【無料】5S活動ポスター4種を登録不要でダウンロード|スローガン例と掲示の事例12選

月の初めに、工場の壁へ新しい5Sのスローガンを貼った。立派なポスターもできた。ところが1か月たっても、通路の物は減っていないし、工具は相変わらず探している。皆さんの職場にも、そんな経験はありませんか。スローガンやポスターを作ること自体は、決して悪いことではありません。ただ、貼っただけで現場が変わることは、ほとんどないのです。

この記事は、5Sの担当になってスローガンやポスターを作ろうとしている方と、掲示物を貼ったのに効果が出ないと感じている方に向けて書いています。結論を先に言うと、スローガンやポスターは入口です。評価を分けるのは、掲示を見た人の行動が変わるかどうかです。何を、どこに、いくつ置くのか。いつまでに、誰が、次に何をするのか。そこまで書いてある掲示は、言葉が短くても現場を動かします。

この記事では、まず、5S-CONCEPTが作った掲示用の5Sポスター4種を、無料で配布します。メールアドレスの登録は不要で、A2サイズのPDFをそのままダウンロードできます。続いて、整理・整頓・清掃・清潔・習慣(しつけ)ごとのスローガンの作例と、ポスターの作り方を紹介します。作例はすべて5S-CONCEPTが作ったもので、他社や他のサイトの標語を集めたものではありません。後半では、5S-CONCEPTの事例データベースから、看板・掲示板・ボードの改善事例を、Aランク1件・Bランク3件・Cランク8件の合計12件選び、専門家評価の理由とあわせて紹介します。

読み終える頃には、自分の職場の掲示物の中で、どれが「飾り」になっていて、どれが「行動を変える掲示」なのかが、見分けられるようになるはずです。工場の事例は工場の5S改善事例14選、オフィスの事例はオフィスの5S改善事例14選、倉庫の事例は倉庫の5S改善事例14選、低コストの工夫は5S活動の100均アイデア12選で紹介しています。5S活動そのものの意味・進め方から確認したい方は、5S活動とは?意味・目的・進め方7ステップ・続かない理由と直し方を製造現場目線で解説を先にご覧ください。

目次

【無料ダウンロード】5S活動のポスター4種|A2サイズ・登録不要

5S-CONCEPTでは、職場に貼ってすぐ使える5Sのポスターを4種類作りました。メールアドレスの登録は要りません。下のリンクから、A2サイズのPDFをそのままダウンロードできます。どのポスターも、きれいな言葉を並べるだけでなく、読んだ人が次に何をすればよいかが分かるように作っています。

1. 5Sの基本|整う現場は、美しい。

5Sポスター01 5Sの基本「整う現場は、美しい。」整理・整頓・清掃・清潔・習慣(しつけ)の意味

整理・整頓・清掃・清潔・習慣(しつけ)の5つを、それぞれ一言で示したポスターです。整理は「必要なものを選ぶ」、清潔は「不要品・乱れ・汚れを未然に防ぐ」、習慣(しつけ)は「決めたことを習慣にする」と、当社の5Sの定義に合わせています。最後の一言は「今日、ひとつ整えよう。」です。5Sを始めるときの朝礼の場所や、工場の入口に向いています。ポスター01「5Sの基本」をダウンロード(PDF・A2・4.7MB)

2. 整頓|探さない。すぐ使える。

5Sポスター02 整頓「探さない。すぐ使える。」置き場を決める・名前と数を示す・使ったら戻す

工具の形に合わせた置き場の写真とともに、整頓の3つの手順を示したポスターです。「置き場を決める」「名前と数を示す」「使ったら戻す」。最後の一言は「戻すまでが、作業です。」です。この記事の後半で紹介する事例でも、名前と数を書いた掲示ほど評価が高くなっていました。工具置き場や部品棚のすぐ近くに貼ってください。ポスター02「整頓」をダウンロード(PDF・A2・3.0MB)

3. 清掃|清掃は、点検だ。

5Sポスター03 清掃「清掃は、点検だ。」汚れ・油漏れ、ゆるみ・傷みを確認し、異常は記録して共有

清掃を「きれいにする時間」から「異常に気づく時間」に変えるためのポスターです。「汚れ・油漏れを確認」「ゆるみ・傷みを確認」「異常は記録して共有」の3つを示しています。設備の清掃・点検は、停止と安全の確認をしたうえで、現場の手順に従うという注意書きも入れています。最後の一言は「小さな気づきを、次の改善へ。」です。設備のそばに貼ってください。ポスター03「清掃」をダウンロード(PDF・A2・3.1MB)

