この事例は、油置き場に定数・予備数と納入予定日の看板を掲げた習慣(しつけ)の事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、発注のきっかけを看板に組み込むこと。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 習慣(しつけ) |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 材料/部品(油) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 1日平均150秒短縮×月3日発生で、1カ月あたり450秒(450円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は、最大容量をまとめた掲示はありましたが、定数(いくつ置くか)を決めていませんでした。そのため発注漏れが多発し、生産を止めなければならないこともありました。

改善内容(After)
油の種類ごとに定数と予備数を決め、油ごとの看板を作って掲示しました。さらに、次回の納入予定日を知らせる看板も追加しています。今ある量が適正かどうか、次にいつ入るのかが、その場で分かる状態です。

専門家コメント
改善活動ありがとうございます。最大容量の掲示はあるものの定数が決まっていない状態では、担当者の感覚や判断に依存した発注が行われ、気づかないうちに過剰在庫が積み上がり、スペースの無駄やコスト増加につながっていました。
今回、油の種類ごとに定数と予備数を設定し、専用の看板を作成・掲示したことで、誰が見ても適正在庫が一目で分かる管理体制が整いました。さらに次回納入予定日を知らせる看板を追加したことで、発注タイミングの見える化まで実現した点は優れた取り組みです。過剰発注によるムダを仕組みで防ぐチームの改善力を高く評価します。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 68点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:発注漏れで生産を止めることがあった状態から、適正在庫が誰にでも分かる状態になった。改善報告の試算では1日平均150秒短縮×月3日で、1カ月あたり450秒(450円)の削減。時間の数字以上に、生産停止と過剰在庫の両方を防げる点が大きい。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:定数と予備数を決めて表示する方法は、在庫管理の標準的な発想。ただし、次回納入予定日の看板まで加えて発注のタイミングを見えるようにした点は一工夫ある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:定数と予備数を決める話し合いと、油ごとの看板づくりが必要だが、大がかりな工事は要らない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:担当者の感覚に頼らず、定数・予備数・納入予定日という仕組みで発注漏れと過剰発注を防いでいる。発生源を抑え、再発しにくい。ただし、在庫が定数を下回ったときに発注へつなげるサインは未整備。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:看板の掲示で、誰でも同じ基準で在庫を判断できる標準化まで進んでいる。発注を誰がいつ行うかの手順や、看板の点検までは改善報告に記載がなく、これからの課題。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 置き場に、最大容量の掲示だけで定数が決まっていない品目がないか確認する
- 品目ごとに、定数(普段置く数)と予備数を決める。使用量と納入までの日数は、購買や発注の担当者と一緒に確認する
- 品目ごとの看板を作り、置き場に掲示する
- 次回の納入予定日を知らせる看板を追加し、発注のタイミングを見えるようにする
- しばらく運用して、定数と予備数が実態に合っているか見直す
Sランクに近づくための次の一歩
定数と納入予定日が見えるようになりました。次に考えたいのは、在庫が定数を下回ったときに、発注の動きが自然に始まる仕組みです。清潔レベルで上位を取るには、発注漏れが起きてから対処するのではなく、起きない仕組みを先に作る「未然防止」の視点が要ります。
- 在庫が定数を下回ったら、看板に発注サインが出る仕組みを組み込む(例:予備数の位置に「発注」の札を置く)
- 発注する人と、確認する人を決め、看板に書いておく(例)
- 他の消耗品や副資材にも同じ看板の型を横展開する
「気をつけて確認する」に頼らず、看板の見た目で発注のきっかけが決まる状態にすると、担当が替わっても発注漏れが起きにくくなります。
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