【5S 整頓事例】部品置場に「何を何個」の看板で積みすぎを防ぐ|評価Aランク(倉庫)

この事例は、倉庫の製品部品置場に品名と最大数量の看板を掛けた整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、看板のルールを床面や壁とつなげること。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 倉庫
改善対象 仕掛品/完成品(製品部品置場)
専門家評価 Aランク(68点。Aは66〜80点)
効果 聞くムダが減った。1日平均15秒短縮×月20日発生で、1カ月あたり300秒(300円)の削減(改善報告の試算)
目次

改善前の状態(Before)

改善前は、置場に置くものは決まっていましたが、何を何個置くかの表示がありませんでした。床面には黄色の区画線(定位置)がありますが、そこに何を何個(何段)置いてよいかの基準がありません。担当者以外の人が見ると、今ある状態が正しいのか、多すぎるのか少なすぎるのかが判断できず、過剰在庫や、高く積みすぎることによる安全上のリスクにつながります。

5S 整頓 製品部品置場 何を何個置くか表示なし 改善前 倉庫
【改善前】置場に置くものは決まっていたが、何を何個置くか表示がなかった

改善内容(After)

看板の横に、レーンごとの看板を掛け、何を何個置くかを表示しました。品名だけでなく、「(最大5段6列)」のように具体的な数量まで書いてあります。

5S 整頓 製品部品置場 レーンごとの看板 何を何個置くか表示 改善後 倉庫
【改善後】看板横にレーンごとに看板を掛け、何を何個置くか表示した

専門家コメント

製品・部品置場において、「何を」「どれだけ置くか」のルールを看板として吊り下げ、誰にでも分かるようにした素晴らしい改善事例ですね。

ビフォーの状態では、床面に黄色の区画線(定位置)はあるものの、そこに「何を何個(何段)置いてよいか」の基準が明示されていませんでした。これでは、担当者以外の人が見たときに、今ここにあるものが正しい状態なのか判断できず、過剰在庫や、高く積み上げすぎることによる安全上のリスクにつながります。

今回、レーンごとに看板を設置し、品名だけでなく「(最大5段6列)」といった具体的な数値(定量)まで明記されたのが本当に素晴らしいです。これにより、フォークリフトの運転手も「何段まで積んで安全か」が迷わず判断でき、現場の安全と規律が同時に向上する仕組みだと感じました。「なんとなく置く」を排除し、ルールを明確に形にされた見事な取り組みです。改善活動お疲れ様でした。

5S改善評価:合計68点(Aランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 16点
(2)改善の独自性 B 12点
(3)改善の難易度 B 12点
(4)清潔レベル A 16点
(5)習慣(しつけ)レベル B 12点
合計 A 68点

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:改善報告の試算では、1日平均15秒短縮×月20日で1カ月あたり300秒(300円)の削減。時間の数字は小さいが、過剰在庫と積みすぎの安全リスクを同時に抑え、フォークリフトの運転手も安全な段数を迷わず判断できる。「やや大きい成果」と評価する。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:置場に品名と数量を表示する方法は、整頓の標準的な発想。ただし、品名だけで終わらず「最大5段6列」まで定量で示した点は実用的。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:B(12点)

理由:レーンごとに置く数量を決め、看板を作って掛ける作業が必要だが、大がかりな工事ではない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。

(4)清潔レベル:A(16点)

理由:何を何個置くかが決まり、担当者以外でも過不足を判断できるため、積みすぎが起きにくい。ただし、看板は上部にあり、荷物を出し入れする運転手の視線の先(床面や壁)にはまだ表示がない。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)

理由:誰でも守れるルールが看板として示され、標準化まで進んでいる。看板の見直しや、守られているかの点検の手順は改善報告に記載がなく、これからの課題。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。

この事例を自社で真似する手順

以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。

  1. 置場で、置くものは決まっているのに、何個(何段)置くかが決まっていないレーンを探す
  2. レーンごとに、置く品名と最大数量を決める。積む段数は、安全に関わるので、安全の担当者やフォークリフトを使う方と一緒に確認する
  3. 品名と最大数量(例:最大◯段◯列)を書いた看板を、レーンごとに作って掛ける
  4. 担当者以外の人にも見てもらい、過不足が判断できるか確かめる

Sランクに近づくための次の一歩

上部の看板で、ルールは見える化されました。次に考えたいのは、フォークリフトの運転手の視線に合わせた、床面や壁との連動です。運転手は荷物を出し入れするとき、主に床面と荷物の高さを見ています。清潔レベルで上位を取るには、看板を見上げて確認する「気をつける」に頼らず、作業の動きの中で自然に限界が分かる、「未然防止」の視点が要ります。

  • 床の黄色いレーン内にも「最大5段」などの文字をペイントする
  • 壁や柱の「5段目の高さ」の位置に、これ以上積まない線(レッドライン)を1本引く

こうすると、上を見上げなくても、積んでいく途中で「これ以上はルール違反だ」と視覚的に分かります。ルールの明記の次は、動作に溶け込む限界線の見える化です。床面のペイントや壁への線の位置は、設備・安全の担当者と確認してから決めましょう。

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この記事を書いた専門家

昭和61年静岡大学工学部卒業後、大手装置メーカーに入社する。 入社後、生産ライン構築業務に携わり、品質改善・コスト削減に取り組む。 その後、ソフトウエア商品開発業務に携わり、プロジェクトリーダーとして新商品の開発から上市、販売まで手掛ける。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例271件を評価(2026年9月27日時点)。

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