この事例は、現品票入れを品名ごとの半透明ファイルとラベルの色分けで整えた整頓・清潔事例で、専門家評価はBランク(56点)。探す時間が3秒から0秒になった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓+清潔 |
| 改善場所 | オフィス・工場 |
| 改善対象 | 書類・情報(現品票) |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 現品票を探す時間が3秒から0秒に。1日3回×3秒=9秒、月9秒×20日=180秒、1カ月あたり180秒(180円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
現品票は、現品票入れにまとめて入れていました。ところが、現品票入れの中がぐちゃぐちゃで整理されておらず、仕切りも汚れていたため、必要な現品票をとても探しにくい状態でした。1回あたり3秒ほど探す時間がかかり、それが1日に3回ほど発生していました。

改善内容(After)
品名ごとに半透明ファイルを使って現品票を分け、さらにラベルで色分け表示をしました。どの品名の現品票がどこにあるか、定位が明確になり、探す手間がなくなりました。現品票がファイルに入ったことで、汚れからも守れるようになっています。

専門家コメント
現品票入れがぐちゃぐちゃで整理されておらず、仕切りも汚れていたことで、とても探しにくい状態だったところを、品名ごとに半透明ファイルを使い、さらにラベルで色分け表示をすることで定位が明確になり、探す手間がなくなった、とても実用的で効果的な改善ですね。
汚れからも現品票を守れるようになり、文書管理のレベルが一段と上がったと思います。ありがとうございます。
このような「見てすぐ分かる」工夫は、5Sの“整頓”と“清潔”の基本であり、ミス防止や作業効率の向上につながる大切な取り組みです。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:探す時間を削減し、文書の管理レベルを向上。汚れ防止の効果もあり、業務効率・品質の両面で成果が大きい。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:ファイル整理やラベル色分けは一般的な方法だが、「汚れ防止」と組み合わせた点に現場ならではの工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:ファイル準備とラベル表示は比較的容易で短時間でできる改善。難易度は低め。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:ファイル化により汚れ防止が進み、整頓状態を保ちやすくなった。ただし、ラベルの劣化や乱れの可能性があり、点検ルールがあればA評価へ。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:運用ルール(使い方・戻し方・追加対応)がまだ仕組み化されていない段階。標準化すれば習慣レベルが大きく向上。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
現品票は、毎日の作業の中で何度も手に取る書類です。その「毎日の小さな探す時間」に目を向けて、すぐに形にしたことを、まずしっかり評価したいと思います。特に次の4点は、他の現場でもそのまま参考になります。
- 「品名ごとに分ける」ことで、定位を決めた。まとめて入れていた現品票を、品名ごとのファイルに分けました。どこに何があるかが決まり、探す時間が3秒から0秒になっています
- ラベルの色分けで「見てすぐ分かる」形にした。文字を読む前に、色でおおよその場所が分かります。専門家も、この「見てすぐ分かる」工夫を、整頓と清潔の基本として挙げています
- 整頓と同時に「汚れ」も防いだ。半透明ファイルに入れたことで、現品票が汚れから守られるようになりました。ファイル整理と汚れ防止を組み合わせた点が、独自性B(12点)の理由になっています
- 効果を数字で示した。1日3回×3秒=9秒、月20日で180秒と、小さな時間を積み上げて試算しています。数字にすると、同じような改善を他の帳票にも広げる判断がしやすくなります
成果の大きさがA(16点)と評価されているのは、時間の短縮だけでなく、文書の管理レベルと品質の両方に効いているからです。
あと10点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。1項目を上げるだけでは届きません。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げても+8点で64点なので、まだBランクです。専門家の理由にある「点検ルールがあればA評価へ」のとおり、清潔レベルもB(12点)からA(16点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 56点 | B |
| 清潔をAに、習慣をBに | A(16点) | B(12点) | 64点 | B |
| 清潔をAに、習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
清潔はラベルの点検の仕組み、習慣は使い方・戻し方・追加対応のルール化と周知です。どちらも、今回作ったファイルとラベルをそのまま活かして進められます。
「ファイルが乱れる・ラベルが傷む」を、起きる前に防ぐ
今は整った状態ですが、使い続けるうちに、ファイルが別の場所に戻されたり、ラベルが汚れたり剥がれたりすると、また探す時間が戻ってきます。乱れてから並べ直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、乱れが起きない形にしておくことが次の一歩です。専門家のアドバイスをもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| ファイルが別の場所に戻される | ファイルの使い方・戻し方をルールにして、現品票入れのそばに表示する(例:ラベルと同じ色の印を、ファイルの戻し位置にも付ける) |
| ラベルの汚れ・剥がれに気づかない | ラベルの汚れや剥がれをチェックする日と担当を決める(例:月1回、点検表で確認する) |
| 新しい品名が増えたとき、ファイルがなく元のやり方に戻る | 新しい品名が追加されたときのファイル作成とラベル表示の手順を決める(例:色の決め方を一覧にしておく) |
| 他の帳票類は、まだ探しにくいまま | 今回のやり方を写真付きの標準書にして、他の文書や帳票類にも展開する |
表示や置き場を変えるときに、設備や安全に関わる部分があれば、その担当者と確認しながら進めてください。専門家も、この整った状態をどうやって“維持”するかという“しつけ”の視点を、次に考えてほしいこととして挙げています。ルールと点検の仕組みが整えば、今回の改善が長く効果を発揮し、Aランク以上も十分に狙えます。
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