4. 清潔|清潔の本質は、未然防止。

5Sポスター04 清潔「清潔の本質は、未然防止。」整理・整頓・清掃の目指す状態と、その手前の一手

当社が5Sの中で最も大切にしている「清潔=未然防止」を伝えるポスターです。整理・整頓・清掃のそれぞれについて、目指す究極の状態と、その手前で打つ一手を並べています。たとえば整頓なら、目指す状態は「決して乱れることのない職場」、手前の一手は「仮置き・戻し間違いが起きない置き場を設計する」です。最後の一言は「その瞬間を想像し、起きる前に手を打つ。」です。改善報告を貼る掲示板の横に貼ると、次の改善を考えるきっかけになります。ポスター04「清潔」をダウンロード(PDF・A2・4.3MB)

4枚とも、A2サイズで作っています。A3やA4に縮小して印刷することもできますが、小さな文字が読みにくくなる場合があるので、印刷して確かめてから貼ってください。そして、ここからがこの記事の本題です。ポスターは、貼るだけでは現場を変えません。次の章から、どうすれば掲示が「行動」につながるのかを、当社の事例で見ていきます。

5Sのスローガン・ポスターが「貼って終わり」になりやすい理由

5S-CONCEPTでは、これまでの記事でも繰り返し、「スローガンを壁に貼ったり、人の記憶と気合いに頼るやり方だけなので、多くの職場で5S活動は元に戻ってしまう」とお伝えしてきました。人は忙しければ忘れますし、毎日見ている掲示物は、いつの間にか風景になります。では、なぜ多くの掲示物が「貼って終わり」になってしまうのでしょうか。事例を見ていくと、理由は大きく3つに分けられます。

1つ目は、行動が書かれていないことです。「整理整頓を心がけよう」「みんなでキレイな職場に」という言葉は、気持ちは伝わりますが、読んだ人が次に何をすればよいのかが分かりません。2つ目は、場所と数がないことです。「ここに何を、いくつ置くのか」が書かれていない掲示は、守れたかどうかを誰も判断できません。3つ目は、更新されないことです。貼った日から情報が古くなり始め、半年前の掲示物が重なって、肝心の情報が埋もれてしまいます。

よくある掲示何が足りないか行動が変わる掲示に直すと
「整理整頓を心がけよう」読んだあとの行動「使う日が言えない物は、赤札へ」
「工具は元に戻そう」場所と数工具ごとの定位置と本数を、置き場に書く
「在庫切れに注意」判断の基準「この線まで減ったら発注」と数を書く
何年も前の掲示物更新の決まり掲示物に使用期限と担当者を書く

この表の右の列は、どれも特別な道具を使っていません。足したのは、言葉の具体さと、決めごとです。後半で紹介する12件の事例でも、評価が分かれたのは、この「具体さと決めごと」があるかどうかでした。見える化の考え方をさらに詳しく知りたい方は、【5S活動 見える化編】工場のミスを減らす具体的な改善事例10選と作業標準化の進め方もあわせてご覧ください。

5Sのスローガン例|整理・整頓・清掃・清潔・習慣ごとの作例

ここでは、5S-CONCEPTが作ったスローガンの作例を、5つのSごとに紹介します。どれも、読んだ人が次に何をすればよいかが分かるように、短く、動きの見える言葉にしました。当社の5Sの定義では、5つ目のSを「習慣(しつけ)」としています。そのまま使うより、自分の職場の言葉に直して使っていただく方が、現場に根づきやすいと思います。

5Sスローガンの作例ねらい(読んだ人がすること)
整理使う日が言えない物は、赤札へ。使う予定のない物に札を付け、処分を判断する
整理1か月使わない物は、ここに置かない。置き場に残す物の基準を、期間で決める
整頓ここに、何を、いくつ。置き場ごとに品名と数を決め、表示する
整頓戻す場所が、ひと目で分かる。定位置の線や形を示し、戻し間違いをなくす
清掃拭きながら、異常を見つける。清掃の時間に、ゆるみ・漏れ・傷を確かめる
清掃清掃は、点検の時間。見つけた異常を記録し、担当に伝える
清潔元に戻らない仕組みを、ひとつ足す。同じ汚れや乱れが起きない対策を考える
清潔汚れは、出どころで止める。拭くより先に、汚れの原因を探して止める
習慣(しつけ)誰がやっても、同じ結果に。やり方を決め、担当が変わっても同じにする
習慣(しつけ)決めたことを、決めたとおりに。決めごとを守れているか、みんなで確かめる
5S全体当たり前を、当たり前に。当たり前のことを続けられるチームをつくる

