この事例は、金型で使うボルトや工具に専用の置き場所を設けた整理・整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。探すムダが無くなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(金型で使うボルト・工具) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 探すムダが無くなった。改善報告の表記では「12秒が5秒短縮」 |
改善前の状態(Before)
金型で使うボルトや工具が、乱雑に置かれている状態でした。必要なボルトや工具を使おうとするたびに、どこにあるのかを探す時間がかかっていました。

改善内容(After)
不要なモノを取り除いたうえで、部品や工具のそれぞれに専用の置き場所を設けました。必要な工具や部品を、すぐに取り出せるようになり、探すムダが無くなりました。

専門家コメント
以前は工具やボルトが乱雑に置かれていた状態だったのを、整理整頓を行ってそれぞれの部品や工具に専用の置き場所を設けることで、作業効率を高めるための整理整頓と配置の最適化を行った改善ですね。
この改善により、必要な工具や部品をすぐに取り出せるようになり、作業効率が大幅に向上しました。また、作業エリアが整然とし、安全で快適な作業環境が整いました。問題に気づき、迅速に対応してくれたことに感謝します。
この改善は5Sの「整理」と「整頓」に該当します。不要なモノを排除し、必要なモノを使いやすく配置することが目的です。
次なる改善報告を楽しみにしています。引き続き素晴らしい取り組みを期待しています。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | B | 11点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:工具やボルトを探すムダが無くなり、改善報告では「12秒が5秒短縮」と効果を数字で示しています。専門家も「作業効率が大幅に向上」「安全で快適な作業環境が整った」と評価しています。一方で、1日や1カ月にどれだけ発生するかの記載はなく、効果の総量は読み取れません。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:乱雑に置かれていたモノに、部品・工具ごとの専用の置き場所を設けるのは、5S活動の基本となる手法で、よく似た改善が多くあります。ただし、金型で使うボルトという、探す手間が生まれやすい対象に目を付けた点は、現場をよく見ている証拠です。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(11点)
理由:不要なモノを取り除き、それぞれの部品や工具に専用の置き場所を設けるには、何を残すかの判断と、置き場の割り振りの手間がかかります。ただし、作業時間や置き場の作り方は改善報告に記載がないため、帯の下側に置きました。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:専用の置き場所ができたことで、置き場所に迷うことは減りました。ただ、改善報告には、置き場の表示や、戻し忘れに気づける工夫の記述がありません。忙しいときに一時置きが増えると、元の乱雑な状態に戻るおそれがあります。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:置き場は作られましたが、使った後に戻すルールや、点検の決まりは、まだ設定されていません。専門家も、次の課題として「効率の良い作業環境を維持するためのルールを設定すること」を挙げています。「ルール未整備の改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、5Sの土台になる「整理」と「整頓」を、きちんと順番どおりに行った改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 問題に気づき、すぐに動いた。工具やボルトが乱雑に置かれている状態を、そのままにしませんでした。専門家も「迅速に対応してくれた」と感謝しています
- 整理してから整頓した。不要なモノを取り除き、残した部品や工具に専用の置き場所を設けています。この順番を守ったことが、すぐに取り出せる状態につながりました
- 効果を数字で残した。「12秒が5秒短縮」と、探す時間の変化を記録しています。数字があると、他の職場に展開するときの説得力が増します
改善の一つひとつは小さく見えても、こうした積み重ねが「当たり前を当たり前にできる」現場をつくります。
あと20点でAランク。習慣と清潔を2段階上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1項目だけでは届かないので、伸びしろの大きい習慣(しつけ)と清潔の2項目を、順に上げていくのが近道です。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(6点) | 46点 | B |
| 習慣をBに | C(8点) | B(12点) | 52点 | B |
| 清潔と習慣をBに | B(12点) | B(12点) | 56点 | B |
| 清潔と習慣をAに | A(17点) | A(17点) | 66点 | A |
まずは、戻し方のルールを決めて皆で守る(習慣をBに)ところから始めてください。そのうえで、置き場が乱れない仕組みを加え、標準化・周知・点検まで進めると、Aランクが見えてきます。
「置き場が元に戻る」を、起きる前に防ぐ
専用の置き場所を作った後に起きやすいのが、「戻し忘れ」や「一時置き」から、少しずつ元の乱雑な状態に戻ることです。乱れてから片付け直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、置き場の形や表示で、乱れが起きない状態をつくります。整頓の3定(定位・定品・定量)を、置き場に表示するのが出発点です。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 使ったボルトや工具が戻らない | 置き場ごとに品名を表示し、形に合わせた置き方にして、欠けているとすぐ分かるようにする(例) |
| 使わないモノが再び置かれる | 置き場に置いてよいモノと数(定品・定量)を表示し、それ以外は置かない決まりにする(例) |
| ボルトの在庫が足りなくなる | ボルトの最小数を決めて表示し、下回ったら補充する手順を決める(例) |
| 置き場の乱れに気づかない | 置き場の写真を標準として掲示し、点検日を決めて見比べる(例) |
金型や工具の置き方は、作業の安全にも関わります。置き場の位置や固定方法を変えるときは、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
専門家も、次に考えてほしいこととして、他の作業エリアや工具・部品でも同様の整理整頓ができるかどうか、特に使用頻度の高いアイテムをさらに使いやすく配置すること、そして効率の良い作業環境を維持するためのルールを設定することを挙げています。今回の改善を、ぜひ他のエリアにも広げてください。
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