまで保険として働き、より安定した生産が可能になります。
5S改善評価:合計84点(Sランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | S | 20点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | S | 20点 |
| 合計 | S | 84点 |
5項目の合計は、16+16+12+20+20=84点で、Sランク(81点以上)にあたります。清潔と習慣が最高位で、「人の注意に頼らず、設備側で不良を止める」点が、Sの決め手です。
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:ズレによる不良品の発生を完全に未然防止でき、品質面・コスト面の損失を大幅に削減できる。生産性向上や安全性への波及効果は限定的なためA。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:センサーを活用して「不良が発生する前に機械を停止する」という発想は、高度な予防的改善。人の注意や点検に頼らず、設備側で制御している。「やや発想が困難な改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:センサーの選定・設置・配線・制御ロジックの設定に、ある程度の技術と作業時間が必要。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:S(20点)
理由:不良品が発生する前に機械を停止させる仕組みは、「清潔=未然防止」の最上位。不良の流出を100%防げる構造であり、清潔レベルの最高位の、問題を未然に防止できる仕組みと評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:S(20点)
理由:設備による自動検知は、作業者の意識や経験、その日の体調に左右されず、誰が担当しても同じ精度でズレを止める。「気をつける」という人の努力に頼らず、仕組み自体が習慣(しつけ)の役割を担っている状態であり、習慣レベルの最高位にふさわしい。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 部品の置き間違いやズレで、不良が出る工程を洗い出す
- ズレを検知できる位置を決め、センサーの取り付けを検討する。選定・配線・制御の設定は、設備・安全の担当者や設備の専門家と確認して決める
- ズレを検知したら、機械が作動しない条件にする
- わざとズレた状態で試し、確実に止まるかを確かめる
- 止まった回数を記録し、ズレの発生状況を把握する
Sランクを保つための次の一歩
不良を出す前に止める仕組みで、Sランクに届きました。この評価を保つには、センサーを「保険」と位置づけ、ズレの発生原因そのものをなくす根本改善に進むことです。止める仕組みは強力ですが、ズレが起きるたびに機械が止まれば、生産は安定しません。起きてから止める仕組みから、起きない構造へ、未然防止を一段深めます。
- 位置決めピンや治具の形状を改善する
- 部品を供給するときの置き方・方向を統一し、ガイドを設ける
- 振動や衝撃によるズレを防ぐ構造を加える
- センサーの点検・調整・清掃を、維持管理として定める
原因が減れば、センサーは念のための備えになり、より安定した生産が可能になります。
関連する5S活動の事例
同じ工場の、設備や作業の効率に関する清潔の事例です。
更新履歴
2026-09-27 評価基準の再確認によりSランクに更新



