この事例は、ペンキが剥がれて掛ける場所が乱れていたほうきを、塗り直しと名札で定位した整頓事例で、専門家評価はBランク(51点)。探すムダをなくした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場(清掃道具置場) |
| 改善対象 | 工具/備品(ほうきなどの清掃道具) |
| 専門家評価 | Bランク(51点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ほうきを掛ける場所が決まり、いつも探していた状態がなくなった。動作と手持ちのムダが改善された |
改善前の状態(Before)
清掃道具置場では、ほうきなどを掛ける場所のペンキが剥がれ、ボロボロになっていました。どこに何を掛けるのかの目印が消えてしまったため、ほうきを掛ける場所がバラバラになり、使うたびにいつも探している状態でした。

改善内容(After)
剥がれたペンキを塗り直し、掛ける場所に名札を付けました。これで、どのほうきをどこに掛けるかが決まり、掛ける場所が固定されました。整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「定位(置き場所を決める)」と「定品(何を置くかを決める)」を、名札という形で示した改善です。
ポイントは、ペンキが剥がれても表示が残る名札式にしたことです。前回の失敗を踏まえた改善になっています。

専門家コメント
ほうきを掛ける場所のペンキが剥がれたために、ほうきを掛ける場所がバラバラになり、いつも探していた状況を、ペンキを塗り直し、名札を付けることで、ほうきを掛ける場所を固定し、動作と手持ちのムダを改善した事例ですね。
何気ない改善のように見えますが、ほうきを掛ける場所がいつも一定でないことを当たり前と思わず、問題として着目した点は、さすがと感じました。
さらに、ペンキが剥がれてもいいように名札式にした点も、前回の失敗を踏まえた改善内容で、とても素晴らしいアイデアだと感心いたしました。ありがとうございます。
あと、さらなる改善提案として、以下の点も考えてみてくださいね。
- 色を使って色別管理を実施する。
- ほうきの使用頻度が高いものを、右端に置いて取り出しやすくする。
こうすることで、より使い勝手がよくなるはずです。引き続き、素晴らしい改善を続けてくださいね。あなたの次なる報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計51点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 11点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 13点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 51点 |
(1)成果の大きさ:B(11点)
理由:掛ける場所が決まったことで、清掃のたびにほうきを探す状態がなくなり、動作と手持ちのムダが改善された。短縮時間の数値は改善報告に記載がない。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:掛ける場所に表示を付けること自体は、整頓でよく使われる方法。一方で、ペンキが剥がれても表示が残るよう名札式にした点は、前回の失敗を踏まえた工夫で、専門家も「素晴らしいアイデア」と評価している。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:作業はペンキの塗り直しと名札の取り付けで、特別な加工は改善報告に書かれていない。かかった時間の記載もない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(13点)
理由:「ペンキが剥がれると表示が消え、また乱れる」という再発の原因に目を向け、名札式にして表示が消えにくい形にした。同じ状況が起きても乱れにくくなっており、「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:名札によって「この場所にこのほうきを掛ける」というルールは示された。ただし、使った後に戻す決まりの周知や、表示の点検、他の置場への展開については、改善報告に記載がない。「徹底すべきルールを設定した改善」の下側と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
一見すると小さな改善ですが、5Sの考え方がしっかり詰まった事例です。特に次の3点を評価したいと思います。
- 「いつも一定でない」を当たり前と思わなかった。毎回ほうきを探すことに慣れてしまわず、問題として取り上げました。専門家も「さすが」と評価しています
- 前回の結果から学び、やり方を変えた。ペンキを塗り直すだけで終わらせず、剥がれても困らない名札式にしました。同じ乱れを繰り返さないための、清潔の考え方そのものです
- 整頓の3定のうち「定位」と「定品」を形にした。どこに何を掛けるかが名札で分かるので、誰が使っても同じ場所に戻せます
あと15点でAランク。習慣を中心に3項目を上げる
合計51点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと15点です。伸びしろの大きい習慣(しつけ)レベルを中心に、清潔と、専門家の提案(色別管理・使用頻度による配置)を活かした独自性を上げると、66点でAランクに届きます。
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 独自性 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(7点) | B(13点) | B(12点) | 51点 | B |
| 習慣をAに | A(16点) | B(13点) | B(12点) | 60点 | B |
| さらに清潔をAに | A(16点) | A(16点) | B(12点) | 63点 | B |
| さらに独自性をAに | A(16点) | A(16点) | A(15点) | 66点 | A |
習慣を上げる近道は、「使ったら名札の場所に戻す」を掲示して全員に周知し、表示を定期的に点検することです。
「表示が消える・戻し忘れる」を、起きる前に防ぐ
今回の改善は、「ペンキが剥がれてから直す」という後追いから一歩進み、剥がれても困らない形にしたものです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、乱れが起きにくく、起きてもすぐ気づける形を目指します。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 違うほうきを違う場所に掛けてしまう | 色を使って色別管理を実施する(専門家の提案) |
| よく使うほうきが取り出しにくい | 使用頻度が高いものを右端に置き、取り出しやすくする(専門家の提案) |
| 名札が外れる・汚れて読めなくなる | (例)清掃の点検項目に「名札の状態」を加え、予備の名札を置場に用意しておく |
| 使った後に戻し忘れ、置場が空いたままになる | (例)名札の数と道具の数をそろえ、空いた場所が一目で分かるようにする |
(例)の案は改善報告にはない内容です。掛ける金具の取り付けなど、設備や安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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