この事例は、金型本体に明示をして、作業者が金型を探すムダを減らした整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。次の一歩は、置き場所の明示です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(金型) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 金型を探す時間を、1日平均10秒短縮×月3日発生。1カ月あたり30秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
これまでは、金型に明示がありませんでした。そのため、作業者は必要な金型を探すために、時間を費やしていました。どの金型が何なのかを、見ただけでは判断しにくい状態だったということです。

改善内容(After)
金型本体に明示をしました。これにより、金型を探す手間を省けるようにしています。改善報告では、金型を探すムダが1日平均10秒短縮され、発生日数は月3日で、1カ月あたり30秒の削減と試算しています。

専門家コメント
これまでは金型に明示がなく、作業者が金型を探すために時間を費やしていたが、金型本体に明示をすることで、金型を探す手間を省くようにした改善ですね。
この改善によって、金型を探す手間が削減され、作業効率が大幅に向上することが期待されますね! すばらしい改善をありがとうございました。
今後についての提案ですが、写真を見る限りで恐縮ですが、金型本体に明示はありますが、置き場所には明示がないように見えます。折角本体に明示したのであれば、置き場所にも明示を施してみてください。
置き場所を明示することで、探す手間のさらなる短縮と、返却するときに置き場所を探す手間も短縮できるようになります。さらに、もっと多くの金型と金型置き場の明示も検討したいところですね。
では、次なる改善を楽しみにしております。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 10点 |
| (2)改善の独自性 | B | 10点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | C | 9点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(10点)
理由:金型を探すムダを、1日平均10秒、1カ月あたり30秒削減(改善報告の試算)。数字としては小さいものの、専門家は「作業効率が大幅に向上することが期待される」と評価している。探す時間は、金型を使うたびに発生するムダであり、そこに手を打った点を認めて、「満足のいく成果」の下側と評価する。
(2)改善の独自性:B(10点)
理由:物そのものに表示をして、何であるかを一目で分かるようにするのは、整頓の基本に沿った考え方。置き場の棚ではなく、金型本体に直接明示した点は、金型を取り出したあとでも識別できる工夫といえる。「標準的に発想ができる改善」の下側と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:改善報告には、明示の方法や所要時間の記載がない。金型本体への明示は、大がかりな加工を伴う改善ではないと考えられるため、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(9点)
理由:本体に明示したことで、金型を見間違える状態は起きにくくなった。一方で、専門家が指摘するとおり置き場所には明示がなく、返却先が決まっていないため、何かのきっかけで置き場が乱れ、再び探すムダが出る余地が残る。「何かのきっかけで再発する」の上側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:明示のルール(何を、どこに、どう書くか)や、他の金型への展開については、改善報告に記載がない。「徹底すべきルールの設定はこれから」の段階であり、「ルール未整備」のC評価とする。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
金型を探す時間は、毎日の段取りの中で、気づかないうちに積み重なるムダです。その「探す」に目を向けて、実際に手を動かした点をしっかり評価したいと思います。
- 「探すムダ」に正面から取り組んだ。作業者が金型を探して時間を費やしていた状態を、明示という形で解決しようとしています
- 物そのものに明示した。本体に表示があれば、棚から出したあとでも、作業台の上でも、どの金型か分かります。整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「この金型は何か」を示す定品の土台ができています
- 効果を数字で示した。1日平均10秒、月3日の発生で1カ月30秒と、改善報告の試算で効果を見える形にしています。数字にすることで、次の改善との比較ができます
あと20点でAランク。清潔・習慣・成果を段階的に上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1項目だけでは届かないため、専門家の提案に沿って、3つの項目を順に上げていくのが近道です。下の表は、その目安です。
| 上げ方 | 上がる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 46点 | B |
| 置き場所にも明示する(定位) | 清潔 C(9点)→A(16点) | 53点 | B |
| 明示のルールを決め、点検する | 習慣 C(8点)→A(16点) | 61点 | B |
| もっと多くの金型と置き場へ展開する | 成果 B(10点)→A(15点) | 66点 | A |
本体の明示が「定品」なら、置き場所の明示は「定位」です。両方がそろうと、取り出すときも、返却するときも、探す必要がなくなります。
「置き場が乱れて、また探す」を、起きる前に防ぐ
金型が見つからなくなってから探す、置き場が乱れてから片付ける。これは起きてから直す「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、置き場の配置と表示で、乱れが起きない形にします。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 返却するときに置き場所が分からない | 置き場所にも、本体と同じ表示を付ける(専門家の提案) |
| 違う場所に戻してしまう | 本体と置き場の表示を、同じ色・同じ番号でそろえ、合っていないとすぐ分かるようにする(例) |
| 使用中か、置き忘れかが分からない | 置き場に、持ち出し中であることを示す札の置き場を設ける(例) |
| 新しい金型に明示が付かない | 金型を受け入れるときに、明示を付ける手順を決めておく(例) |
金型は重量のある物も多いため、置き場の配置や棚の変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。今回の明示を出発点に、金型置き場全体へ広げていけば、Aランクも十分に射程内です。
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