この事例は、棚の不要品を捨て、部品の小箱の種類を明示した整理・整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。パンチを探す時間が1日平均10秒短くなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(棚の部品入れ) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | パンチを探すムダが、1日平均で10秒短縮(改善報告による)。棚に空きスペースが生まれた |
改善前の状態(Before)
棚の中に、書類棚や部品入れが配置されていました。いろいろな物が同じ棚に入っていたため、特定の品目を見つけるのに時間がかかっていました。必要な部品が入っている箱も、中に何が入っているかが外からは分かりにくい状態でした。

改善内容(After)
まず、棚の中から不必要な物を捨てました。次に、必要な物が入っている箱は蓋を開けて、中の小箱の種類を明示しました。
この改善で、棚に空きスペースが生まれました。さらに、必要な部品をすぐに見つけられるようになり、パンチを探す時間は1日平均で10秒短くなりました。

専門家コメント
棚の中に書類棚や部品入れが配置されていて、特定の品目を見つけるのに時間がかかっていた状態を、まずは、不必要な物を捨てて、必要な物の入っている箱は蓋を開けて小箱の種類を明示した改善ですね。
この改善によって、棚に空きスペースが生まれ、さらに、必要な部品をすぐに見つけることができ、探す時間が大幅に短縮されました。
素晴らしい改善をありがとうございました。
次に考えていただきたいのは、この整然とした状態を維持し、さらに改善するための仕組みです。具体的には以下のような対策が考えられますので、検討してみてくださいね。
- 定期的な棚の点検と部品の小箱の置き方のルールを作成し、徹底する
- 新しい部品が追加された際の分類とラベリングの方法を標準化する
- 使用後の部品小箱を元の位置に戻すための、場所のルール化と周知と意識付け
これらの対策を実行することで、常に整理整頓された状態を保つことができるようになります。
あなたの次なる素晴らしい改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 11点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 10点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(11点)
理由:パンチを探すムダが1日平均で10秒短縮し、棚に空きスペースも生まれた。時間の数字は大きくないが、探す時間の短縮と空間の確保という2つの効果が出ている。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:不要品を捨て、箱の中身を表示する方法は、整理・整頓の基本としてよく行われる手法。ただし、箱の蓋を開けて小箱の種類が見えるようにした点には、取り出しやすさへの工夫がある。「よく似たタイプが多い改善」の中では上側と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:棚の中の物を仕分けて捨て、箱の蓋を開けて表示を付ける作業。特別な加工はなく、改善報告に所要時間の記載もない。棚全体の仕分けには一定の手間がかかるため、「そんなに時間をかけない改善」の上側と評価する。
(4)清潔レベル:B(10点)
理由:小箱の種類が明示されたことで、同じ状況なら「どこに何があるか分からない」状態には戻りにくい。一方で、新しい部品が増えたときの表示の付け方や、小箱を戻す場所のルールはまだない。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」の下側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:改善報告には、点検やルール作りの記述がない。専門家も、維持するための仕組み(点検・置き方のルール・ラベリングの標準化)を次の課題に挙げている。「ルール未整備」の段階と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例には、5Sの土台になる大切な動きが、きちんと入っています。特に次の3点をしっかり評価したいと思います。
- 「捨てる」から始めた。表示を付ける前に、不必要な物を捨てています。整理を飛ばして整頓だけ行うと、不要な物にまで表示や置き場ができてしまいます。順番を守ったことが、空きスペースという形で表れています
- 「開けなくても分かる」形にした。箱の蓋を開けて小箱の種類を明示したので、箱を一つずつ開けて探す手間がなくなりました。探す人の動きに合わせた工夫です
- 効果を数字で報告した。パンチを探す時間が1日平均10秒短くなった、と具体的に書かれています。小さな数字でも、測って報告する習慣は、次の改善を考えるときの大きな手がかりになります
あと20点でAランク。習慣を中心に、清潔と成果も伸ばす
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1つの項目を上げるだけでは届きませんが、専門家が挙げた3つの対策は、そのまま点数を上げる道筋になっています。
| 上げ方 | 上げる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 46点 | B |
| 点検・置き方・戻し方のルールを決め、周知と点検まで行う | 習慣 C(7点)→A(16点) | 55点 | B |
| 新しい部品の分類とラベリングを標準化し、乱れの発生源を抑える | 清潔 B(10点)→A(16点) | 61点 | B |
| 同じやり方を他の棚にも広げ、効果を大きくする | 成果 B(11点)→A(16点) | 66点 | A |
中でも一番伸びしろが大きいのは習慣(しつけ)レベルです。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。今回の「捨ててから表示する」やり方を、棚の点検日やルールとして残すことから始めてください。
「小箱が戻らない」「表示が追いつかない」を、起きる前に防ぐ
今の状態は、乱れたら片付け直す「後追い」になりやすい段階です。小箱が別の場所に置かれたり、新しい部品に表示がないまま入れられたりすると、また探す時間が戻ってきます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、戻す場所と表示の付け方を、仕組みとして決めておきます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 使った小箱が元の位置に戻らない | (例)棚の側にも小箱の種類を表示し、箱と棚の表示を合わせて、戻す場所が一目で分かるようにする |
| 新しい部品が表示なしで入る | (例)新しい部品を入れるときの分類と、ラベルの書き方を1枚の標準書にまとめる |
| 不要品がまた少しずつたまる | (例)月1回など棚の点検日を決め、不要品がないかを確認する |
表の内容は、専門家の提案をもとにした例です。棚の固定や配置の変更など、設備・安全に関わる場合は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。今回の改善で作った「探さなくてよい棚」を、仕組みで守ることが、Aランクへの近道です。
関連する5S活動の事例
同じ工場の整頓・見える化に関する、Aランクの事例です。



