この事例は、カシメ機を机の上から空中に吊り下げた整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。持ち上げる動作がなくなり1日約12秒短縮。次の課題は、他の作業場への横展開。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(カシメ機) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | カシメ機を持ち上げる動作がなくなり、1日約12秒の短縮 |
改善前の状態(Before)
毎日使うカシメ機を、机の上に置いていました。使うたびに机の上から持ち上げ、使い終わったら戻すことになります。専門家は、Beforeの写真に写る机の上が乱雑な様子も気にしています。

改善内容(After)
カシメ機をバランサーで吊り下げ、置き場を机の上から空中にしました。カシメ機を持ち上げる動作がなくなり、1日約12秒の短縮につながっています。

整頓の3定(定置・定品・定量)で見ると、置き場が空中の決まった位置になり、専門家が述べるとおり、だれでもすぐ見つけ、すぐ使い、すぐ定位置に戻せます。動作の短縮は小さくても、毎日繰り返す作業なので、積み重なる効果は無視できません。
専門家コメント
毎日使用するカシメ機の置き場を机の上から空中にすることで、カシメ機を持ち上げる動作を無くした改善ですね。
縦の空間を活用するアイデアも素晴らしいですし、誰でもすぐに見つけられ、誰でもすぐに使えて、誰でもすぐに定位置に戻すことができる、整頓活動のなかでもレベルの高い改善だと感心いたしました。
とても素敵な改善をありがとうございます。ご苦労さまでした。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 68点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:持ち上げる動作がなくなり、1日約12秒の短縮になった。時間の削減は小さいが、毎日使う道具の動作が減る点を含めて「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:机の上の置き場を空中に移し、縦の空間を活用する発想は、専門家も高く評価している。「やや発想が困難な改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:バランサーの選定と、吊り下げ位置の決定・取り付けが必要になる。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:持ち上げる動作そのものがなくなり、戻す動作も不要になった。誰でもすぐに見つけ、使い、定位置に戻せるため、乱れにくい。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:誰でも同じように使い、戻せる形にはなっている。ただし、他の作業場に広げるための標準化や、机の上の整理整頓のルールは、これからの課題。「皆が守るべき標準化まで進めた」水準として評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 毎日使う工具や機器のうち、持ち上げて、戻す動作が多いものを選ぶ
- 置き場を机の上から空中に移せないか、縦の空間を見直す
- バランサーなどで吊り下げる。取り付け位置や耐荷重は、設備・安全の担当者と確認して決める
- 誰が使っても、すぐ見つけ、すぐ使い、すぐ戻せるかを確かめる
- 空いた机の上を整理整頓し、物が戻ってこない状態にする
Sランクに近づくための次の一歩
専門家は、この取り組みを工場内で共有し、他の作業場でも同じような改善を進めてほしいと述べています。あわせて、Beforeの写真に写る机の上の乱雑さが気になるとして、カシメ機を上にあげたこの機会に、机の上の整理整頓も進めるよう促しています。
- 他の作業場で、毎日持ち上げている道具を探して、同じ形で吊り下げる(横展開)
- 机の上の物を「定置・定品・定量」の3定で見直し、乱雑になりにくい配置にする
置き場を変えるだけでなく、机の上に物が溜まらない仕組みまで整えると、起きてから片づける「後追い」がなくなり、未然防止に近づきます。たとえば、机の上に置いてよい物と置き場を決めて表示し、使い終わったら元の位置に戻すルールにしておけば、乱れが起きる前に防げます。
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