最後の「当たり前を、当たり前に。」は、5S-CONCEPTが大切にしている言葉です。5Sは、当たり前のことを当たり前にできるチームをつくる活動だと、当社は考えています。

スローガンを自分たちで作るときは、次の3つを意識すると、行動につながりやすくなります。

  1. 最後を動きの言葉で終える(「〜へ」「〜を決める」「〜を見つける」)
  2. 場所や数を入れる(「ここに」「いくつ」「1か月」)
  3. 掲示する場所を、その行動をする場所の近くにする

ポスターにするときは、スローガンの言葉だけでなく、その場所の「良い状態」の写真を1枚添えると、言葉と見本がそろいます。改善前と改善後の写真2枚と、ひとことの説明で報告書を作り、掲示板で見える化する方法は、5S活動報告書の書き方|写真2枚とひとことで残し、掲示板で見える化すると、5Sが続くで詳しく紹介しています。

掲示・看板の改善事例12件の評価早見表

ここからは、5S-CONCEPTの事例データベースにある、看板・掲示板・ボードの改善事例を見ていきます。評価には、当社が独自に採点しているS〜Dの5段階評価をそのまま使います。成果の大きさ・改善の独自性・改善の難易度・清潔レベル・習慣(しつけ)レベルの5項目を、それぞれS=20点・A=16点・B=12点・C=8点・D=4点で採点し、合計81点以上がSランク、66〜80点がAランク、46〜65点がBランク、31〜45点がCランク、30点以下がDランクです。5S-CONCEPTの評価基準による採点で、公的な認証や第三者機関の格付けではありません。

清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」、習慣(しつけ)レベルの最高位は「誰が担当しても同じ結果になる標準化」です。掲示物の改善は、この2項目で評価が分かれやすい傾向があります。貼っただけなのか、それとも貼ったあとに守られ、更新される仕組みがあるのかが、点数の差になって表れるからです。

まずは12件を一覧で見てみましょう。効果の数値は、各改善報告に記載された試算をそのまま載せています。点数の記載がない事例は、点数の内訳が元の記録にないもので、ランクだけを載せています。

ランク改善内容掲示の種類効果点数
A油ごとの定数と予備数の看板を掲示看板1日平均150秒×月3日で月450秒(450円)削減68点
B在庫管理ボードに「注文中」の表示ボード1日平均10秒×月20日で月200秒(200円)削減56点
B外出先看板をつくる看板人を探して待つムダを削減(数値は本文で説明)非公開
B行き先ボードに帰社時間とマーカー置き場ボード4秒×20日で80秒削減非公開
C設備の下に専用の掲示板をつくる掲示板1日平均2秒×月20日で月40秒削減非公開
C掲示板代わりのクーラーの張り紙を整理掲示板不要な張り紙を廃棄(数値記載なし)非公開
C書庫の掲示物を整理掲示物掲示物を整理整頓(数値記載なし)非公開
C高い棚に現品票を付ける現品票1回約10秒短縮(月2〜3回)非公開
C組立工場の入口の上に看板看板見学の際に一目で分かる(数値記載なし)非公開
C設備の上に「物を置かない」看板看板機械の上に物を置かなくなった(数値記載なし)非公開
C外出先の名前をマグネットに書くボード1日平均2秒×月20日で月40秒(40円)削減非公開
C生産指示看板の納期欄を手書きに看板1日平均約5分短縮非公開

「点数:非公開」の10件は、5項目の点数内訳が元の改善報告に記録されておらず、専門家コメントとランクだけが残っている事例です。一覧を見ると、Aランクの看板には「定数」「予備数」という数が書かれ、Bランクのボードには「注文中」「帰社時間」という次の行動に必要な情報が書かれています。次の章から、1件ずつ詳しく見ていきます。

Aランク1選|「定数」と「予備数」を書いた看板で発注漏れを防ぐ

今回の12件で唯一のAランクは、看板にスローガンではなく「数」を書いた事例です。見た人がその場で「足りているか」「発注が必要か」を判断できるようにした点が、評価のポイントになりました。

1. 油置き場に、油ごとの定数と予備数の看板を掲示する(材料/部品)

