この事例は、作業場の鉄板の隙間を同じサイズの鉄板でふさぎ、台車の足が引っ掛かる危険をなくした清潔事例で、専門家評価はBランク(60点)。あと6点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場(作業場) |
| 改善対象 | 工具/備品(作業場の鉄板) |
| 専門家評価 | Bランク(60点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 鉄板の間の隙間がなくなり、台車などの足が引っ掛かる危険がなくなった。転倒や道具を落下させるリスクが減少した |
改善前の状態(Before)
作業場の鉄板と鉄板の間に隙間があり、台車などの足がその隙間に引っ掛かる状態でした。台車を押して通るたびに足が取られるおそれがあり、危険な箇所になっていました。
毎日通る場所の小さな隙間は、慣れてしまうと「いつものこと」として見過ごされがちです。その危険に気づき、改善の対象として取り上げたこと自体が、この改善の出発点です。

改善内容(After)
隙間と同じサイズの鉄板を作成し、隙間に入れて隙間そのものを無くしました。台車などの足が引っ掛かる箇所がなくなり、作業場を安全に通れるようになりました。
「隙間に注意して通る」という呼びかけではなく、隙間そのものを無くすという形で解決している点が、この改善のポイントです。

専門家コメント
作業場に存在していた危険個所をなくした、トラブルの未然防止につながった改善ですね!
これによって転倒する、あるいは道具を落下させるリスクが減少しました。
おそらく他の作業者も感謝していると思います。危ない箇所を発見してくれてありがとうございました。
そのうえで、さらに怪我のリスクを減少させるために、周囲を見渡して危険個所をさがしてみてください。
できれば職場の皆さまで協力することで、どんなささいなことでもかまわないので、このような箇所があったら教えて欲しいと伝えてみてください。
そしてその情報をリスト化したうえで、どんどんとこのような危険個所を減らす改善を積み重ねることができます。
ぜひあなたのさらなる改善報告を楽しみにお待ちしています。
5S改善評価:合計60点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 60点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:台車などの足が引っ掛かる危険な箇所をなくし、転倒や道具を落下させるリスクを減らした。作業場を通るすべての人に効く安全面の成果であり、「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:隙間を同じサイズの鉄板でふさぐという方法は、段差・隙間対策としてよく見られるタイプの改善。一方で、見慣れた隙間を「危険」として見つけ出した気づきは評価できる。方法としては「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:隙間に合わせて同じサイズの鉄板を作成する必要があり、寸法の確認と鉄板の作成という手間がかかっている。数分で終わる改善ではないため、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:引っ掛かりの原因である隙間そのものを無くしており、「気をつけて通る」に頼らない構造での解決になっている。専門家コメントでも「トラブルの未然防止につながった改善」とされている。発生源を抑え、再発しにくい改善と評価する。鉄板のずれや摩耗を防ぐ点検まで仕組みにできれば、さらに上を狙える。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:今回は1か所の隙間をふさいだ改善で、危険箇所を見つけて報告する仕組みや、鉄板の状態を点検するルールについては、改善報告に記載がない。ルールが未整備の段階と判断する。危険箇所のリスト化と定期点検を標準化すれば、レベルアップできる。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計60点のこの事例は、Bランクの上位にいます。特に次の点をしっかり評価したいと思います。
- 見慣れた隙間を「危険」として見つけた。毎日通る場所の小さな異常は、見過ごされやすいものです。そこに気づいたことが、何よりの成果です
- 「気をつける」ではなく、隙間そのものを無くした。注意を呼びかけるのではなく、原因を構造で取り除いています
- 清潔レベルがA(16点)。専門家も「トラブルの未然防止につながった改善」と評価しています
あと6点でAランク。習慣を2段階上げる
合計60点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと6点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。B(12点)までだと+4点で64点なので、あと一歩足りません。専門家が提案している「危険個所を皆で探してリスト化し、改善を積み重ねる」流れを、職場のルールとして決めるところまで進めたいところです。
| 上げ方 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | 60点 | B |
| 習慣をBに | B(12点) | 64点 | B |
| 習慣をAに | A(16点) | 68点 | A |
「つまずいてから直す」を、「つまずく前に見つける」へ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。台車が引っ掛かったり、人がつまずいたりしてから直すのは「後追い」です。今回の改善は、その一歩手前で隙間を無くした点で、未然防止の考え方に沿っています。次は、この1か所の改善を、職場全体で危険箇所が見つかり続ける仕組みに広げることです。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 他の場所の隙間・段差に気づかないまま使い続ける | 職場の皆で危険箇所を探し、リスト化して順に改善する(専門家の提案) |
| 気づいた人がいても、情報が集まらない | どんなささいなことでも書き込める危険箇所の報告欄を、作業場に置く(例) |
| 入れた鉄板がずれて、また隙間ができる | 鉄板の固定方法を決め、点検項目に「鉄板のずれ・浮き」を入れる(例) |
| 鉄板の摩耗・変形に気づかない | 月1回など点検日を決め、交換の目安を文章にする(例) |
鉄板の固定や交換など、設備・安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。危険箇所を見つける目が職場の皆に広がれば、清潔・習慣レベルがそろって上がり、Aランクも十分に射程内です。
関連する5S活動の事例
同じ工場の工具・置き場に関する、Aランクの事例です。



