【5S 整頓事例】在庫ケースに写真と在庫数を表示し、降ろさず確認|評価Bランク(倉庫)

この事例は、倉庫の在庫ケースに写真と在庫数を記入し、棚の上でも一目で在庫が分かるようにした整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。ケースを降ろす手間がなくなった。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 倉庫
改善対象 材料/部品(在庫ケース)
専門家評価 Bランク(52点。Bは46〜65点)
効果 ケースを降ろさずに在庫数が分かるようになった。1回3秒×月間20日発生、1カ月あたり60秒(60円)の削減(改善報告の試算)
目次

改善前の状態(Before)

在庫ケースは棚に保管されていましたが、ケースの表示は型番のみでした。そのため、中にいくつ残っているかは、毎回ケースを棚から降ろして確認しなければ分かりませんでした。

5S 整頓 在庫ケース 型番のみの表示 改善前 倉庫
【改善前】型番のみの表示だった

改善内容(After)

ケースに、中身の写真と在庫数を記入しました。棚の上に置いたままでも、何が入っていて、いくつ残っているかが一目で確認できます。ケースを降ろして確認する手間がなくなりました。

5S 整頓 在庫ケース 写真と在庫数を記入 改善後 倉庫
【改善後】写真と在庫数を記入した

専門家コメント

保管された在庫ケースの棚に型番のみの表示だったため、毎回ケースを降ろして確認する手間が発生していた状態を、ケースに写真と在庫数を記入することで、棚の上からでも一目で在庫が確認できるようにした、とても実用的な改善ですね。

視認性が高まり、作業時間の短縮とミスの防止につながる素晴らしい工夫です。気づいて実行してくれたことに感謝します。ありがとうございます。

このような「見てわかる化」は整頓の基本であり、5Sの要のひとつです。

次の改善視点としては、在庫数の情報が常に正しい状態で維持されるか?という“清潔”の視点です。たとえば、在庫数の記入方法や更新ルールを決める、補充や引き取り時に確認のチェックリストを使う、表示の劣化や写真の貼り替えタイミングを整備する、などの仕組みを加えることで、改善の効果が長く続くはずです。

ぜひ今回の良い改善をさらに発展させ、次なる取り組みにもつなげてください。次回の報告を楽しみにしています。

5S改善評価:合計52点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 16点
(2)改善の独自性 B 12点
(3)改善の難易度 C 8点
(4)清潔レベル C 8点
(5)習慣(しつけ)レベル C 8点
合計 B 52点

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:作業時間の短縮・確認ミスの防止に効果大。現場全体の効率化に直結し、成果は大きい。「やや大きい成果」と評価する。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:写真と在庫数を併記する工夫はよくある整頓手法ですが、「棚の上からでも確認できる」という実運用に基づいた工夫は現場ならではの良い発想です。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:C(8点)

理由:写真撮影・印刷・貼付、在庫数の記入といった作業は比較的簡単に実施可能。短時間でできる改善なのでC評価。

(4)清潔レベル:C(8点)

理由:表示内容は現時点では正確ですが、在庫数の更新が曖昧だとすぐに誤差が生じるリスクあり。定期点検や記入ルールがあればA評価に成長可能。

(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)

理由:更新や貼り替えの仕組みが整備されていない段階。標準化やチェックリスト化が導入されればBやAに向上できる。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

この事例は、毎日のちょっとした手間に気づき、すぐに形にした改善です。特に次の4点は、しっかり評価したいところです。

  • 「降ろして確かめる」という当たり前の手間に気づいた。1回3秒でも、毎日くり返せば積み重なります
  • 「何が」と「いくつ」を同時に見せた。写真で中身が直感的に分かり、在庫数で確認そのものが不要になりました
  • 現場の使い方から考えた。棚の上に置いたまま見える、という実際の動きに合わせた工夫は、専門家も「現場ならではの良い発想」と評価しています
  • 成果の大きさがA(16点)。作業時間の短縮だけでなく、確認ミスの防止にもつながる改善と評価されています

専門家が言うとおり、「見てわかる化」は整頓の基本であり、5Sの要のひとつです。この改善は、その基本をきちんと押さえています。

あと14点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げる

合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。1項目を1段階上げると+4点なので、少なくとも2項目を上げる必要があります。伸びしろが大きいのは、どちらもC(8点)の清潔レベルと習慣(しつけ)レベルです。専門家も清潔について「定期点検や記入ルールがあればA評価に成長可能」と書いています。

上げ方 清潔 習慣 合計 ランク
現在 C(8点) C(8点) 52点 B
清潔をAに A(16点) C(8点) 60点 B
清潔をA、習慣をBに A(16点) B(12点) 64点 B
清潔と習慣をAに A(16点) A(16点) 68点 A

清潔をAにするだけでは60点、習慣をBに上げても64点で、あと一歩届きません。在庫数の更新ルールを決め(清潔)、そのルールを皆が守る標準にし、点検まで回す(習慣)ところまで進めると、68点でAランクに届きます。

「表示と実在庫のズレ」を、起きる前に防ぐ

次に心配なのは、表示の数字と実際の在庫がずれることです。ズレを見つけてから直す「後追い」ではなく、ズレが起きにくい形にしておくのが清潔の考え方です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。専門家の発展ポイントをもとに、次のような仕組みが考えられます。

起こりうる不具合 未然防止の仕組み
補充・引き取りのときに、在庫数を書き換え忘れる 在庫数更新のルールを明文化する(補充・引き取り時に必ず修正する)。確認のチェックリストを使う
表示と実在庫の差に、誰も気づかない 定期的に棚の表示と実在庫を照合し、差異を確認する仕組みを入れる
写真やラベルが劣化して読めなくなる 劣化に備えた「更新基準」と、貼り替えのタイミングを決める
書き換えが面倒で、つい後回しになる (例)在庫数の欄を、書いて消せる表示にするなど、更新の手間そのものを減らす

「気をつけて書き換える」に頼らず、手順と表示の形で、ズレが起きにくくするのがポイントです。棚や表示の材質を変える場合は、倉庫の担当者と確認しながら進めてください。専門家の言葉どおり、維持・更新の仕組みを加えれば、Aランク以上へレベルアップできる改善です。

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この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。16年間で900社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例338件を評価(2026年9月27日時点)。

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