【5S 整頓事例】段ボールを作業台下の専用スペースに収納|評価Bランク(工場)

この事例は、作業エリアから離れた場所に置かれていた段ボールを、作業台の下の専用スペースに収納した整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。取りに行くムダが減った。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 梱包資材(段ボール)
専門家評価 Bランク(46点。Bは46〜65点)
効果 段ボールを探す・取りに行くムダが、1日平均で3秒短縮(改善報告の記載)
目次

改善前の状態(Before)

段ボールは、作業エリアから離れた場所に、無秩序に置かれていました。梱包のたびに段ボールを探し、取りに行く必要があり、そのぶん作業が中断していました。

5S 整頓 段ボール 作業エリアから離れた場所に無秩序 改善前 工場
【改善前】段ボールが作業エリアから離れた場所に置かれていた

改善内容(After)

作業台の下に、段ボール専用の収納スペースを新たに設けました。段ボールを整理して配置したことで、作業台のそばで取り出せるようになり、探す・取りに行くムダが1日平均で3秒短縮しました。

5S 整頓 段ボール 作業台下の専用収納スペース 改善後 工場
【改善後】作業台の下に段ボールの専用収納スペースを設けた

専門家コメント

ダンボールが作業エリアから離れた場所に無秩序に置かれていましたが、新たに作業台の下に専用の収納スペースを設け、ダンボールを整理して配置した改善ですね。

この改善により、ダンボールの取り出しが容易になり、作業効率が向上しました。また、作業エリアも整理され、安全で快適な作業環境が整いました。問題に気づき、迅速に改善してくれたことに感謝します。

この改善は5Sの「整頓」に該当します。必要なモノを使いやすく配置し、不必要なムダを排除することを目的としています。

次に考えていただきたいのは、他の作業エリアや収納スペースでも同様の整理整頓ができるかどうかです。特に、使用頻度の高いアイテムについて、さらに使いやすい配置を検討し、効率の良い作業環境を維持するためのルールを設定することが重要です。

次なる改善報告を楽しみにしています。引き続き素晴らしい取り組みを期待しています。

5S改善評価:合計46点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ C 9点
(2)改善の独自性 C 9点
(3)改善の難易度 B 10点
(4)清潔レベル B 12点
(5)習慣(しつけ)レベル C 6点
合計 B 46点

(1)成果の大きさ:C(9点)

理由:改善報告の効果は、探す・取りに行くムダが1日平均で3秒短縮。数字としては小さめです。一方で、作業エリアが整理され、安全で快適な作業環境が整った点も専門家が挙げています。これを加味して「成果がややもの足りない改善」と評価する。

(2)改善の独自性:C(9点)

理由:使う場所の近く、作業台の下の空間を収納に使う発想は、整頓でよく見られる手法です。ただし、使っていなかった作業台の下を、段ボール専用の置き場として生かした点には工夫があります。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。

(3)改善の難易度:B(10点)

理由:作業台の下に専用の収納スペースを新たに設け、段ボールを整理して配置しています。ただ置き場を変えるだけでなく、収納スペースを作る手間がかかっています。所要時間や材料の記載がないため、帯の下側で「標準的な時間でできた改善」と評価する。

(4)清潔レベル:B(12点)

理由:段ボールの「専用」の収納スペースを決めたことで、置き場がはっきりし、同じ状況なら無秩序に置かれる状態に戻りにくくなっています。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。表示や量の決まりが加われば、さらに上を狙えます。

(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)

理由:改善報告には、置き方のルールや点検、他のエリアへの展開の記述がありません。専門家も、作業環境を維持するためのルールを設定することが重要だと述べています。ルールが未整備の段階として、帯の下側で評価する。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

合計46点のこの事例は、Bランクの入り口にいます。それでも、整頓の基本をしっかり押さえた改善です。特に次の点を評価したいと思います。

  • 「使う場所の近くに置く」を実行した。作業エリアから離れていた段ボールを、作業台の下へ移しました。整頓の第一歩である「使う場所の近くに置き場を決める」を、そのまま形にしています
  • 置き場を「専用」にした。空いている所に置くのではなく、段ボールのための収納スペースを新たに設けました。置き場が決まると、探すムダも、置き場が乱れることも減ります
  • 効果を数字で示した。1日平均3秒という小さな数字でも、測って報告したことに価値があります。小さな短縮も、毎日の作業では積み重なります
  • 安全と快適さにもつながった。作業エリアが整理され、安全で快適な作業環境が整いました

あと20点でAランク。習慣・清潔・成果を段階的に上げる

合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1つの項目だけでは届かないため、習慣(しつけ)、清潔、成果の3つを順に上げていく道筋が考えられます(点数は目安です)。

上げ方 上がる項目 合計 ランク
現在 - 46点 B
置き方のルールを決め、周知・点検まで行う 習慣 C(6点)→A(16点) 56点 B
乱れや欠品が起きない仕組みを入れる 清潔 B(12点)→S(18点) 62点 B
他の作業エリアや資材にも展開する 成果 C(9点)→B(13点) 66点 A

まずは習慣(しつけ)です。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。今回の「作業台の下に専用スペース」という良いやり方を、置き方・量・補充のルールとして決め、みんなで守れる形にすれば、点数は大きく伸びます。専門家が挙げた「他の作業エリアや収納スペースでも同様にできるか」の検討は、成果を広げる一歩になります。

「段ボールが乱れる・切れる」を、起きる前に防ぐ

置き場を決めた今は、次に、乱れそのものが起きない仕組みへ進むタイミングです。乱れてから片づけ直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、整頓の3定(定位・定品・定量)を形にして、自然に元の状態に戻るようにします。次のような仕組みが考えられます(例)。

起こりうる不具合 未然防止の仕組み(例)
収納スペースに別のモノが置かれる 「段ボール専用」と表示し、置くモノを決める(定位・定品)
段ボールを入れすぎて、はみ出す・取り出しにくい 収納の上限を表示する(定量)
段ボールが切れてから、離れた場所へ取りに行く 補充の目安となる下限を決め、下限で補充するルールにする
作業台の下の段ボールが足元や通路にはみ出す はみ出さない収納の範囲を決めて、表示する

足元や通路の安全に関わる変更は、安全の担当者と確認しながら進めてください。小さな改善を仕組みにまで育てることで、清潔・習慣レベルが上がり、Aランクが見えてきます。

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この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。16年間で900社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例338件を評価(2026年9月27日時点)。

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