この事例は、中身が分からなかった油入れにテープで油の名前を表示した整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。使う油の間違いを防ぎ、作業の安全性も高めた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(油入れ) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | どの油入れに何の油が入っているかが分かるようになり、使用する油の間違いを防げるようになった。作業効率と安全性が向上(専門家コメントより) |
改善前の状態(Before)
現場では、たくさんの種類の油を使っています。ところが、油入れには中身の表示がなく、それぞれの油入れに何の油が入っているのかが分からない状態でした。
中身が分からないと、使う前に確かめる手間がかかります。似た油入れが並んでいれば、違う油を使ってしまうおそれもあります。改善報告では、この「何の油か分からない」ことを問題として捉えました。

改善内容(After)
それぞれの油入れに、テープで油の名前を表示しました。油入れを見れば、中に何の油が入っているかがすぐに分かります。
整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「何が入っているか」をはっきりさせる定品の表示にあたる改善です。シンプルな方法ですが、中身を確かめる手間と、油を取り違えるリスクの両方を減らしています。

専門家コメント
たくさんの油を使っているが、それぞれ何がどの油なのかわからないことを問題として捉え、しっかりテープで名前を表示した改善ですね。
この行動によって、作業効率が向上し、使用する油の間違いを防ぐことができるようになりました。明確な表示は、作業の安全性をも高める重要な改善です。
引き続きの素晴らしい改善活動を期待しており、次回の報告を楽しみにしています。頑張ってください!
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:中身を確かめる手間が減って作業効率が上がっただけでなく、使用する油の間違いを防げるようになった。専門家も「作業の安全性をも高める重要な改善」と述べている。効率と安全の両面に効いているため、「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:容器にテープで中身の名前を表示する方法は、5S活動で広く行われている基本の手法。ただし、「何の油か分からない」ことを問題として捉えた着眼はしっかりしている。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:テープに油の名前を書いて油入れに表示する作業で、特別な道具や加工は必要ない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:表示があることで、同じ油入れを使う限り「何の油か分からない」状態には戻りにくい。一方で、油の入れ替えや新しい種類の導入時に表示を直す仕組みはまだなく、そこから乱れる余地が残っている。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:表示は付いたが、表示の書き方、ラベルの確認や更新の時期など、皆が守るべきルールの記述は改善報告にない。現時点は表示という物の改善までで、「ルール未整備」の改善と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
テープで名前を書くという、誰でもできる方法の改善です。だからこそ、次の点はしっかり評価したいところです。
- 「分からない」を、そのままにしなかった。たくさんの油を使う現場で、何がどの油か分からないことを、慣れで済ませず問題として捉えています
- 小さな手間で、大きな効果を出した。テープによる表示だけで、確かめる手間と、油の取り違えという安全面のリスクを同時に減らしています。成果の大きさはA(16点)です
- 「見れば分かる」状態を作った。覚えている人に聞かなくても、誰が見ても中身が分かります。新しく現場に入った人にもやさしい改善です
あと14点でAランク。習慣と清潔を上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で60点。さらに清潔レベルをB(12点)からS(20点)に上げると+8点で、合計68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | B(12点) | 52点 | B |
| 習慣をAに | A(16点) | B(12点) | 60点 | B |
| 習慣をA、清潔をAに | A(16点) | A(16点) | 64点 | B |
| 習慣をA、清潔をSに | A(16点) | S(20点) | 68点 | A |
習慣をAに上げるには、表示の書き方や確認・更新のルールを決めて、皆に周知し、点検まで行うことです。清潔をSに上げるには、次の未然防止の仕組みが要になります。
「表示の付け忘れ・古い表示」を、起きる前に防ぐ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。表示がはがれてから、あるいは違う油を使ってしまってから直すのは「後追い」です。そうではなく、油を入れ替えたときや新しい油が入ったときにも、表示が自然に正しく保たれる形を作ります。専門家の提案をもとに、次のような仕組みが考えられます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 油を入れ替えたのに、表示が古いまま | 油の入れ替えや新しい種類の導入時に、ラベルが正確か確認し、必要に応じて更新する(専門家の提案) |
| 名前は分かっても、扱い方が分からない | 名前だけでなく、簡単な使用方法や注意点を記載する(専門家の提案) |
| 危険性や取り扱いの注意を知らずに使う | 各油の安全データシート(SDS)を近くに掲示する(専門家の提案) |
| テープがはがれたり、かすれて読めなくなる | (例)油や汚れに強い表示を選び、月1回の点検日に表示の状態を確かめる |
油の取り扱いや安全データシートの掲示は、安全に関わる内容です。安全の担当者と確認しながら進めてください。これらを標準化して、他の油や薬品の容器にも展開すれば、職場の安全と作業効率の向上にさらに貢献できるはずです。
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