この事例は、ハンドスプレーの補充用の油を事前に準備し、往復40歩の移動をなくした整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。段取りがスムーズになった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(潤滑剤・スプレー) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 段取りをスムーズに行うため、40歩が0歩に。1日40歩×5回=200歩、月10回で2000歩、1カ月あたり2000円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
ハンドスプレーを補充するたびに、油を取りに往復40歩も移動していました。補充は何度も繰り返す作業なので、この移動が段取りの流れを止めていました。

改善内容(After)
油を事前に準備する工夫で、補充のための移動を0歩にしました。

専門家コメント
改善前はハンドスプレーの補充のたびに往復40歩も移動していた状態から、事前に油を準備する工夫によって移動距離を0歩にした改善ですね。
移動が減ることで作業効率が高まり、作業者の負担も軽くなる素晴らしい改善です。気づきと実行に感謝します、ありがとうございました。
さて次に考えてもらいたいのは、この事前準備を「誰がいつやるのか」というルールを明確にできるか? という点です。当番制にする、作業開始前に必ず準備する、準備した状態を写真で掲示する、など。ルール化と見える化ができれば、どんな人が作業しても安定した効率の良い状態を維持できます。
この一歩先の“清潔”レベルへの改善に、ぜひチャレンジしてみてください。あなたの次なる改善報告を楽しみに待っています。
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | D | 4点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:往復40歩の移動をなくしたことで、作業効率が向上し、作業者の負担も軽減されています。時間のムダが減るだけでなく、「補充しないといけない」という心理的負担も軽減された点で、実用性の高い成果といえます。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「事前に準備する」という発想自体は一般的ですが、“移動距離”という数字でムダに気づき、それをゼロにしたという行動力が評価ポイントです。発想は標準的でも、実行された現場対応としての工夫に価値があります。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:今回の改善は準備物をあらかじめ近くに置くだけの対応と考えられ、作業自体は5~15分以内の範囲で完了可能と思われます。改善実施にかかる労力の観点から、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:油の事前準備によって、補充中にこぼれる、あふれる、容器が汚れるといった問題を減らす効果はありますが、まだ「状態を維持する仕組み(点検や補充ルール)」が見えないため、再発防止策としてはやや不十分と評価します。改善の効果を継続させるための清掃・点検ルールの導入でB評価に届きます。
(5)習慣(しつけ)レベル:D(4点)
理由:今回の改善は個人の気づきによるものであり、「誰が、いつ準備するか」「どうやって維持するか」というルール化がまだされていないと推察されます。このままでは属人的な改善で終わってしまうため、当番制・写真表示・標準化シートなどの導入で評価向上が可能です。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計48点のこの事例は、Bランクの入口にいます。点数は伸びしろが大きい状態ですが、まず評価できる点をしっかり挙げておきます。
- 移動を「歩数」という数字で捉えた。目に見えるムダを数字にして、40歩をゼロにしました
- 段取りの流れを止めていた移動をなくした。作業者の負担も、「補充しないといけない」という心理的な負担も軽くなっています
- 成果がA(16点)。実用性の高い成果だと専門家が評価しています
あと18点でAランク。習慣と清潔を一緒に上げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。成果・独自性・難易度は変えなくても、清潔レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点、習慣(しつけ)レベルをD(4点)からA(16点)に上げると+12点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。習慣はD(4点)が最も低いため、ここを上げるのが最大の近道です。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | D(4点) | 48点 | B |
| 習慣をBに | C(8点) | B(12点) | 56点 | B |
| 清潔をA、習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
「準備されていない」を、起きる前に防ぐ
油の事前準備は、誰かが準備して初めて成り立ちます。気づいた人がやる、という運用だと、いつか準備されない日がきます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて準備する」に頼らず、手順と表示で防ぐ形を考えます。次の表は専門家のアドバイスをもとにした例です。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 準備する人が決まっておらず、準備されない | 当番制にする、または作業手順に「作業開始前に準備する」を組み込む |
| 準備できているか分からない | 準備した状態を写真で掲示し、見える化する |
| 補充中にこぼれる、あふれる、容器が汚れる | 油の補充チェックリストを導入し、清掃・点検のルールを決める |
| 他の人が使いにくい | ラベルや定位置管理で、誰でも使いやすく整頓する |
油の取り扱いに関わる変更は、安全の担当者と確認しながら進めてください。当番や写真の掲示が全員の標準になれば、習慣(しつけ)レベルも大きく上がります。
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