この事例は、検査台裏の不要物を撤去し、空いた場所にコイル材料の置き場を作った整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。3定をそろえれば、Aランクに近づける。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | 工場(検査台裏) |
| 改善対象 | 材料/部品(コイル材料) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 乱雑だった検査台裏から不要物をなくし、置き場に困っていたコイル材料の置き場を作った |
改善前の状態(Before)
検査台の裏が、乱雑になっていました。現場で使わない物が置かれたままになり、毎日見ているうちに、いつの間にか「風景」の一部になっていた状態です。
一方で、コイル材料には決まった置き場がなく、どこに置くかに困っていました。使わない物が場所をふさぎ、必要な材料の置き場がない状態でした。

改善内容(After)
まず、検査台裏にあった、現場で使用しない不要物を撤去しました(整理)。次に、空いたスペースを、置き場に困っていたコイル材料の置き場として活用しました(整頓)。
床には「材料置き場」と大きな印を刻印し、ここが材料を置く場所であることを、誰が見ても分かるようにしています。

専門家コメント
現場で使用しない不要物を撤去した改善事例ですね。さらに、その空いたスペースを材料置き場として有効活用された、素晴らしい改善活動でした。ありがとうございます。
普段のお仕事をされていて、風景と化している不要物に気付いて対応されたのは、さすがだと感じました。さらには、床に「材料置き場」と大きな印を刻印されていることにも感心した次第です。
ただ、少しだけ心配なのは、単に「材料置き場」とだけ表示されていることです。このままだと、コイル以外の材料もその場所に置かれてしまう可能性があります。
そこで、整頓の基本である「3定」を徹底することをお勧めします。3定とは、定位・定品・定量のことです。現時点で場所は決まっています(定位)ので、残りの定品(コイル)と定量(3本)を明示することで、整頓を徹底することができます。
次回報告時には、3定が徹底された状態になっていることを期待しています。引き続き、がんばってまいりましょう!!
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:乱雑だった検査台裏から不要物をなくし、置き場に困っていたコイル材料の置き場まで作った。整理と整頓を一度に進め、スペースを有効に使えるようになった。時間や金額の効果は改善報告に記載がないため、「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:不要物の撤去と置き場づくり自体は、5S活動でよく行われる手法。ただし、風景と化していた不要物に気付いたこと、空いたスペースを困っていた材料の置き場に結び付けたこと、床に大きく刻印したことには工夫が感じられる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:不要物の撤去、置き場の確保、床への刻印と、複数の作業を組み合わせている。数分で終わる作業ではないが、大きな工数をかけた改善でもない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:床の刻印で置き場は決まったが、表示は「材料置き場」だけ。専門家コメントのとおり、コイル以外の材料が置かれたり、置く量が増えたりすれば、また乱れが始まる。「何かのきっかけで再発する」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:置き場を決めたことで、守るべきルールの土台はできた。一方で、何を何本置くか、検査台裏に不要物をためないための点検といった標準化は、改善報告からは確認できない。「ルール未整備」の段階と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この改善には、5S活動の基本がしっかり詰まっています。特に次の3点は、ぜひ評価したいところです。
- 「風景」になった不要物に気付いた。毎日見ている場所ほど、使わない物があっても気付きにくくなります。そこに気付いて撤去したこと自体が、整理の一番大切な力です
- 整理で空いた場所を、整頓に生かした。不要物をなくして終わりではなく、置き場に困っていたコイル材料の置き場に結び付けました。整理と整頓がひとつながりになった、よい流れです
- 床に大きく刻印して、場所を見える化した。「ここは材料を置く場所」と、誰が見ても分かる表示にしています。3定のうち「定位」は、すでにできています
不要物の片付けは、どの現場でも後回しになりがちです。そこに手を付けたこと自体が、大きな一歩です。
あと14点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルを、どちらもC(8点)からA(16点)に上げると+16点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。片方だけをAに上げても60点で、まだBランクです。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔だけAに | A(16点) | C(8点) | 60点 | B |
| 清潔と習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
出発点は、専門家コメントにある3定です。定品(コイル)と定量(3本)を明示すれば、「何を・どこに・いくつ」が誰にでも分かります。そのうえで置き方を標準として決め、周知し、点検まで続ければ、習慣(しつけ)レベルも上がっていきます。
「コイル以外が置かれる」を、起きる前に防ぐ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。違う材料が置かれてから片付ける、不要物がたまってから撤去する、というのは「後追い」です。「気をつけて置く」に頼らず、表示と手順で、乱れそのものが起きない形にしていきます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| コイル以外の材料が置かれる | 置き場の表示に品名「コイル」を加える(定品。専門家の提案) |
| 置きすぎ・置き不足になる | 置いてよい数「3本」を表示する(定量。専門家の提案) |
| 検査台裏に、また使わない物がたまる | (例)検査台裏に置いてよい物を掲示し、月1回など点検日を決めて確認する |
| 材料の出し入れで、置き方が崩れる | (例)置き方を写真付きの標準にして、置き場の近くに掲示する |
(例)とした案は、改善報告にはない一案です。材料の固定方法や置き場まわりの通路など、安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。次回の報告で、3定がそろった置き場を見せていただけることを楽しみにしています。
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