【5S 整頓事例】サンダーを使う場所に置き、毎朝の歩くムダを削減|評価Bランク(工場)

この事例は、毎朝ロッカーへ取りに行っていたサンダーを、使う場所に置いた整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。歩くムダを1日平均30秒減らした。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 工具/備品(サンダー)
専門家評価 Bランク(46点。Bは46〜65点)
効果 歩くムダを1日平均30秒短縮×月20日稼働。1カ月あたり600秒(600円)の削減(改善報告の試算)
目次

改善前の状態(Before)

サンダーは、毎朝ロッカーまで取りに行っていました。毎日のことなので「当たり前」になり、歩くムダに気づきにくい状態でした。

5S 整頓 サンダー ロッカーへ取りに行く 改善前 工場
【改善前】サンダーは、毎朝ロッカーまで取りに行っていた

改善内容(After)

サンダーを、使用する場所に置くようにしました。ロッカーまで取りに行く必要がなくなり、歩くムダが1日平均で30秒短縮されました。

5S 整頓 サンダー 使用する場所に配置 改善後 工場
【改善後】サンダーを、使用する場所に置いた

専門家コメント

サンダーを取るために、毎朝ロッカーまで取りに行っていたムダを、サンダーを使用する場所に置くことで効率化した改善ですね。

使用する頻度の高いものは手元に置いておくという、5Sの進化系を見せていただき、ありがとうございました。

サンダーを取りに行くことが当たり前になっていると、なかなかこの歩行のムダに気づかないのですが、そこに気づかれたのはとても素晴らしいと感じました。改善活動ご苦労さまでした。

今後についての提案ですが、このサンダーについて、さらにランクアップさせる改善をお願いできればと思います。写真を見る限りで恐縮ですが、サンダーの置き場所は明確になっていそうですが、明示が無いようです。ここは3定の原則で、定位・定品・定量を心がけてみてください。

具体的には、

  • 定位として、置き場所の明示
  • 定品として、サンダーの個別識別表示
  • 定量として、ここに置くのは決められたサンダーのみの明示(定位と定品で実現)

を実施してみてくださいね。その後は、ぜひ横展開してみてくださいね。では、次なる改善を楽しみにしております。

5S改善評価:合計46点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ B 10点
(2)改善の独自性 B 11点
(3)改善の難易度 C 9点
(4)清潔レベル C 9点
(5)習慣(しつけ)レベル C 7点
合計 B 46点

(1)成果の大きさ:B(10点)

理由:1カ月あたり600秒(600円)の削減(改善報告の試算)。時間は大きくありませんが、毎朝必ず発生していた歩行のムダをなくした点で、「満足のいく成果」の下側と評価する。

(2)改善の独自性:B(11点)

理由:「使う頻度の高いものを手元に置く」は5Sの基本です。ただ、当たり前になっていた歩行のムダに気づいた点を、専門家は「とても素晴らしい」と評価しています。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:C(9点)

理由:改善報告から読み取れるのは、サンダーの置き場所を使用場所へ移したことです。置き場の作り方や工数の記載はなく、大がかりな作業ではないと判断します。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。

(4)清潔レベル:C(9点)

理由:取りに行くムダは起きにくくなりましたが、専門家の指摘のとおり、置き場所の明示がないようです。誰かが別の場所に置けば、元に戻ってしまいます。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)

理由:置き場所のルール、戻す決まり、点検のしかたは、改善報告に記載がありません。標準化はこれからです。「ルール未整備」の段階と評価する。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

合計46点はBランクの入り口ですが、この改善には5S活動で大切な「気づく力」が表れています。特に次の3点を評価したいと思います。

  • 「当たり前」になっていたムダに気づいた。毎朝取りに行くことは、続けるうちに作業の一部になります。そこを見直せたことが、この改善の出発点です
  • 置き場所そのものを変えて直した。「早く歩く」ではなく、歩く必要をなくしています。専門家が「5Sの進化系」と呼んだのは、この点です
  • 効果を数字で示した。月600秒という試算があることで、小さな改善の積み重ねが周りに伝わります

あと20点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げ、横展開する

Aランク(66点以上)まであと20点です。1項目だけでは届かないので、専門家の提案にそって段階的に進めます。

  • 3定(定位・定品・定量)を明示する。置き場所の表示、サンダーの個別識別表示、決められたサンダーだけを置くことの明示で、元に戻らない状態に近づけます(清潔)
  • 戻すルールを決めて周知し、点検する。使ったら表示の場所に戻す、を標準にします(習慣)
  • 横展開する。ほかの工具にも広げれば、削減できるムダが増えます(成果)
上げ方(目安) 成果 清潔 習慣 合計 ランク
現在 B(10点) C(9点) C(7点) 46点 B
3定の明示で清潔をAに B(10点) A(16点) C(7点) 53点 B
+ルール化で習慣をAに B(10点) A(16点) A(16点) 62点 B
+横展開で成果をAに A(14点) A(16点) A(16点) 66点 A

点数は目安です。3つを順に積み上げることで、Aランクに届きます。

「サンダーがない・元に戻る」を、起きる前に防ぐ

置き場所の表示がないと、誰かがロッカーに戻したり、別の場所へ持って行ったりしたときに、また取りに行くムダが生まれます。起きてから探して直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、表示と配置で、乱れが起きない形にします。

起こりうる不具合 未然防止の仕組み(例)
置き場所が分からず、別の場所に置かれる 置き場所に名称を表示する(定位)。専門家の提案
別のサンダーが置かれ、どれがここの物か分からない サンダーに個別の識別表示を付け、置き場の表示と対応させる(定品・定量)。専門家の提案
サンダーがなくなっても気づかない (例)置き場に形や枠を示し、ない状態がひと目で分かるようにする
使用場所に置くことで、通路や作業の妨げになる (例)置く高さや向きを決め、つまずきや接触が起きない位置にする。安全に関わるため、設備・安全の担当者と確認する

「(例)」は改善報告にはない、考え方の参考です。安全に関わる部分は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。まずは3定の明示から始め、その後、ぜひ横展開してみてください。

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この記事を書いた専門家

昭和61年静岡大学工学部卒業後、大手装置メーカーに入社する。 入社後、生産ライン構築業務に携わり、品質改善・コスト削減に取り組む。 その後、ソフトウエア商品開発業務に携わり、プロジェクトリーダーとして新商品の開発から上市、販売まで手掛ける。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例271件を評価(2026年9月27日時点)。

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