この事例は、乱雑だった書類と品番カードに使用中・使用後の置き場を作った整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。整頓の道具が乱れを生む状態に気づいた改善です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 書類・品番カード |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 書類や品番カードの、使用中・使用後の置き場ができた。間違い防止にもつながる |
改善前の状態(Before)
書類や品番カードが乱雑になっていました。品番カードは、品番をはっきり示すために作った製品カードです。ところが、そのカードが机の上に放置され、かえって乱れの原因になっていました。

改善内容(After)
品番カードに「使用中」と「使用後」の置き場を作りました。いま使っているカードと、使い終わったカードの置き場所が分かれたことで、カードが机の上に散らかることがなくなり、間違い防止にもつながります。

専門家コメント
せっかく品番の明示用に作成した製品カードが、机の上に放置されてしまっている残念な状態を改善した事例ですね。
改善活動ありがとうございます。
整頓のためのツールが乱れを生んでいるという皮肉な状態に気付いて対応されたのは、さすがだと感じました。
ただ、ここはもう一工夫してみましょう。いま、使用中と使用後という2つの箱があるのですが、この文言からすると「使用前」という状態もあるように思います。ぜひ、全ての状態がわかるような箱を用意いただければと思います。
また、カード入れにカードをしまってしまうと、記載している品番が見えなくなり、カードを探す手間が増えてしまいます。
そこで、書類をファイルして整理する時に使用するインデックスタグのようなものをつけて、カード入れの中から一目で品番カードを探しだせるような工夫もしていただければと思います。そうすれば、もっと使い勝手がよくなると思います。
次回報告時には、必要な品番カードを一目で探し当てることのできるアイデアを期待しています。引き続き、がんばってまいりましょう!!
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:書類や品番カードに置き場ができ、机の上に放置される状態がなくなった。間違い防止にもつながる。ただし、カード入れの中で品番が見えず、探す手間が残る。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:置き場を「使用中」「使用後」という使用状態で分けた点は、単に片付ける場所を作るより一歩進んでいる。整頓のためのツールが乱れを生んでいることに気づいた着眼も評価できる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:箱を用意して置き場を分ける改善で、大がかりな加工や工数を必要としない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:カードの戻し先が決まったことで、同じ状況なら机の上に放置される状態は起きにくい。一方で、「使用前」の置き場がなく、すべての状態が分かる形にはなっていない。カード入れの中で品番が見えない点も残っている。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:「使い終わったら使用後の箱へ」という、徹底すべきルールの形はできた。ただし、そのルールを標準として決め、皆に周知し、守られているか点検するところまでは、改善報告からは読み取れない。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例でいちばん評価したいのは、「整頓のための道具が、乱れの原因になっている」ことに気づいた点です。良かれと思って作った物が、新しい乱れを生む。現場ではよくあることですが、なかなか気づきにくいところです。特に、次の3点はしっかり評価したいところです。
- 道具そのものの置き場まで考えた。品番カードを作って終わりにせず、カードの戻し先まで決めています
- 置き場を「使用状態」で分けた。「使用中」と「使用後」を分けたことで、今どのカードが使われているかが分かりやすくなりました
- 間違い防止につなげた。使い終わったカードが紛れ込まないことで、品番の取り違えを防ぐ効果も期待できます
あと14点でAランク。成果・清潔・習慣を上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。1項目だけでは届かないため、専門家の提案に沿って3項目を上げることを考えます。
- 清潔:B→A(+4点)「使用前」の箱も用意し、すべての状態が分かるようにする
- 成果:B→A(+4点)インデックスタグのようなものを付けて、カード入れの中から一目で品番カードを探し出せるようにする
- 習慣:C→A(+8点)カードの置き方を標準として決め、周知し、点検するところまで進める
| 上げ方 | 成果 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | B(12点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔をAに | B(12点) | A(16点) | C(8点) | 56点 | B |
| さらに習慣をAに | B(12点) | A(16点) | A(16点) | 64点 | B |
| さらに成果をAに | A(16点) | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
「カードが散らかる・見つからない」を、起きる前に防ぐ
ここから先は、散らかってから直す「後追い」ではなく、そもそも散らからない・迷わない仕組みへ進むタイミングです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」「よく見て探す」に頼らず、箱の分け方や表示で、自然に正しい状態になる形を考えます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| まだ使っていないカードの行き場がなく、また机の上に出る | 「使用前」「使用中」「使用後」の3つの箱をそろえ、すべての状態に置き場を作る(専門家の提案) |
| カード入れの中で品番が見えず、探す手間が増える | インデックスタグのようなものを付け、品番が一目で分かるようにする(専門家の提案) |
| 使い終わったカードが、使用中の箱に戻ってしまう | (例)箱ごとに色を分け、カードの戻し先を表示する |
| 置き方のルールが人によって違う | (例)カードの置き方を1枚の掲示にまとめ、定期的に箱の中を点検する |
今回の気づきを、ぜひ次の一工夫につなげてください。
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