【5S 整頓事例】作業台下の空きスペースに棚を作り、置き場に活用|評価Bランク(工場)

この事例は、作業台下の使われていなかったスペースに棚を作り、物を置けるようにした整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。見落としがちな空間に目を向けた視点を評価したい。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 工具/備品
専門家評価 Bランク(48点。Bは46〜65点)
効果 無駄になっていた作業台下のスペースに、物を置けるようになった
目次

改善前の状態(Before)

作業台の下のスペースが、活用されず、無駄になっていました。毎日使う作業台のすぐ足元に、空間が眠っている状態でした。

5S 整頓 作業台下 スペースが無駄 改善前 工場
【改善前】作業台下のスペースが無駄になっていた

改善内容(After)

作業台の下に棚を作成し、物を置けるようにしました。床の面積を増やさずに、新しい置き場を一つ生み出した改善です。

5S 整頓 作業台下 棚を作成 改善後 工場
【改善後】作業台下に棚を作成し、物を置けるようにした

専門家コメント

作業台下に棚を製作して、スペースを有効活用する改善事例ですね。いままで活用できていなかったスペースに目を向けられたのは、とても素晴らしい感性の持ち主とお見受けしました。

せっかくスペースを確保したのであれば、より有効活用したいところですね。そこで、収納場所の改善も一緒に実施してしまいましょう。

やりかたとしては、

  1. まずこの作業台で作業する時に必要な工具や備品を洗い出す
  2. 何をどこに置くのか表示をする
  3. 置き方のカタチを描く

ことで、何をどこにおくのか、姿置きの要領で半強制的に置き場所を明示するようにします。これによって、表示と違うモノは置きにくくなりますし、違う向きで置きにくくなります。

そういったルールを作ったり、誰が見てもわかりやすくしたり、ルールを守りたくなる工夫を実施することで、モノをどこかに置きっぱなしになって探したり、買い直したりする時間がなくなります。

次の改善事例として期待していますね。引き続きがんばってまいりましょう。

5S改善評価:合計48点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ B 12点
(2)改善の独自性 B 12点
(3)改善の難易度 B 12点
(4)清潔レベル C 8点
(5)習慣(しつけ)レベル D 4点
合計 B 48点

(1)成果の大きさ:B(12点)

理由:無駄になっていた作業台下が、物を置ける場所に変わった。床の面積を増やさずに置き場を増やせたことは、その作業台を使い続ける限り効いてくる成果。ただし、何を置いたのか、探す時間がどう変わったのかは改善報告に記載がない。「満足のいく成果」と評価する。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:普段は目に入りにくい作業台下の空間に目を向けた点は、専門家も「素晴らしい感性」と評価している。一方で、空きスペースに棚を設ける方法そのものは、5S活動でよく見られる手法。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:B(12点)

理由:作業台の下の寸法に合わせて棚を作成し、設置する手間がかかっている。所要時間の記載はないが、数分で終わる作業ではない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。

(4)清潔レベル:C(8点)

理由:置ける場所はできたが、何をどこに置くかはまだ決まっていない。空いた棚には、使わない物や一時置きの物が入り込みやすく、何かのきっかけで乱れが再発する。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:D(4点)

理由:置く物の決め方、表示、置き方のルールについての記載がなく、現時点では棚を作った単発の改善にとどまる。「習慣化を促さない単発的な改善」と評価する。専門家の3つのステップを進めれば、大きく伸ばせる項目です。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

合計48点のこの事例は、Bランクの入り口にあります。それでも、次の点はしっかり評価したいところです。

  • 「見えていない場所」に気づいた。作業台の下は、毎日そばにいても意識に上がりにくい場所です。そこを「無駄になっている」と気づけたこと自体が、改善の目を持っている証拠です
  • 床を広げずに置き場を作った。新しい棚を職場のどこかに置くのではなく、すでにある空間の中で解決しています。通路や作業スペースを狭めない、上手なやり方です
  • 実際に形にした。「もったいない」と思うだけで終わらせず、棚を作って使える状態まで持っていきました。この一歩が、次の改善の土台になります

ここまでで、置き場の「器」はできました。次は、その器に何をどう入れるかを決める段階です。

あと18点でAランク。清潔を2段階、習慣を3段階上げる

合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。専門家が挙げた3つのステップ(必要な工具や備品の洗い出し、何をどこに置くかの表示、置き方のカタチを描く)を進めると、清潔レベルと習慣(しつけ)レベルの両方を上げられます。

上げ方 清潔 習慣 合計 ランク
現在 C(8点) D(4点) 48点 B
姿置きで清潔をAに A(16点) D(4点) 56点 B
さらに習慣をBに A(16点) B(12点) 64点 B
さらに習慣をAに A(16点) A(16点) 68点 A

姿置きで、表示と違う物や違う向きでは置きにくい状態を作れば、乱れが再発しにくくなり、清潔はAが見えてきます。さらに、置き方のルールを決めて皆で守り(習慣B)、その標準を周知して定期的に点検するところまで進めれば(習慣A)、合計68点でAランクに届きます。

「置きっぱなし」と「買い直し」を、起きる前に防ぐ

空いた棚は、放っておくと「とりあえず置く場所」になりがちです。散らかってから片付ける「後追い」ではなく、散らからない仕組みを先に作るのがポイントです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。専門家のコメントをもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。

起こりうる不具合 未然防止の仕組み(例)
使わない物や一時置きの物が棚に入り込む この作業台で必要な工具や備品を洗い出し、それ以外は置かないと決める
置き場所が人によってばらばらになる 何をどこに置くかを棚に表示し、置き方のカタチ(姿置き)を描く
物がなくなっても気づかず、探したり買い直したりする 姿置きの形で、空いている場所が一目で分かるようにする
しばらくすると元の乱れに戻る 置き方のルールを決めて周知し、点検の日を決める

棚に重い物を置く場合や、足元の動線に関わる場合は、耐荷重や安全面を設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。せっかく生み出した置き場です。定位・定品・定量の3定まで仕上げて、「誰が見ても分かる、守りたくなる置き場」にしていきましょう。

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この記事を書いた専門家

昭和61年静岡大学工学部卒業後、大手装置メーカーに入社する。 入社後、生産ライン構築業務に携わり、品質改善・コスト削減に取り組む。 その後、ソフトウエア商品開発業務に携わり、プロジェクトリーダーとして新商品の開発から上市、販売まで手掛ける。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例271件を評価(2026年9月27日時点)。

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