【5S 整頓事例】マクラの高さ表示を両端に赤く明示、回転のムダを削減|評価Aランク(工場)

この事例は、プレス用マクラの高さ表示を両端に赤く書き直した整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、棚の置き場の明示。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 工具/備品(プレスで使うマクラ)
専門家評価 Aランク(68点。Aは66〜80点)
効果 回転させるムダの削減。1日平均4秒短縮×月間の発生日数20日で、1カ月あたり80秒の削減(改善報告の試算)
目次

改善前の状態(Before)

プレスで使うマクラの高さの表示は、薄くなっていたり、片側にしか書かれていなかったりするものがありました。表示が見えにくいと、マクラを回して表示を探すことになり、そこにムダが生まれます。

5S 整頓 マクラ 高さ表示 薄い 片側のみ 改善前 工場
【改善前】薄くなったり、片側にのみ書いてあるものがあった

改善内容(After)

落ちにくいインキを使い、マクラの両側に高さを表示しました。専門家のコメントでは、両端に赤色の落ちにくいペンキで明示したとあります。数字を書くだけでなく、目立つ赤い色にして、文字も大きくしています。さらに、サイズごとの本数を、別に一覧で明示しています。改善報告の試算では、1日平均4秒の短縮に、月間の発生日数20日を掛けて、1カ月あたり80秒の削減です。

5S 整頓 マクラ 高さ表示 両側 落ちにくいインキ 改善後 工場
【改善後】落ちにくいインキを使い、両側に表示をした

専門家コメント

プレスで使用するマクラの高さの表示が、薄くなっていたり片側にしかなかったりした状態から、両端に赤色の落ちにくいペンキで明示した事例ですね。

単に両端に数字を記入するのではなく、目立つ赤い色で、さらに見やすいように文字の大きさも大きくした、素晴らしい改善事例です。しかも、サイズごとの本数も別途一覧で明示されており、感動しました。

探すムダと、なくすムダ、返すムダをなくした、素晴らしい改善活動をありがとうございました。

5S改善評価:合計68点(Aランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 16点
(2)改善の独自性 B 12点
(3)改善の難易度 B 12点
(4)清潔レベル A 16点
(5)習慣(しつけ)レベル B 12点
合計 A 68点

16+12+12+16+12=68点で、Aランク(66〜80点)です。

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:時間の削減は1カ月あたり80秒と小さいが、探すムダ、なくすムダ、返すムダの3つを減らした。専門家も高く評価している。「やや大きい成果」と評価する。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:表示を書き直して見やすくする方法は、多くの現場で使われている。ただし、色、大きさ、落ちにくさ、サイズごとの本数の一覧まで、細かく手を入れている。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:B(12点)

理由:マクラの両端に、インキで表示を書き直す作業と、サイズごとの本数の確認が必要。大がかりな工事ではない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。

(4)清潔レベル:A(16点)

理由:落ちにくいインキを使い、表示が薄くなる問題そのものを起きにくくした。両側に表示があるので、どちら向きでも読める。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)

理由:サイズごとの本数を一覧で明示し、皆が同じ基準で探して戻せる。ただし、棚の置き場の明示、責任者、見回りの決まりは、まだ改善報告にない。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。

この事例を自社で真似する手順

以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。

  1. 高さや大きさの表示が、薄くなっていたり、片側にしかなかったりする物がないか確認する
  2. 落ちにくいインキやペンキを選び、見やすい色と大きさで、両端に表示を書き直す
  3. サイズごとの本数を数えて、一覧にする
  4. 探したり、回して確かめたりする動作が、どのくらい減ったかを測る
  5. 棚に置き場所を明示する(次の一歩へ)

Sランクに近づくための次の一歩

専門家は、今は左から大きさ順に並んでいるが、頻繁に使い始めると、置き方が乱雑になる可能性があると見ています。そこで、一覧表とは別に、棚にも置き場所を明示することを勧めています。さらに、ここの責任者も決めて明示し、定期的に見回りするよう提案しています。

Sランクに近づくには、乱れてから並べ直す「後追い」ではなく、乱れない仕組みを先に作る「未然防止」の視点が要ります。専門家の言う「どこに置くか、だれが責任者か、いつ見回りするのか」を、明示することが、乱れない仕組みの土台になります。

  • どこに置くか:棚の各位置に、マクラの高さ表示と同じ色や数字で置き場を示す
  • だれが責任者か:担当者の名前を、棚の見える所に明示する
  • いつ見回りするか:見回りの頻度を決め、点検表に記録する

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この記事を書いた専門家

昭和61年静岡大学工学部卒業後、大手装置メーカーに入社する。 入社後、生産ライン構築業務に携わり、品質改善・コスト削減に取り組む。 その後、ソフトウエア商品開発業務に携わり、プロジェクトリーダーとして新商品の開発から上市、販売まで手掛ける。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例271件を評価(2026年9月27日時点)。

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