この事例は、カシメナットの容器を深い長方形の容器から傾斜付きの浅い小皿に替えた整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。1日約12秒の短縮につながった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(カシメナットを入れる容器) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ナットが掴みやすくなり、ナットを取る時間が短縮された。1日約12秒の短縮(改善報告より) |
改善前の状態(Before)
カシメナットは、深さのある長方形の容器に入れて使っていました。部品を取り出すピックアップ作業のたびに、深い容器の中からナットを掴む必要がありました。

改善内容(After)
容器を、間口の広い浅い小皿に変更しました。小皿には軽い傾斜がついていて、ナットが自然に容器の中心に集まります。その結果、ナットが掴みやすくなり、ナットを取る時間が短縮されました。改善報告では、1日約12秒の短縮につながったとしています。

専門家コメント
以前は深さのある長方形の容器を使用していたところ、間口の広い浅い小皿に変更した改善ですね。小皿には軽い傾斜がついており、ナットが自然に容器の中心に集まる工夫が施されているため、ナットを掴みやすくなり、取り出し時間が短縮されたとのこと。
これにより、1日あたり約12秒の時間短縮を実現したとのことで、小さな改善でも作業効率の向上につながる素晴らしい取り組みです。細かい部分に目を向けて改善を進めていただき、ありがとうございます!
次に考えていただきたいのは、この改善がさらに効果的に運用され、ほかの作業にも波及できる仕組みです。(具体的な提案は、下の「次の一歩」で紹介します。)
今回の改善は、日常的な作業の中で小さな時間短縮を実現した大きな成果です。このような工夫を積み重ねていくことで、職場全体の作業効率がさらに向上するはずです。引き続き、他の部分にも目を向けて、さらなる改善に挑戦してください。次の報告書を楽しみにしています!
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | C | 9点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:C(9点)
理由:ナットが掴みやすくなり、取り出し時間が1日約12秒短縮された。毎日のピックアップ作業に効く改善だが、1日あたりの短縮時間は小さい。「成果がややもの足りない改善」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:浅い容器に替えること自体はよくある発想だが、軽い傾斜でナットが自然に中心に集まる小皿を選んだ点に、取り出しやすさへの工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:改善報告にある作業は、容器を小皿に替えたこと。加工や設置の手間は書かれていない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:小皿の傾斜という形そのものでナットが中心に集まるため、「気をつけて掴む」に頼らずに済む。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。小皿の定位や入れる量の決まりまで整えば、さらに上を狙える。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:小皿の置き場所、補充の量、他の部品への展開といったルールや標準化の記述は、改善報告にはない。専門家も、改善効果が維持されているかの見直しや、他の工程への応用を次の課題に挙げている。「ルール未整備の改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
1日約12秒と聞くと、小さく感じるかもしれません。それでも、この事例には大切にしたい点があります。
- 毎日くり返す動作に目を向けた。ナットを掴むという見過ごされやすい動作を対象にしています。専門家も「細かい部分に目を向けて」と評価しています
- 人の注意ではなく、容器の形で解決した。傾斜でナットが自然に中心に集まるので、誰が作業しても掴みやすくなります
- 効果を時間で示した。1日約12秒という数字があるので、他の部品に広げたときの効果も見積もれます
あと20点でAランク。習慣・清潔を上げ、横展開で成果を広げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。専門家は、次の一歩として4つを提案しています。
- 他の作業工程にも応用できないか検討:他のパーツや小物にも同様の浅い容器や傾斜のついたトレイを使用し、現場をよく観察して他にも改善できる点を探す
- 作業台全体のレイアウト最適化:作業台や他の工具・部品の配置を見直し、最短距離で作業が進められるレイアウトを検討する。細かい時間短縮が積み重なると、大きな効果につながる
- 改善のフィードバックと継続的な見直し:作業者からのフィードバックを定期的に収集し、時間短縮効果が維持されているかを定期的にモニタリングして、必要があれば調整する
- 他の容器やツールの選定基準の見直し:軽量化やコンパクト化、持ちやすい形状など、現場に合わせたツールの選定基準を明確にする
1項目だけでは届かないので、この提案を手がかりに3つの項目を順に上げていきます。
| 上げ方 | 上がる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | ― | 46点 | B |
| 小皿の置き場・補充量・点検をルールにし、他の作業者にも周知する | 習慣 C(6点)→A(16点) +10点 | 56点 | B |
| 小皿の定位・定量を表示し、乱れが起きない形にする | 清潔 B(12点)→A(16点) +4点 | 60点 | B |
| 他の部品・小物にも浅い傾斜付きの容器を広げる | 成果 C(9点)→A(15点) +6点 | 66点 | A |
特に大きいのは習慣(しつけ)です。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。「この部品はこの小皿に、この量だけ入れる」という決まりを作り、専門家の言うフィードバックの収集とモニタリングを点検の手順に組み込めば、1人の工夫が職場の標準に変わります。
「小皿が戻る・あふれる・混ざる」を、起きる前に防ぐ
整頓は放っておくと崩れます。小皿が別の場所に置かれる、ナットがあふれる、別の部品が混ざる。こうした乱れを見つけてから直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。乱れそのものが起きない形を、次のように考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 小皿の置き場所がずれる・元の深い容器に戻る | 作業台に小皿の定位を線や枠で表示する(例) |
| ナットを入れすぎてあふれる・少なすぎて欠品する | 小皿に入れる量の目安(定量)を表示し、補充のタイミングを決める(例) |
| 別の部品が混ざる | 小皿に品名を表示し、1皿1品を決まりにする(定品)(例) |
| 作業中に小皿が動く・ひっくり返る | 小皿を作業台に固定する方法を検討する(例) |
小皿の固定など、設備や安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。「気をつける」に頼らず、配置・表示・手順で防げれば、Aランクが見えてきます。
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