この事例は、現場で使いっぱなしだったストーブの置き場を作って明示した整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。最大で約5分かかっていた探し回りがなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 備品(冬に使うストーブ) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 使用後に戻す位置を決めたことで、最大で約5分かかることもあった探し回りがなくなり、時間が短縮できた |
改善前の状態(Before)
冬の寒い時期に使うストーブが、現場で使いっぱなしのまま、いろいろな所に置かれていました。決まった置き場がないため、使いたいときに探し回ることになり、最大で約5分かかることもありました。
使った人が悪いのではなく、戻す場所が決まっていなかったことが、置きっぱなしを生んでいました。

改善内容(After)
ストーブをしまっておく置き場を作り、そこを置き場として明示しました。あわせて、使用後に直す位置(定位)を決め、「使ったら帰る場所に戻す」というルールにしました。
その結果、ストーブを探し回ることがなくなり、時間が短縮できました。

専門家コメント
冬の寒い時期に使用するストーブが、これまでは現場で使いっぱなしで置かれていた状態を、ストーブをしまっておく置き場所を作成し、明示することで、使いっぱなしをなくして、探す手間を省いた改善事例ですね。
置きっぱなしが発生していた状態を、帰る場所の設置というルールを設定して改善した素晴らしい事例ですね。改善活動をありがとうございました。
さて、今後の改善提案についてですが、ルールを作ったからと言って、すぐにこれまでの置きっぱなしにしていた習慣が無くなるということは、私の経験上とても難しいと感じています。
そこで、ぜひ取り入れていただきたいのが、各ストーブに番号を振って、番号ごとに担当者を設定して、ストーブ置き場に明示しておくことです。そうすることで、だれが管理しているストーブが置きっぱなしになっているのかが一目でわかりますし、担当者を設置することで責任感も生まれて、維持継続が可能となります。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。では、次なる改善を楽しみにお待ちしております。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 9点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 9点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:最大で約5分かかることもあった探し回りがなくなり、時間が短縮できた。探す頻度は改善報告に記載がないため、「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:置き場を作って明示し、戻す位置を決めるのは、整頓の基本である定位の考え方をそのまま使った改善。季節の備品にも定位を当てはめた点は良いが、手法としては「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:置き場の作成と明示、戻す位置の決定が中心で、大がかりな加工は改善報告からは読み取れない。所要時間の記載もないため、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(9点)
理由:帰る場所ができたことで、置きっぱなしを防ぐ土台はできた。一方で、専門家コメントのとおり、これまでの置きっぱなしの習慣はすぐには無くならず、戻し忘れが起きたときに気づく仕組みはまだない。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(9点)
理由:「使用後は決めた位置に戻す」という、徹底すべきルールを設定した点は専門家も高く評価している。ただし、担当者や点検の決まり、周知の方法は改善報告に記載がない。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、整頓のいちばん大事なところを、きちんと押さえた改善です。特に次の3点をしっかり評価したいと思います。
- 「探す」の原因を、置き場がないことだと見抜いた。探し回る時間を、人の注意ではなく、置き場を作るという形で解決しています
- 季節の備品にも定位を当てはめた。毎日使う工具だけでなく、冬にしか使わないストーブまで「帰る場所」を決めたことで、整頓の対象が職場全体に広がっています
- 置き場を作るだけでなく、ルールにした。専門家も「帰る場所の設置というルールを設定して改善した素晴らしい事例」と評価しています
あと20点でAランク。習慣と清潔を段階的に上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1つの項目を上げるだけでは届かないので、専門家の提案を軸に、習慣と清潔を順に上げていくのが近道です。次の表は、上げ方の目安(例)です。
| 上げ方(例) | 上がる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 46点 | B |
| ストーブに番号を振り、番号ごとの担当者を置き場に明示する | 習慣 C(9点)→B(12点)、清潔 C(9点)→B(12点) | 52点 | B |
| 戻っているかの点検日を決め、置き場の決まりを標準化して周知する | 習慣 B→A(16点)、清潔 B→A(16点) | 60点 | B |
| 同じやり方を、扇風機など他の季節の備品にも広げる | 成果 B(12点)→A(15点)、独自性 C(8点)→B(11点) | 66点 | A |
点数は実際の取り組みの内容で決まるため、表は進む方向の目安としてご覧ください。
「置きっぱなし」を、起きる前に防ぐ
置き場ができた今は、次に、置きっぱなしそのものが起きない仕組みへ進むタイミングです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。置きっぱなしを見つけてから戻す、という「後追い」をくり返すのではなく、戻さないと自然に分かる、戻しやすいから自然に戻る、という形を作ります。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| だれのストーブが戻っていないか分からない | 各ストーブに番号を振り、番号ごとの担当者を置き場に明示する(専門家の提案) |
| どのストーブが欠けているか、ひと目で分からない | 置き場の床や棚に、番号ごとの置き位置を表示する(例) |
| シーズン中、戻し忘れが続いても気づかない | 終業時に置き場を見る点検日や、点検の担当を決める(例) |
| 使用中のストーブが、通路など危ない場所に置かれる | 使用中に置いてよい場所も決めて表示する(例) |
ストーブは火や熱を扱う備品です。使用中の置き場所や、置き場の周りに置く物については、安全の担当者と確認しながら進めてください。専門家の言うとおり、ルールを作っただけで習慣がすぐ変わるのは難しいものです。だからこそ、番号と担当者の明示から一歩ずつ始めてみてください。
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