この事例は、溶接機の水漏れを部品交換で止め、生産中の床掃除をなくした清掃事例で、専門家評価はBランク(52点)。汚れの発生源を断った点が光る。あと14点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃(発生源対策) |
| 改善場所 | 設備 |
| 改善対象 | 設備(溶接機) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 水漏れがなくなり、生産中に頻繁に行っていた床掃除の手間が省けた |
改善前の状態(Before)
溶接機から水漏れがあり、生産中に何度も床を掃除しなければならない状態でした。掃除をしている間は作業が止まるため、作業が非効率になっていました。床に水がたまることで、作業環境の悪化にもつながっていました。

改善内容(After)
水漏れしていた溶接機の部品を交換し、水漏れそのものを止めました。漏れが止まったことで、床を拭く必要がなくなり、掃除の手間が省けました。
床を「きれいに拭く」のではなく、床が「汚れないようにする」。清掃の改善として、汚れの発生源に手を打った事例です。

専門家コメント
溶接機からの水漏れにより、生産中に頻繁に掃除をする必要があり、作業が非効率的だった問題点を、部品交換にて水漏れを止めた改善ですね。
溶接機からの水漏れを止めることで、生産中の掃除時間を削減し、生産性を向上させることができ、さらに、水漏れによる水たまりや湿気による作業環境の悪化を防ぎ、安全で快適な作業環境を実現した素晴らしい改善だと感じました。
改善活動ご苦労さまでした。
ただ、水漏れしていた装置をそのまま使い続けていたという点には、改善余地がありそうですね。
今後も水漏れが発生する可能性はありますので、水漏れの原因究明をしていただき、定期的な設備の点検のルール化や水漏れ発生時の対応手順の明示など、さらなる改善を期待しています。
引き続き、がんばってまいりましょう!!
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 14点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | B | 10点 |
| (4)清潔レベル | B | 13点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(14点)
理由:生産中に頻繁に行っていた床掃除がなくなり、作業の中断が減った。さらに、水たまりや湿気による作業環境の悪化を防ぎ、安全面にも効果が及んでいる。ただし、削減できた時間の数値が改善報告にないため、帯の下側に置く。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:水漏れを部品交換で止めるのは、設備の不具合に対する基本的な対処。発想としては多くの現場で見られるものだが、「掃除を続ける」のではなく「漏れを止める」ほうを選んだ判断は評価できる。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(10点)
理由:水漏れの箇所を見つけ、交換する部品を特定して取り替えるには、一定の手間がかかる。ただし、所要時間や作業の内容が改善報告にないため、帯の下側に置く。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(13点)
理由:汚れ(床の水)の発生源である水漏れを止めており、同じ状況での再発は起きにくい。一方で、専門家の指摘どおり水漏れの原因究明はこれからで、今後も水漏れが発生する可能性が残る。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:部品交換で水漏れを止めた段階で、定期点検のルールや、水漏れが起きたときの対応手順はまだ整っていない。今回の良いやり方を標準にする仕組みは、これからの段階。「ルール未整備」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、清掃の改善として大切な考え方を、そのまま形にしています。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「拭く」から「汚さない」へ切り替えた。床を何度も拭き続けるのではなく、水漏れという汚れの発生源そのものを止めました
- 効果が掃除の時間にとどまらなかった。生産中の作業の中断が減っただけでなく、水たまりや湿気による作業環境の悪化も防ぎ、安全で快適な職場に近づきました
- 清潔レベルがB(13点)。発生源に手を打ったことで、同じ状況なら再発しにくい状態を作れています
毎日のように床を拭いていると、それが「当たり前の作業」になってしまいがちです。その当たり前を疑い、「そもそも、なぜ床が濡れるのか」に目を向けたことが、この改善の出発点です。
あと14点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。1つの項目だけでは届かないため、専門家が挙げた「原因究明」「点検のルール化」「対応手順の明示」で、清潔と習慣の2項目を上げることを考えます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(13点) | C(6点) | 52点 | B |
| 点検ルールと対応手順を標準にする | B(13点) | A(16点) | 62点 | B |
| さらに原因を究明し、再発しない形にする | A(17点) | A(16点) | 66点 | A |
習慣をAまで上げても62点で、あと4点足りません。水漏れの原因を突き止めて、再発しにくい形まで進めることで、Aランクに届きます。
「また水が漏れる」を、起きる前に防ぐ
漏れてから部品を替えるのは、まだ「後追い」の対応です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見る」に頼らず、漏れる前に気づき、漏れても慌てない形にしておくことが次の一歩です。専門家のコメントをもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 原因が分からないまま、同じ水漏れが再発する | 水漏れの原因を究明し、交換した部品と原因を記録に残す |
| 部品の劣化に気づかず、漏れてから分かる | 点検の項目・頻度・担当を決め、定期的な設備の点検をルールにする |
| 漏れ始めに気づくのが遅れる | 点検時に設備の下の床を確認する項目を入れ、漏れを早く見つける(例) |
| 漏れたときの対応が人によって違う | 水漏れ発生時の対応手順を明示し、設備の近くに掲示する |
溶接機は設備・安全に関わるため、点検の内容や対応手順は、設備・安全の担当者と確認しながら決めてください。水漏れしていた装置を使い続けることがないよう、「気づいたらすぐ止める」形を職場全体で共有できれば、清潔・習慣の両方が一段上がります。
関連する5S活動の事例
設備まわりの清掃・習慣に関する事例です。



