この事例は、部品置き場の既存の表示に床面の表示を加えた整頓事例で、専門家評価はBランク(56点)。探す時間が5分短縮し、元の位置にも戻しやすくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 倉庫・工場 |
| 改善対象 | 材料/部品 |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 部品が探しやすく、元に戻しやすくなった。5分短縮=300秒×月2回=600秒、1カ月あたり600円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
部品置き場には部品の表示がありましたが、その一部には表示がありませんでした。そのため、必要な部品を探すのに時間がかかっていました。
表示が「ある場所」と「ない場所」が混ざっていると、慣れた人は覚えていて取り出せても、慣れていない人は一つずつ確かめながら探すことになります。使ったあとに戻す場所も迷いやすくなります。

改善内容(After)
既存の部品表示に加えて、床面にも明確な表示を加えました。誰でも一目で、どこに何があるかを把握できるようになりました。
その結果、部品が探しやすくなっただけでなく、元の位置にも戻しやすくなりました。改善報告では、探す時間が5分短縮し、これが月2回あることから、1カ月あたり600秒(600円)の削減と試算しています。

専門家コメント
部品置き場の一部に表示がなかったことで、必要な部品を探すのに時間がかかっていた状態を、既存の部品表示に加えて、床面にも明確な表示を加え、誰でも一目で把握できるようにした改善ですね。
探すムダを減らし、作業効率を上げるだけでなく、元の位置にも戻しやすくなるという点で、とても実用的で効果の高い改善です。実行してくれたことに感謝します。ありがとうございます。
このような「見てわかる仕組み」は、5S活動の“整頓”の本質であり、混乱やミスの未然防止にもつながります。
次の改善視点としては、この床表示が長く機能するようにするための“清潔”や“しつけ”の視点です。
たとえば、
- 表示が剥がれたり薄くなった場合の交換ルール
- 定期的な表示チェックの仕組み
- 表示ルールを新たなエリアにも展開する
などを取り入れると、改善効果が継続し、より使いやすい職場になります。
ぜひこの良い取り組みを他の場所にも広げていきましょう。次なる改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:部品を探す時間を削減し、誰でも迷わず使える状態を実現。作業効率・戻しやすさの両方に効果がある。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「床面表示」は5Sの定番手法ではあるが、既存の表示と組み合わせて二重化した点に工夫が見られる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:床面への表示貼付は比較的短時間で実施可能。難易度は低め。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:視覚的に戻しやすい状態になり乱れにくい。ただし、表示が摩耗・剥がれすれば効果が薄れるため、維持ルールが必要。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:「戻す」「表示を保つ」仕組みがルール化されていない段階。定期チェックや展開ルールを設ければAレベルに近づく。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
部品置き場の表示は、どの現場でも「一度付けたら終わり」になりやすいところです。この事例は、表示の抜けに気づき、そこを放置せずに手を入れた点で、しっかり評価したい改善です。特に次の3点が光っています。
- 既存の表示と床面の表示を組み合わせた。表示を一から作り直すのではなく、今ある表示を活かしながら、床面にも表示を加えて二重化しています。目線が棚に向いても床に向いても、置き場が分かります
- 「探す」と「戻す」の両方に効いた。探す時間が5分短縮しただけでなく、元の位置に戻しやすくなりました。戻しやすいことは、次に使う人が探さずに済むことにつながります。整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「定位」を見て分かる形にした改善です
- 成果の大きさがA(16点)。慣れた人だけでなく、誰でも一目で把握できる状態を作れたことが、高く評価されています
専門家も、このような「見てわかる仕組み」は整頓の本質であり、混乱やミスの未然防止にもつながる、と述べています。小さな手間で、職場の誰にとっても使いやすい置き場に変えた、良い取り組みです。
あと10点でAランク。習慣を2段階、清潔を1段階上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で、合計は64点。まだBランクで、あと2点足りません。そこで、清潔レベルもB(12点)からA(16点)に上げると+4点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 56点 | B |
| 習慣をAに | B(12点) | A(16点) | 64点 | B |
| 習慣をA、清潔をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
評価の理由にあるとおり、習慣は「戻す」「表示を保つ」ことがルール化されていない段階で、清潔は表示が摩耗したり剥がれたりすれば効果が薄れる、という課題があります。この2つは別々の話ではなく、「表示を長く機能させる仕組み」を作れば、両方が一緒に上がります。
「表示が剥がれる・薄くなる」を、起きる前に防ぐ
床面の表示は、人や台車が通るたびに少しずつすり減ります。剥がれてから気づいて貼り直す、という「後追い」を続けていると、また探す時間が戻ってきます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見ておく」に頼らず、劣化に早く気づき、自然に貼り替えにつながる形にします。
専門家の発展ポイントをもとに、次のような仕組みが考えられます。(例)と付けたものは、改善報告にはない案です。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 表示の剥がれ・薄れに気づかない | 床表示の劣化チェックと貼り替えのルールを設定する |
| チェックが続かず、いつの間にか乱れる | 表示点検を定期業務に組み込み、「清潔」を維持する |
| 他の部品置き場では、表示の抜けが残ったまま | 他の部品置き場にも同じ表示ルールを展開し、標準化する |
| 部品を増やしたときに、表示が追いつかない | (例)部品の追加・置き場の変更時は、表示の追加までを一つの手順にする |
表示の材料を変えたり、通路や台車の動線に関わる位置を変えたりする場合は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。表示を「作った」から「保ち続ける」へ進めれば、清潔・習慣レベルが上がり、Aランクが見えてきます。
関連する5S活動の事例
同じ部品の表示で、探す時間を短縮した整頓事例です。



