この事例は、梱包用のロール紙を入れる専用の箱を作った整頓事例で、専門家評価はBランク(47点)。生産途中に取りに行く手間がなくなり、1日平均で約10分短縮できた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 梱包資材(ロール紙) |
| 専門家評価 | Bランク(47点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 生産途中にロール紙を取りに行く手間がなくなった。1日平均で約10分短縮(改善報告より) |
改善前の状態(Before)
梱包に使うロール紙は、製品を包むための副資材です。改善前は、ロール紙を入れておく専用の置き場がなく、生産の途中でロール紙を取りに行く手間が発生していました。専門家は、この状態を「探すムダ」と「取りに行くムダ」があった状態だと見ています。
副資材は、置き場や量の決まりが後回しになりがちです。誰かが悪いのではなく、置き場の仕組みがなかったことが原因です。

改善内容(After)
ロール紙を入れる専用の箱を作成しました。ロール紙の置き場が決まったことで、生産の途中にロール紙を取りに行く手間がなくなりました。改善報告では、1日平均で約10分の短縮ができたとしています。
この改善は、専門家が前回提案した内容を、現場がすぐに形にしたものです。

専門家コメント
梱包資材のロール紙の置き場を作成し、探すムダと取りに行くムダを改善した事例ですね。
前回12月13日に提案させていただいた内容を早速実現していただき、感謝申し上げます。
前回もお伝えしたとおり、ロール紙のような副資材は、どうしても管理が不十分となってしまうのですが、その管理を徹底してムダを改善したよい事例だと感じました。
素晴らしい改善活動ご苦労さまでした。
今後についての提案ですが、3定のうち、定品は実現できているように見えますが、定位と定量が怪しいように感じました。
まず、定位面として、このロール紙の置き場がこの場所と確定しているのであれば、この場所がロール紙置き場だということを床に明示してみてください。
また、今は箱に目いっぱい入っているので、特に気にならないかもしれませんが、定量面として、どのくらいの量が適切で、どれくらい使用したら発注をかけるのか、その点も明示しておくともっと素晴らしい改善になりますよ。
その後は、ぜひ横展開してみてください。副資材の取り扱いで悩んでいる方たちは大勢いるはずです。
では、次なる改善を楽しみにしております。
5S改善評価:合計47点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 15点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | C | 7点 |
| (4)清潔レベル | B | 10点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 47点 |
(1)成果の大きさ:A(15点)
理由:生産途中にロール紙を取りに行く手間がなくなり、1日平均で約10分短縮できた。毎日の生産の中で積み重なる時間であり、探すムダと取りに行くムダの両方を減らしている。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:副資材に専用の入れ物を用意するのは、整頓の基本的な手法で、よく似たタイプの改善が多い。今回は専門家の前回の提案を実現したものだが、後回しになりがちな副資材に目を向けた点は評価できる。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(7点)
理由:専用の箱を作成した改善。改善報告に、箱の材料や作成にかかった時間の記載がないため、帯の下側に置いた。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(10点)
理由:ロール紙の入れ物が決まり、3定のうち「定品」は実現できている。一方で、専門家が指摘するとおり、「定位」(置き場の床への明示)と「定量」(適正量と発注のタイミング)はまだ決まっていない。箱が動いたり、量が増減したりすると、元に戻るおそれが残る。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」の下側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:専用の箱という形はできたが、置き場の表示、適正量、発注のルールといった標準化の記載はない。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動であり、ここはこれからの段階。「ルール未整備」の改善と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、点数以上に、現場の姿勢として評価したい改善です。特に次の3点は、しっかり伝えたいところです。
- 提案をすぐに形にした。専門家が前回提案した内容を、早速実現しています。提案を受けて動ける現場は、改善が続く現場です
- 後回しになりがちな副資材に手を入れた。ロール紙のような副資材は、置き場や量の決まりが不十分になりやすいものです。そこに目を向け、ムダを減らしました
- 効果が毎日の時間に表れた。1日平均で約10分の短縮は、生産の途中に毎日積み重なる時間です。成果の大きさはA(15点)です
あと19点でAランク。定位と定量を決めて、清潔と習慣を上げる
合計47点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと19点です。1項目を1段階上げるだけでは届きませんが、専門家の提案を順番に進めれば、清潔と習慣の両方が上がっていきます。次の表は、上げ方の一つの目安です(例)。
| 上げ方(例) | 上がる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 47点 | B |
| ①置き場を床に明示する(定位) | 清潔 10→13点(+3) | 50点 | B |
| ②適正量と発注のタイミングを明示する(定量) | 清潔 13→16点(+3)、習慣 6→12点(+6) | 59点 | B |
| ③発注のルールを標準化し、他の副資材へ横展開する | 習慣 12→16点(+4)、独自性 9→12点(+3) | 66点 | A |
①と②で3定がそろい、③で、ほかの副資材にも使える「やり方」になります。
「ロール紙切れ」と「置き場の乱れ」を、起きる前に防ぐ
今は箱にロール紙が目いっぱい入っているので、困ることはありません。しかし、量が減ってから慌てて発注する、箱が別の場所に動いてからまた探す、というのは、起きてから直す「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見ておく」に頼らず、表示と手順で、問題が起きない形にします。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 箱が別の場所に動き、また探す | 置き場を床に明示する(専門家の提案)。箱の外形に合わせて床に線を引くと、ずれがすぐ分かる(例) |
| ロール紙が切れてから気づく | 適正量と、発注をかける残りの本数を明示する(専門家の提案)。発注点の位置に目印を付ける(例) |
| 発注する人によって、量やタイミングがばらつく | 発注点に達したら、誰が・どこへ連絡するかを決めて掲示する(例) |
| ほかの副資材で同じムダが残る | 今回のやり方を手順にまとめ、ほかの副資材へ横展開する(専門家の提案) |
床への表示は、通路や設備の配置にも関わります。表示の位置や方法は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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