【5S 整頓事例】制御スイッチの配置を整理し操作を1日120秒短縮|評価Bランク(工場)

この事例は、工場の制御スイッチを操作しやすい配置に整えた整頓事例で、専門家評価はBランク(49点)。迷わず操作できるようになり、1日平均120秒の短縮につながった。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 制御スイッチ(制御部品)
専門家評価 Bランク(49点。Bは46〜65点)
効果 操作の時間を1日平均120秒短縮×月10日発生。1カ月あたり1,200秒(1,200円)の削減(改善報告の試算)。誤って別のスイッチを押すリスクも減った
目次

改善前の状態(Before)

改善報告には、改善前の状態を説明した文章がありません。専門家コメントによると、改善後は「スイッチの位置が明確になり、迷わず操作できるようになった」「誤って別のスイッチを押してしまうリスクが減少した」とあります。改善前は、どのスイッチかを確かめながら操作する必要があり、押し間違いのおそれもある状態だったと読み取れます。

5S 整頓 制御スイッチ 改善前 工場
【改善前】制御スイッチの配置

改善内容(After)

制御スイッチを整理して、操作しやすいように配置し直しました。スイッチの位置が明確になったことで、操作のたびに迷う時間がなくなり、改善報告の試算では1日平均120秒、1カ月あたり1,200秒(1,200円)の短縮になっています。

5S 整頓 制御スイッチ 操作しやすく配置 改善後 工場
【改善後】整理して操作しやすいように配置した

専門家コメント

制御スイッチの配置を工夫し、操作性を向上させたことで、生産性が向上した事例ですね。

スイッチの位置が明確になり、迷わず操作できるようになったことで、作業時間が短縮され、効率性がアップし、さらに、スイッチの配置が整理されたことで、誤って別のスイッチを押してしまうリスクが減少し、作業ミスの防止につながる素晴らしい改善だと感じました。ありがとうございます。

次に今後の展望ですが、この制御スイッチは、どのような場面でどのように使用するのか、その手順までここに明示してみてはどうでしょうか。その際、スイッチの表示を大きくしたり、色を塗ったり、番号を特別に付与することで、より分かりやすくすることができます。

ぜひ、制御の見える化を実現させてみてくださいね。では、次回報告も期待しています。引き続き、素晴らしい改善をがんばってください。

5S改善評価:合計49点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 14点
(2)改善の独自性 B 11点
(3)改善の難易度 C 7点
(4)清潔レベル B 11点
(5)習慣(しつけ)レベル C 6点
合計 B 49点

(1)成果の大きさ:A(14点)

理由:1日平均120秒、1カ月あたり1,200秒(1,200円)の短縮という時間の効果に加え、誤って別のスイッチを押すリスクを減らし、作業ミスの防止にもつながっている。時間と品質の両方に効いているため、「やや大きい成果」と評価する。ただし、ミス防止の効果は数値で示されていないため、帯の下側とした。

(2)改善の独自性:B(11点)

理由:スイッチを使いやすい位置に並べ直すという考え方は、整頓の基本に沿ったもの。操作の迷いと押し間違いの両方に目を向けた点は評価できる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:C(7点)

理由:改善報告には、配置を変えるのにかかった時間や作業の内容(配線の変更の有無など)の記載がない。根拠が少ないため帯の下側に置き、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。

(4)清潔レベル:B(11点)

理由:スイッチの位置そのものを整えたため、物を置き直すような乱れは起きにくく、同じ状況なら迷いや押し間違いが再発しにくい。一方で、表示の大きさ・色・番号といった「間違えようがない」工夫はまだこれから。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)

理由:改善報告には、スイッチの使い方の手順やルールを決めた記述がない。専門家も、使う場面と手順の明示を次の課題として挙げている。標準化はこれからのため、帯の下側の「ルール未整備」と評価する。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

合計49点のこの事例は、Bランクの入り口にいますが、整頓の大事な考え方がしっかり入った改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。

  • 「探す・迷う」時間に目を付けた。スイッチの操作は毎日くり返す動作です。1回ごとの迷いは小さくても、積み重ねると1カ月1,200秒になることを、改善報告で数字にして示しています
  • 効果が時間短縮だけにとどまらなかった。配置を整えたことで、誤って別のスイッチを押すリスクまで減らし、作業ミスの防止につなげています
  • 人の注意ではなく、配置で解決した。「よく見て押す」と気をつけるのではなく、スイッチの位置そのものを変えて、迷わない状態を作っています

あと17点でAランク。習慣と清潔を段階的に上げる

合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。1項目だけでは届かないため、専門家の今後の展望に沿って、2つの項目を順に上げていきます。

まず、スイッチを使う場面と手順をその場に明示し、職場のルールとして周知・点検まで進めれば、習慣(しつけ)レベルはC(6点)からA(16点)に上がり、+10点で合計59点です。さらに、表示を大きくする・色を塗る・番号を付けるといった工夫で、押し間違いが起きようのない状態にできれば、清潔レベルはB(11点)からS(18点)に上がり、+7点で合計66点。Aランクに届きます。

上げ方 習慣 清潔 合計 ランク
現在 C(6点) B(11点) 49点 B
使う場面と手順を明示し、周知・点検まで進める A(16点) B(11点) 59点 B
さらに表示・色・番号で押し間違いを防ぐ A(16点) S(18点) 66点 A

「押し間違い」を、起きる前に防ぐ

配置を整えた今は、次に、押し間違いそのものが起きない仕組みへ進むタイミングです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。押し間違いが起きてから「次は気をつけよう」と注意し合うのは、後追いの対応です。未然防止は、だれが操作しても間違えようがない形を、表示と手順で先に作っておくことです。

起こりうる不具合 未然防止の仕組み
似たスイッチを押し間違える スイッチの表示を大きくし、色を塗り、番号を付けて区別する(専門家の提案)
どの場面で使うスイッチか分からない 使う場面と操作の手順を、スイッチのそばに明示する(専門家の提案)
操作の順番を取り違える (例)番号を操作の順に振り、手順書の番号とそろえる
触れてはいけないスイッチに手が当たる (例)普段使わないスイッチにカバーを付ける

(例)とした案は改善報告にはない参考の案です。制御スイッチは設備の安全に直結するため、カバーの取り付けや表示の変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。専門家の言う「制御の見える化」が実現すれば、この配置の良さが、だれにとっても当たり前の状態として続いていきます。

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この記事を書いた専門家

昭和61年静岡大学工学部卒業後、大手装置メーカーに入社する。 入社後、生産ライン構築業務に携わり、品質改善・コスト削減に取り組む。 その後、ソフトウエア商品開発業務に携わり、プロジェクトリーダーとして新商品の開発から上市、販売まで手掛ける。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例271件を評価(2026年9月27日時点)。

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