この事例は、書庫内のテープ類の在庫表を扉に貼り出し、次回発注ラインを設定した整頓事例で、専門家評価はBランク(53点)。在庫数と発注のタイミングが一目で分かるようになった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場(書庫) |
| 改善対象 | 工具/備品(テープ類) |
| 専門家評価 | Bランク(53点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 在庫数と発注のタイミングがわかりやすくなった |
改善前の状態(Before)
書庫の中にテープ類を保管していましたが、いま何個残っているのかが、外からはわかりにくい状態でした。在庫数を知るには書庫を開けて確かめる必要があり、いつ発注すればよいかの目安もはっきりしていませんでした。
在庫数が見えないと、「まだあると思っていたら切れていた」ということが起こりがちです。これは誰かの不注意ではなく、置き方の仕組みの問題です。

改善内容(After)
書庫の扉に在庫表を貼り出し、あわせて「次回発注ライン」を設定しました。扉を見れば、在庫数と、発注すべきタイミングがわかるようになりました。
ポイントは、在庫数を「見える」ようにしただけでなく、「どこまで減ったら発注するか」という基準まで決めたことです。在庫表と発注ラインがそろうことで、発注の判断を個人の感覚に頼らずに済むようになります。

専門家コメント
書庫内のテープ類の在庫数が把握しづらかった問題に対して、扉に在庫表を掲示するようにしたこと、さらに、次回発注ラインを設定することにより、在庫数と発注のタイミングを一目でわかるようにした改善ですね!
このような視点で問題を捉え、工夫してくれたことに心から感謝します。ありがとうございます。
これにより作業効率も向上し、必要なものが常に確保される体制が整いましたね。
次に、在庫表自体の見直しも定期的に行うと良いでしょう。例えば半年に一度は使用頻度や必要量を見直し、在庫表の内容も更新することで、より正確な管理が可能になります。
さらに、在庫表をデジタル化して、複数のメンバーでリアルタイムに在庫状況を共有できるようにするのも一つの方法です。
ぜひこの改善を基に、さらなる改善へのアイデアを考えてみてくださいね。次の報告も楽しみにしています!
5S改善評価:合計53点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 9点 |
| 合計 | B | 53点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:書庫を開けなくても在庫数と発注のタイミングがわかるようになり、専門家コメントでも「作業効率も向上し、必要なものが常に確保される体制が整った」とされている。一方で、短縮時間などの数値は改善報告に記載がない。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:在庫表の掲示は、在庫の見える化としてよく使われる方法。ただし、在庫数を示すだけで終わらせず、「次回発注ライン」という判断の基準まで加えた点に工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:在庫表を作って扉に貼り、発注ラインを決める作業で、大がかりな工事や加工は伴わない。テープ類ごとの必要量を考えて発注ラインを決める手間はあるが、所要時間は改善報告に記載がない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:次回発注ラインを設定したことで、欠品が起きる前に発注へ動ける状態になった。同じ状況なら「切れてから気づく」は起きにくい。ただし、在庫表の数字を誰がいつ更新するかは改善報告に記載がなく、記入が止まれば実数とずれるおそれが残る。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(9点)
理由:「発注ラインに達したら発注する」という、徹底すべきルールを設定した点は評価できる。一方、在庫表の更新ルール、見直しの周期、点検の担当は、まだ決まっていない。専門家コメントでも、定期的な見直しが次の課題とされている。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
小さな備品の在庫は、つい後回しにされがちです。そこに目を向けて、仕組みで解決しようとした点を、まず評価したいと思います。特に次の3点です。
- 扉という「必ず目に入る場所」を使った。書庫を開けなくても在庫がわかるので、確認の手間そのものがなくなりました
- 在庫数に「発注ライン」を組み合わせた。見えるだけでなく、「いつ動くか」の基準まで決めたことで、欠品と頼みすぎの両方を防ぐ形になっています
- 発注の判断を、人の感覚から切り離した。担当が変わっても同じ判断ができる、整頓の「定量」の考え方に沿った改善です
あと13点でAランク。習慣と清潔を引き上げる
合計53点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと13点です。1項目だけで届く差ではないので、専門家コメントにある2つの提案に沿って、習慣(しつけ)と清潔を順に上げていくのが近道です。
まず、半年に一度の見直しを標準として決め、更新と点検の担当まで周知できれば、習慣(しつけ)レベルはC(9点)からA(16点)へ+7点で、合計60点です。さらに、在庫のずれや発注漏れが起きない仕組みまで作り込めれば、清潔レベルはB(12点)からS(18点)へ+6点で、合計66点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(9点) | B(12点) | 53点 | B |
| 習慣をAに | A(16点) | B(12点) | 60点 | B |
| さらに清潔をSに | A(16点) | S(18点) | 66点 | A |
「在庫表のずれ」と「発注漏れ」を、起きる前に防ぐ
在庫表は、貼った日がいちばん正確で、記入が止まると少しずつ実数とずれていきます。ずれに気づいてから数え直す、テープが切れてから慌てて発注する、というのは「後追い」の対応です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて書く」「忘れずに見る」に頼らず、ずれや発注漏れが起きない形を考えます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 在庫表の記入が漏れ、実数とずれる | 取り出したときに記入する欄を扉のすぐそばに置き、記入の手順を表示する(例) |
| 発注ラインに達しても気づかない | 発注ラインの位置を、テープ類の置き場そのものにも色で表示する(例) |
| 使う量が変わり、発注ラインが合わなくなる | 半年に一度、使用頻度と必要量を見直し、在庫表を更新する(専門家の提案) |
| 確認できる人が限られ、発注が止まる | 在庫表をデジタル化し、複数のメンバーで在庫状況を共有する(専門家の提案) |
書庫や扉に手を加える場合は、設備の担当者と確認しながら進めてください。在庫表と発注ラインの考え方は、テープ類以外の消耗品にも広げられます。
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