改善前は、油置き場に最大容量をまとめた掲示はあったものの、定数(いつも置いておく量)が決まっていませんでした。そのため発注漏れが多く、生産を止めなければならないこともありました。そこで、油の種類ごとに定数と予備数を決め、看板を作って掲示しました。1日平均150秒の短縮が月に3日あり、1か月あたり450秒(450円)の削減です。評価は成果A・独自性B・難易度B・清潔A・習慣Bの合計68点でAランクです。専門家は、担当者の感覚や判断に頼った発注では、気づかないうちに過剰在庫が積み上がり、スペースのムダやコストの増加につながると指摘したうえで、誰が見ても適正な在庫が一目で分かる仕組みが整ったと評価しています。また、次回の納入予定日を知らせる看板を足し、発注のタイミングまで見えるようにした点も、優れた取り組みだとしています。そのうえで次の一歩として、在庫が定数を下回ったときに発注のきっかけとなるサインを看板に組み込むこと、ほかの消耗品や副資材の管理にも横展開することを挙げています。元の改善事例を見る

この事例が教えてくれるのは、掲示物の価値は、言葉の立派さではなく、見た人が判断できる情報の量で決まるということです。「在庫切れに注意」と書いた紙を貼っても、どこまで減ったら発注するのかは分かりません。定数と予備数という数を書いたことで、看板そのものが判断の道具になりました。Sランクに近づくには、専門家の言うとおり、数を下回ったら自然に発注が動き出す「きっかけ」まで、看板に持たせることが必要です。

Bランク3選|あと一歩で上がる「惜しい」を言語化する

Aランクの事例は、真似したくなる完成度です。ですが実際の現場でよく出会うのは、むしろこのBランクの改善ではないでしょうか。3件とも、見える化はできています。あと一歩は、その表示をどう守り、どう更新するかの決めごとでした。

1. 在庫管理ボードに「注文中」の表示を足す(情報)

改善前は、テープの在庫管理ボードで発注ラインは見えるものの、実際に発注したかどうかが分かりにくく、発注漏れが起きていました。そこで、在庫管理ボードに「注文中です」の表示を足し、色分けしたマグネットで注文状況が一目で分かるようにしました。発注カードを貼り付けて持ってきてもらう流れにして、確認作業がなくなりました。1日平均10秒の短縮が月に20日あり、1か月あたり200秒(200円)の削減です。評価は成果A・独自性B・難易度C・清潔B・習慣Cの合計56点でBランクです。専門家は、発注漏れという重大なミスを防ぐ仕組みづくりに感謝し、誰が見ても判断しやすくなった点を評価しています。そのうえで次に考えてほしいこととして、「注文中」の表示をどのルールで管理するかを挙げています。注文したあと何日後に確認するのか、納期をどう確かめるのか、誰が担当するのか。ルールがあいまいだと、せっかくの表示も活かしきれなくなるからです。見える化したあとに、それをどう管理するかを決めることが、5Sの「清潔」につながると述べています。元の改善事例を見る

2. 外出先看板をつくり、人を探して待つムダを減らす(情報)

作業の担当者が外出していても、どこにいるのかが分からず、帰るまで待たなければならない状態でした。外出先を書く看板をつくり、いつでも連絡が取れるようにしました。専門家評価はBランクです。専門家は、人を探す時間と待つ時間を減らし、生産性を上げた良い改善だと評価しています。そのうえで次の一歩として、この看板の横展開を挙げています。必要な人が見つからずに作業が止まるムダは、工場の中ではぜひなくしたいムダです。それぞれの作業者が持ち場を離れるときにも同じ看板を運用すれば、広い工場の中で人を探すムダをなくせると述べ、人の動きの見える化に挑戦してほしいと結んでいます。なお、この事例の元の記録は、効果の数字の書き方に食い違いがあるため、本記事では数値を載せていません。点数の内訳も元の記録にありません。元の改善事例を見る

3. 行き先ボードに帰社時間とマーカーの置き場を足す(情報)

以前に作った行き先ボードを、さらに改良した事例です。行き先だけでなく帰社時間も書けるようにし、記入に使うマーカーの置き場も決めました。マーカーを取りに行く時間が減り、4秒×20日で80秒の削減です。専門家評価はBランクです。専門家は、帰社時間が分かることで在席・不在の状況がより正確に分かり、引き継ぎや連絡がスムーズになると評価しています。マーカーの置き場を決めたことで、使いたいときにすぐ使え、書き忘れや書き間違いの防止にもつながるとしています。そのうえで、行き先の見える化のポイントとして、誰でもすぐに分かる表示にすることと、書くルールをはっきりさせて全員で守ることを挙げています。たとえば「外出前に記入する」「帰社したらすぐ消す」といったルールを決め、定期的に運用の状況を確かめることをすすめています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

