この事例は、古い紙図面をスキャンしてパソコンに電子保存した整理事例で、専門家評価はBランク(49点)。紙の図面がなくなって場所が広くなり、単価なども調べやすくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓(情報の5S) |
| 改善場所 | オフィス |
| 改善対象 | 情報(古い紙図面) |
| 専門家評価 | Bランク(49点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 紙の図面がなくなり、場所が広くなった。見積書や加工のノウハウ、外注先を書いた図面をパソコンで見られるようになり、単価などを調べるときに便利になった |
改善前の状態(Before)
古い図面を、紙のまま保管していました。紙の図面は置き場所をとり、汚れや破れで書かれた情報が見えづらくなるおそれもあります。

改善内容(After)
紙の図面をスキャンして、パソコンの中に電子保存しました。見積書や加工するノウハウ、外注先を書いた図面もパソコンの中に入れたので、単価などを調べるときに、パソコンで確認できるようになりました。
その結果、紙の図面がなくなり、場所が広くなりました。

専門家コメント
改善活動ありがとうございます。紙図面をスキャニングして、電子保存した改善ですね。情報の5Sが一歩進んだことを嬉しく思います。
今回、電子化が一歩進んだことで、以下の効果があったと考えます。
- 効果① 紙図面がなくなり、省スペース化につながった
- 効果② 紙の汚れや破れなどによって情報が見えづらくなることを防止(情報の保管品質の改善)
今回は、情報の5Sの第一歩として、パソコンのフォルダー管理を採用していますが、フォルダーによるファイル管理を上手く進めるには、以下の点に留意してください。
- 留意点① フォルダー階層のルール決め(保管場所のルール決め)
フォルダー階層の共通ルールを決め、社内で共有する。 - 留意点② ファイル名の付け方の命名規則を作る
ファイルの名前の付け方にも、社内で共通運用するルールを定めた方がよいです。特に最新版管理を実施するうえで、ファイル名の命名規則は重要です。命名規則の例:ファイル名_更新日_最終更新者 - 留意点③ 個人名フォルダーは作らない
個人名のフォルダーを作ると、担当者以外にはブラックボックス化するので、個人名フォルダーは作らないようにしましょう。
上記の点を参考に、情報の5Sをレベルアップさせてください。
5S改善評価:合計49点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | B | 11点 |
| (4)清潔レベル | B | 10点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 49点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:紙の図面がなくなって場所が広くなり、単価などを調べるときも便利になった。専門家も「省スペース化」と「情報の保管品質の改善」の2つの効果を挙げている。数値の記載はないが、スペースと調べる手間の両方に効いており、「満足のいく成果」の上側と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:紙図面のスキャン・電子保存は、多くの職場で行われている手法。一方で、見積書や加工ノウハウ、外注先といった書き込み情報ごと残し、単価を調べる場面に活かした点には工夫がある。「よく似たタイプが多い改善」の上側と評価する。
(3)改善の難易度:B(11点)
理由:古い図面を1枚ずつスキャンし、パソコンに保存していく作業には、一定の手間がかかる。ただし、図面の枚数や作業期間は改善報告に記載がないため、帯の下側に置く。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(10点)
理由:電子保存によって、紙の汚れや破れで情報が見えづらくなることを防いでおり、劣化の発生源を抑えた面がある。一方、フォルダー階層やファイル名のルールはまだ決まっておらず、パソコンの中で乱れが再発する余地が残る。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」の下側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:改善報告には、保存のルールや標準化の記述がない。専門家の留意点(フォルダー階層、命名規則、個人名フォルダーを作らない)は、これから整える段階。「ルール未整備」の改善と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、オフィスの「情報の5S」に踏み出した第一歩です。紙の書類は、そのままになりがちなもの。そこに手をつけ、実際に紙をなくしたことを、しっかり評価したいと思います。特に次の3点です。
- 情報を失わずに、紙を減らした。図面を捨てるのではなく電子保存し、場所を空けながら必要な情報は残しました
- 書き込まれた知恵ごと残した。見積書や加工ノウハウ、外注先が書かれた図面をパソコンで見られるようにし、単価を調べる場面ですぐ使えるようにしました
- 情報が傷む前に守った。紙の汚れや破れで読めなくなる前に電子化したことは、専門家が「情報の保管品質の改善」と評価した点です
あと17点でAランク。習慣と清潔を上げる
合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。1つの項目だけでは届かないので、専門家の留意点に沿って、習慣と清潔の2つを上げるのが近道です。
フォルダー階層、命名規則、個人名フォルダーを作らないルールを決めて社内で共有し、守られているかを定期的に確かめるところまで進めれば、習慣(しつけ)レベルはC(6点)からA(16点)へ、+10点で59点です。さらに、最新版の取り違えが起きない仕組みまで作れば、清潔レベルはB(10点)からA(17点)へ、+7点で合計66点。Aランクに届きます。
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(6点) | B(10点) | 49点 | B |
| 保存ルールを決めて共有・点検する | A(16点) | B(10点) | 59点 | B |
| さらに、乱れが起きない仕組みを作る | A(16点) | A(17点) | 66点 | A |
「どれが最新か分からない」を、起きる前に防ぐ
ルールがないまま使い続けると、どれが最新版か分からない、担当者しか場所を知らない、といった乱れが、今度はパソコンの中で起こります。起きてから探し回り、整理し直すのは「後追い」です。
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて保存する」に頼らず、保存先と名前の付け方が自然にそろう形を作れば、乱れそのものが起きにくくなります。専門家の留意点をもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| どれが最新版の図面か分からない | 「ファイル名_更新日_最終更新者」のような命名規則を決め、一覧にして共有する |
| 人によって保存先がばらばらになる | フォルダー階層の共通ルールを決め、ひな形のフォルダーをあらかじめ作っておく(例) |
| 担当者しか場所が分からない | 個人名フォルダーを作らないルールにし、共有の場所だけに保存する |
| パソコンの故障でデータが失われる | 保存先の控え(バックアップ)を取る頻度と担当を決める(例) |
表の「(例)」は改善報告にない案です。保存先やバックアップの方法は、社内の情報機器の担当者と確認しながら進めてください。
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