この事例は、棚に収納していたサンダーを、作業台の専用の設置場所に置いた整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。出し入れのムダがなくなり、作業が止まらなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(サンダー) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 作業台にサンダーをセットしたので、しまい直さなくてもよくなった。1日平均40秒短縮×月20日で、1カ月あたり800秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
サンダーは棚に収納されていました。使うたびに棚から出し、使い終わったら棚へしまう、という出し入れの手間が毎回発生していました。
出し入れのたびに作業の手が止まるため、作業の流れも中断されていました。

改善内容(After)
作業台に、サンダー専用の設置場所を設けました。作業中でもすぐに手に取れて、使用後もそのまま戻せるようになりました。
改善報告の試算では、しまい直す時間が1日平均40秒短縮され、月20日で1カ月あたり800秒の削減です。

専門家コメント
サンダーが棚に収納されていて、使用のたびに出し入れの手間が発生していた非効率な状態を、作業台に専用の設置場所を設けることで、作業中でもすぐに手に取れて、使用後もそのまま戻せるようにした改善ですね。
この改善によって、「収納・取り出す」というムダな動作がなくなり、作業の流れが中断されることなく効率的に進められるようになります。また、サンダーの定位置化によって整頓レベルも向上しており、非常に実用性の高い改善です。まずはこの問題に気づき、行動してくれたことに感謝します。
こうした改善が積み重なることで、現場の効率と精度は確実に向上します。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:サンダーを使用するたびに発生していた「出し入れ」の動作を削減し、作業の流れを止めずに使用・片付けができるようになったことで、作業効率の向上に確実に貢献している。ただし、対象が1工具に限られており、生産性や安全面への影響は限定的と判断されるため、「満足のいく成果である改善」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:作業台に専用の置き場所を設けるという発想は、整頓の基本的な考え方に基づいたものであり、類似の改善は多く見られる。特別な工夫や発想の困難さは少ないため、「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:設置場所の確保や固定用具の準備など、一定の作業は必要であったと考えられるが、大がかりな加工や複雑な設置は不要であったと想定される。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:サンダーの定位置が明確になったことで、乱れにくい整頓状態が維持されやすくなっている。ただし、設置場所に明示がない場合、他の物が置かれるなどの再発の可能性があるため、「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:置き場所が明確になっていることで、使用後に戻す動作が習慣化しやすくなっているが、専用表示やルールが未整備であれば徹底が難しくなるため、「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、次の点をしっかり評価したいところです。
- 「しまう・出す」という動作そのものをなくした。置き場を使う場所に移したことで、出し入れの手間が毎回の作業から消えました
- 作業の流れが止まらなくなった。すぐに手に取れて、そのまま戻せるため、作業が中断されずに進みます
- 定位置化で整頓のレベルも上がった。専門家も「非常に実用性の高い改善」と評価しています
- 清潔レベルがB(12点)。定位置が明確になり、乱れにくい状態を保ちやすくなっています
日常作業の中にある「探す・片付けるムダ」を見逃さなかった点が、この事例の一番の価値です。
あと14点でAランク。清潔をS、習慣をAに上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。成果・独自性・難易度は今のままで、清潔レベルをB(12点)からS(20点)に、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔をS、習慣をAに上げる | S(20点) | A(16点) | 68点 | A |
「設置場所に別の物が置かれる」を、起きる前に防ぐ
専門家が次に考えてほしいとしているのは、その設置場所が「誰が見ても専用とわかるかどうか?」という点です。明示がないと、空いたすき間に他の物が置かれ、サンダーを戻せなくなるといった乱れが再び起きます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「空けておくよう気をつける」に頼らず、専用であることが一目で分かる形にしておきます。
専門家が挙げた「今後の改善ポイント」は、次の3つです。
- サンダー設置箇所に「専用表示」や輪郭線を追加する
- 他のよく使う工具にも同様の整頓を展開する
- 定位置の維持点検を日常作業に組み込む
専門家は、定位置に色枠やシルエットを施すことで、「誰でも戻せる」「乱れない」環境を実現できるとしています。5Sでは、整頓のあとは清潔と習慣(しつけ)によって維持される仕組みが重要です。表示を付け、維持点検を日常作業に組み込めば、誰がやっても同じ状態を保てるようになります。次の改善報告では、この「誰でも守れる仕組み化」まで進めた内容を、ぜひ聞かせてください。
関連する5S活動の事例
同じ工場の工具・備品の置き場に関する、上位ランクの事例です。



