この事例は、バリ取りを外周すべてのサンダー作業から長手方向のバリマスターに切り替え、粉塵を13.4%に削減した清掃事例で、専門家評価はAランク(72点)。次の課題は、手順の標準化。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃・清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具(バリ取り工具) |
| 専門家評価 | Aランク(72点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 粉塵を13.4%に削減、作業時間を30%削減、疲労を30%に軽減。1日平均60秒短縮×月間20日発生で、1カ月あたり1,200秒(1,200円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は、外周すべてをサンダーでバリ取りしていました。そのため大量の粉塵が発生し、その清掃に多くの時間を取られていました。

改善内容(After)
長手方向は、バリマスターでバリ取りをするようにしました。粉塵の発生量が大きく減り、清掃時間も短くなっています。改善報告では、粉塵が13.4%に削減、作業時間が30%の削減、疲労が30%に軽減と示されています。

専門家コメント
外周すべてをサンダーでバリ取りしていたため、大量の粉塵が発生し、その清掃に多くの時間を取られていたという問題に対し、長手方向のみバリマスターへ切り替えることで、粉塵の発生量を大幅に削減し、清掃時間まで短縮できた、非常に効果的な改善ですね。
作業のやり方自体を見直すという視点は、まさに5Sの中でも「清掃」と「清潔」のレベルを高める優れた取り組みです。ありがとうございました。
5S改善評価:合計72点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | S | 20点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | A | 72点 |
20+16+12+16+8=72点で、Aランク(66〜80点)です。
(1)成果の大きさ:S(20点)
理由:粉塵の発生量を大幅に削減し、清掃時間も短縮した。作業環境の改善だけでなく、生産効率や安全面にも波及効果がある、非常に大きな成果と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:「外周すべてサンダー」から「長手方向のみバリマスター」への切り替えは発想力が必要で、現場の実態に即した工夫。完全な独創性ではないが、高く評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:工具の選定と使用条件の確認が必要で、一定の検討時間を要するが、現場への導入自体は比較的スムーズにできる。標準的な難易度と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:粉塵という汚れの発生源を抑えた点で、「再発しにくい」改善。ただし完全なゼロではなく、残る作業部分で粉塵が出るため、Sには一歩届かずA評価とする。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:現状は「やり方を変えた」段階にとどまる。バリマスターの使用条件や手順が標準化されておらず、作業者によってばらつく可能性がある。マニュアル化・ルール化が必要と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- バリ取りで、どこに粉塵が出ているか、清掃にどれだけかかっているかを確認する
- 粉塵の発生源になっている作業のうち、工具を替えられる部分を探す(この事例は長手方向)
- 工具の選定と使用条件を確認する。工具の選定や使用条件は、設備や安全の担当者と確認して決める
- 切り替えたあとの粉塵の量、作業時間、疲れ方を、改善前と比べる
- 使う手順と使う箇所を決めて、書き残す
Sランクに近づくための次の一歩
専門家が次に考えてほしいとしているのは、この改善後の作業手順や使用工具が「誰でも同じようにできる状態」になっているかという、習慣(しつけ)の視点です。粉塵を出してから掃除する「後追い」を、発生源で減らしたのがこの事例です。次は、その状態を誰でも保てる仕組みにします。
- バリマスターの使用手順を標準化する(マニュアル化)
- 使用条件と使用箇所を明確にする
- 工具の保管場所や整頓状態を管理する(点検ルールを整える)
手順と使用箇所が決まれば、作業者によるばらつきがなくなり、粉塵の少ない状態が続きます。「発生源対策」を起点に、職場全体の快適さと効率を高めていきましょう。
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