この事例は、部品を入れていた段ボール箱4つを白い容器に替え、4色で色分け表示した整頓事例で、専門家評価はBランク(60点)。部品が取りやすくなった。あと6点でAランク。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 材料/部品(部品の収納容器) |
| 専門家評価 | Bランク(60点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 部品が取りやすくなった。1日平均3秒短縮×月20日で、1カ月あたり60秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
ある製品の部品を、茶色い段ボール箱4つに分けて保管していました。箱の見た目がどれも同じため、どの箱にどの部品が入っているか見分けがつきにくい状態でした。
見分けにくい箱から部品を取るときは、箱をのぞいたり、中身を確かめたりする手間がかかります。似た部品が並ぶ置き場では、取り違えの心配も生まれます。

改善内容(After)
段ボール箱を白いプラスチック製の容器に変更し、それぞれにピンク、緑、青、赤の色分けされた表示を貼り付けました。作業者が必要な部品を素早く識別して取り出せるようになっています。
改善報告の試算では、部品を取る時間が1日平均3秒短縮され、月20日で1カ月あたり60秒の削減です。

専門家コメント
改善前はある製品の部品を茶色い段ボール箱4つに分けて保管しており、どの箱にどの部品が入っているか見分けがつきにくい状態でした。そこで段ボール箱を白いプラスチック製の容器に変更し、それぞれにピンク、緑、青、赤の色分けされた表示を貼り付けることによって、作業者が必要な部品を素早く識別して取り出せるようにした改善ですね。
見分けにくさという小さなムダに目を向けて、誰でも迷わず取り出せる工夫をしてくれたこと、本当にありがとうございます。
この改善で整頓のレベルがぐっと上がりましたね。色による識別は視認性が高く、とても効果的です。
5S改善評価:合計60点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 60点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:これまで視認性が低く、部品の識別に時間がかかっていた状態から、色分けと容器変更によって一目でわかるようになった効果は大きい。取り間違い防止や探す時間の削減につながっており、現場での作業効率アップが明確に期待できる。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:色別表示を使った整頓は5S活動でよく見られる手法ではあるが、段ボールから白い容器に変更したうえで色分けを適用した点は、やや工夫が見られる。ただし、全体としては標準的な発想の範囲と判断し、B評価とした。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:容器の選定・変更、色ラベルの作成・貼付など、計画と少しの準備を要する作業。数十分から1時間程度で実施可能と考えられるため、標準的な難易度のB評価となる。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:容器の変更と色別表示により「整った状態」が実現されたが、今後の再発防止(表示の色あせ・ラベル剥がれなど)へのルールや点検体制はまだ導入されていないよう。仕掛けや点検ルールがあればA以上も狙える。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:現時点では「その場の改善」として完結しており、他の部品棚やエリアに横展開するためのルール化や標準化までは至っていない様子。「色表示+品番ラベル」の標準ルールを設定すれば、習慣化レベルが向上する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、次の点をしっかり評価したいところです。
- 「見分けにくさ」という小さなムダに目を向けた。専門家も、ここに目を向けて誰でも迷わず取り出せる工夫をしたことに感謝しています
- 容器と表示を、まとめて見直した。表示を貼るだけでなく、段ボール箱を白い容器に替えたうえで色分けしたことで、色が目に入りやすくなりました。専門家も、この点に工夫が見られるとしています
- 成果がA(16点)。識別の時間が減っただけでなく、取り間違いの防止にもつながっています
- 清潔がB(12点)。容器と色別表示で、整った状態を保ちやすい形ができています
あと6点でAランク。清潔と習慣を1段階ずつ上げる
合計60点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと6点です。清潔レベルをB(12点)からA(16点)へ、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)へ上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。成果・独自性・難易度は、今のままでかまいません。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | C(8点) | 60点 | B |
| 清潔・習慣を1段階ずつ上げる | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
「取り違え」と「表示の劣化」を、起きる前に防ぐ
色による識別は視認性が高い一方で、色だけでは「どの色がどの部品か」を覚えておく必要があります。表示の色あせやラベルの剥がれが起きれば、また見分けにくい状態に戻ります。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「間違えないよう気をつける」に頼らず、間違えようがない表示にしておきます。
専門家は、次のステップとして次の方法を挙げています。
- 部品名や品番などの文字情報も、色と一緒に表示する(さらなる取り違え防止)
- 表示のルールを明文化する(たとえば「ピンク=A系部品」「緑=B系部品」など)。他の場所にも同様の改善を展開しやすくなる
- 表示の色あせ・ラベル剥がれを確かめる点検のルールを設ける
未然防止の視点で考えると、容器と置き場の両方に同じ色と品番を表示しておく方法もあります(例)。容器を戻すときに置き場を間違えにくくなり、容器の並びが崩れることも防げます。「色表示+品番ラベル」を標準ルールとして決め、他の部品棚に横展開すれば、習慣(しつけ)も上がります。今回の取り組みを土台に、次なる改善にも取り組んでみてください。次の報告書も楽しみにしています。
自社の部品容器で試すときの進め方(例)
この事例は、同じ見た目の段ボール箱を、白い容器と4色の表示に替えて、見分けやすくした改善です。自社で試すときは、次の順番で進めると、色や表示が崩れにくくなります。ここに書く手順は、進め方の例です。この改善報告に書かれた手順ではありません。
- まず、箱の中身を整理して、種類ごとに分ける。色分けの前に、何をいくつの箱に分けるかを決めます。種類が混ざったままだと、色を付けても見分けられません。
- 次に、色の意味を決める。たとえば「ピンク=A系」「緑=B系」のように、色と部品の対応を決めます。決めた対応は、表にして、置き場の近くに掲示します。
- 色と一緒に、部品名か品番の文字も表示する。色だけでは、人が替わったときに意味が伝わりません。文字を添えると、取り違えを防げます。
- 容器と置き場の両方に、同じ色と品番を表示する。戻すときに、置き場を間違えにくくなります。置き場所(定置)、置く物(定品)、数(定量)を決めて示す、整頓の基本です。
色は「見つけやすさ」、文字は「間違えにくさ」
色による識別は、遠くからでも目に入るので、探す時間を減らします。一方で、色の意味は、見る人が覚えておく必要があります。専門家も、部品名や品番の文字情報を一緒に表示することで、さらなる取り違え防止になるとしています。表示の色あせやラベルの剥がれは、時間とともに必ず起きます。気づいてから貼り替えるのではなく、点検の項目に入れておくと、見分けにくい状態に戻る前に気づけます。それが、清潔の考え方です。
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