この事例は、作業台のシートをフタ酸エステル規制に対応した新しいシートに張り替え、製品の滑りも良くした清潔事例で、専門家評価はBランク(60点)。あと6点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(作業台) |
| 専門家評価 | Bランク(60点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 規制に対応し、製品の滑りが良くなって作業効率が上がった。1日平均5秒短縮×月20日発生で、1カ月あたり100秒(100円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
作業台のシートが、フタ酸エステル規制に適合していない状態でした。さらに、シートの上で製品の滑りが悪く、作業効率が下がっていました。

改善内容(After)
作業台のシートを、フタ酸エステル規制に対応した新しいシートに張り替えました。規制への対応と同時に、製品の滑りが良くなり、作業効率が上がりました。

専門家コメント
作業台がフタ酸エステル規制に適合しておらず、さらに製品の滑りも悪かったために作業効率が低下していた状態を、規制に対応した新しいシートに張り替えることで、安全性を確保しつつ製品の滑りも改善され、作業効率が向上したという素晴らしい改善ですね。
品質・法令対応・作業性の3点を同時に満たす、非常に価値ある取り組みです。対応してくださったことに感謝します。ありがとうございます。
このような“素材や環境の見直し”は、5Sでいう“清潔”の視点に深く関わり、不具合や事故の未然防止にもつながります。
次の改善視点としては、この新しいシートが長く良い状態で保たれるように、“清掃”や“しつけ”の仕組みを意識してみてください。
5S改善評価:合計60点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 60点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:安全性(規制対応)、品質保護、作業効率改善の3つの成果を同時に実現。現場全体への影響も大きい。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「シートを規制対応品に交換する」発想は標準的だが、滑り改善も同時に解決した点に工夫がある。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:張り替え作業は比較的容易だが、規制対応素材の調達や選定に一定の調整が必要。中程度の難易度。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:安全で清潔な状態を実現。ただし、シートは時間とともに劣化するため、清掃・点検ルールがなければ再発の可能性がある。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:現状は「張り替えた」だけで終わっている。交換基準や清掃ルールを明確にすれば、習慣として定着可能。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計60点のこの事例は、Bランクの上位にいます。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 1回の張り替えで、3つの課題を同時に解決した。法令対応、品質の保護、作業性の改善を、シートという1つの見直しでまとめて満たしています
- 「素材」に目を向けた。置き方や並べ方ではなく、作業台そのものの素材を見直したことは、清潔の視点に深く関わる取り組みです
- 効果を数字で示した。1日平均5秒の短縮を、月20日分の試算にして、改善の大きさを見える形にしています
あと6点でAランク。習慣と清潔を1段階ずつ上げる
合計60点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと6点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)に上げるだけでは+4点で64点となり、あと一歩足りません。清掃・点検のルールを決めて清潔レベルもB(12点)からA(16点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。習慣をA(16点)まで上げる道もあります。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 60点 | B |
| 習慣をBに | B(12点) | B(12点) | 64点 | B |
| 習慣をB、清潔をAに | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
| 習慣をAに | B(12点) | A(16点) | 68点 | A |
専門家の発展ポイントも、同じ方向を示しています。シート清掃のルールを決めて劣化や汚れを未然防止すること、交換時期や点検スケジュールを標準化すること、他の作業台も規制・滑り改善対応へと展開し、職場全体のレベルを統一することです。「維持ルール(清掃・交換基準)」を組み込めば、Aランク以上にすぐ発展できる内容だと評価されています。
「シートの劣化・汚れ」を、起きる前に防ぐ
新しいシートも、時間とともに傷み、汚れます。滑りが悪くなってから気づいて張り替える、というのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて使う」に頼らず、劣化に早く気づき、決まった時期に手が入る形にしておくことが、未然防止の考え方です。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 汚れがたまり、滑りがまた悪くなる | 定期的な清掃のルールを決め、清掃の頻度と方法を作業台の近くに表示する |
| 劣化に気づかず、使い続けてしまう | 劣化時の交換基準と点検スケジュールを決め、点検日を記録する |
| 他の作業台が、規制に未対応のまま残る | 他の作業台へ展開し、シートの種類がそろっているか(整合性)を確認する |
| 交換のたびに、規制に合わないシートを選んでしまう | (例)使ってよいシートの品名を一覧にして、購入時に確認する手順を決める |
上の3行は専門家が挙げた工夫で、4行目は(例)です。規制への適合や作業台の安全に関わる判断は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。今回の取り組みをぜひ他の職場にも広げて、より安全で効率的な作業環境づくりにつなげていきましょう。
関連する5S活動の事例
同じ工場の工具・備品や置き場に関する、Aランクの事例です。



