この事例は、容器に乱雑に入っていた切り替え用工具を、形跡整頓と表示で一目で分かるようにした整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。毎回の探すムダが減った。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(切り替え用工具) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 容器に乱雑に突っ込んであった工具が、一目で分かるようになった。1日30秒削減×月間5日発生、1カ月あたり150秒(150円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
切り替え用工具は、容器の中に乱雑に突っ込んである状態でした。どこに何があるかが分からないため、切り替えのたびに工具を探す時間がかかっていました。

改善内容(After)
形跡整頓で、工具一つひとつの置き場所を決めました。さらに「切り替え用工具」と明示し、誰が見ても一目で分かるようにしました。探すムダがなくなり、必要な工具をすぐに取り出せる状態になっています。

専門家コメント
切り替え用工具が容器内で乱雑になっており、毎回探すのに時間がかかっていた状態を、形跡整頓で一つひとつの配置を決め、さらに「切り替え用工具」と明示することで、誰でも一目で分かるようにした改善ですね。
探すムダをなくし、作業効率を上げるという、とても基本に忠実で効果的な改善です。実行してくれたことに感謝します。ありがとうございます。
今回のような「整頓+表示」は、5S活動の中でも特に“整頓”と“清潔”のレベルを引き上げる重要な取り組みです。
次の改善視点としては、この整頓された状態が乱れないための“習慣(しつけ)”や“清潔”の仕組みを意識してみてください。例えば、使用後に元に戻すルールの明文化、定期的な整頓チェックの実施、形跡が消えかけた際の再表示ルール、といった工夫を取り入れることで、改善の効果が長く持続する職場になります。
ぜひこの改善をスタートとして、さらなる工夫につなげてください。次なる報告書を楽しみにしています。
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:探す時間の削減で効率化につながったが、生産全体へのインパクトは中程度。日常作業を快適にする良い効果。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:形跡整頓+表示は5Sの典型的な手法であり、独自性はやや低い。ただし実際に現場で実行した点に大きな価値がある。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:形跡の作成・貼付、表示明示は比較的簡単に実施可能。短時間でできる改善。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:形跡整頓により再発しにくくなったが、形跡の劣化や表示の薄れ、使用後の戻し忘れなどのリスクが残る。維持ルールを導入すればAへ。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:使用後に必ず戻す・定期チェックなど、運用のルール化はまだ不十分。標準化が加わればAランクへ成長可能。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
形跡整頓と表示は、5Sの中でもよく知られた手法です。だからこそ「分かっているけれど、実際にはやれていない」という現場が少なくありません。この事例は、それを自分たちの職場で実際にやり切った改善です。特に次の4点を、しっかり評価したいと思います。
- 「探す」を、工具の置き方で解決した。「よく探せば見つかる」ではなく、一つひとつの置き場所を形跡で決めたことで、探さなくても目に入る状態を作りました
- 「切り替え用工具」と明示した。形跡だけでなく、何の工具の置き場なのかを表示したことで、初めて使う人や応援の人でも迷わずに済みます
- 毎回の切り替えに効く改善を選んだ。切り替えは繰り返し発生する作業です。1回あたりは30秒でも、改善報告の試算で1カ月150秒の削減につながっています
- 清潔レベルがB(12点)。形跡があることで、乱れても元の状態がすぐ分かり、再発しにくい形になっています
専門家が「とても基本に忠実で効果的な改善」と述べているとおり、5Sは基本を実際に形にすることから始まります。容器に工具が突っ込まれた状態は、どの工場でも見かける光景です。そこに手を付けたこと自体が、職場全体の5Sを前に進める一歩です。
あと18点でAランク。習慣と清潔を上げ、成果を広げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。1項目を1段階上げるだけでは届かないため、順番に積み上げていく形になります。専門家が挙げた「維持の仕組み」で習慣(しつけ)と清潔を上げることが中心で、そこに他の工具への展開を加えると、Aランクが見えてきます。
| 上げ方 | 成果 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | B(12点) | C(8点) | 48点 | B |
| 戻すルールと定期チェックを標準化し、習慣をAに | B(12点) | B(12点) | A(16点) | 56点 | B |
| 乱れが起きない仕組みにして、清潔をSに | B(12点) | S(20点) | A(16点) | 64点 | B |
| (例)他の工具・他の工程にも展開し、成果をAに | A(16点) | S(20点) | A(16点) | 68点 | A |
専門家は、この改善に「維持の仕組み」が加われば、Aランク以上に発展できると述べています。表のとおり、習慣(しつけ)と清潔を上げるだけで64点まで進み、Aランクまで残り2点です。最後の一押しは、同じやり方を他の工具や工程に広げて、成果そのものを大きくすることです(例)。
「戻し忘れ」と「形跡の劣化」を、起きる前に防ぐ
形跡整頓は、作った直後が一番きれいです。時間がたつと、戻し忘れが出たり、形跡や表示が薄れたりします。乱れてから並べ直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、乱れが起きにくい形と、乱れにすぐ気づける形を作っておきます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 使用後に工具を戻し忘れる | 使用後に元に戻すルールを明文化する(専門家の提案)。(例)形跡の空きが目立つ色にして、戻っていない工具に誰でもすぐ気づけるようにする |
| 整頓状態が少しずつ乱れる | 定期的な整頓チェックを実施する(専門家の提案)。(例)切り替えの開始時と終了時に、形跡の状態を見ることを手順に入れる |
| 形跡や表示が消えかける | 形跡が消えかけた際の再表示ルールを設定する(専門家の提案)。(例)どの程度薄れたら貼り直すかの基準を決めておく |
| 工具が増えて、形跡に収まらない | (例)工具を追加・変更するときに、形跡と表示も一緒に作り直す手順を決めておく |
「(例)」は、改善報告にない、考え方の例です。容器の置き場所を変えるなど、設備や作業の安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。今回の改善をスタートとして、ぜひ次の報告につなげてください。
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