Cランク8選|貼ったあとに足したいこと

Cランクの8件は、掲示板をつくる、看板を付ける、古い張り紙をはがすといった、掲示の基本に手を付けた事例です。専門家の「次の一歩」を読むと、ほとんどが「貼ったあと、どう更新し、どう守るか」を宿題にしています。ここが、ポスターやスローガンが「貼って終わり」になるかどうかの分かれ目です。

1. 設備の下に専用の掲示板をつくり、掲示物の定位置を決める(書類)

書類や掲示物を貼る場所が決まっておらず、必要な情報を探す必要がありました。設備の下に専用の掲示板を設け、書類や掲示物の定位置を決めました。1日平均2秒の短縮が月に20日あり、1か月あたり40秒の削減です。専門家評価はCランクです。専門家は、必要な情報がすぐに見つかるようになり、探す手間が減ったと評価しています。そのうえで次に考えたいこととして、掲示物の「更新」と「整理」を挙げています。古い情報が残ったままだと、必要な情報が埋もれてしまうからです。たとえば、掲示物の定期点検を予定に組み込むことや、掲示物に「使用期限」を書いて情報の鮮度を保つこと、よく使う書類を上の方に配置して誰にとっても見やすくすることをすすめています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

2. 掲示板代わりのクーラーから、不要な張り紙をはがす(工具/備品)

使っていないクーラーを掲示板として使っていましたが、不要な張り紙が残り、長年の汚れもひどい状態でした。不要な張り紙を捨て、汚れを拭き取りました。専門家評価はCランクです。専門家は、古い情報を更新して最新の情報を掲示しておくことはとても大切だと評価しています。そのうえで、掲示板の使い方のルールを決めることを求めています。写真ではいろいろな情報が雑多に貼られているので、掲示板の中を情報の種類ごとに区切り、貼るべき場所に貼るようにすること。さらに、区切った場所ごとに担当者を決めて、貼り替えのルールも決めておけば、掲示板にはいつも最新の情報が載るようになると述べています。また、使わないクーラーがなぜ置いたままなのかにも目を向け、移動して場所を有効に使うこともすすめています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

3. 書庫の掲示物を整理し、古い情報を外す(書類)

注文書の書庫で、掲示物の整理整頓を行った事例です。専門家評価はCランクです。専門家は、問題に気づいて自分の手で改善した行動を評価しつつ、考え方を次の段階へ進めてほしいと述べています。掲示板の目的は情報の共有です。それなのに整理が必要だったということは、共有している情報が古かったのか、そもそも必要な情報ではなかったのか、長い間手入れがされていなかったのか、のいずれかが原因のはずです。その原因を改善しない限り、半年ほどたつと、また同じ改善報告が上がってくることになると指摘しています。本当に必要な情報は何か、それをどう更新していくのか、情報の鮮度を保つためにどんな仕組みを回すのが良いのかを考え、対策を打ってほしいとしています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

4. 高い棚に現品票を付け、リフトに乗ったまま確認する(仕掛品)

以前は、高い位置の棚にある品物を確かめるために、リフトを降りたり、パレットを一度降ろしたりする必要がありました。高い位置の棚に現品票を取り付け、リフトに乗ったまま確認できるようにしました。現品票の様式も簡単にして、必要な情報を見やすくしています。1回あたり約10秒の短縮で、月に2〜3回発生します。専門家評価はCランクです。専門家は、日々の作業をよく観察した改善だと評価しています。そのうえで次に考えてほしいこととして、現品票がきちんと維持され、情報が更新される仕組みを挙げています。現品票の状態を定期的に確かめるルールや、更新のタイミングを共有する仕組みを作ると、さらに精度が上がるとしています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

5. 組立工場の入口の上に看板を付ける(工場上部)

組立工場の入口の上に看板を付け、工場見学の際に、ここが組立ラインだと一目で分かるようにしました。専門家評価はCランクです。専門家は、訪問者がすぐにラインを見分けられるようになり、分かりやすさと安全性が上がったと評価しています。そのうえで、工場の他の場所にも同じ取り組みを広げられないかを考えてほしいと述べています。たとえば、作業エリアごとに機能や目的を示すこと、安全通路や非常口の表示を見直すこと、操作方法や注意点を書いた指示板を付けることです。訪問者だけでなく、新しく入った人や応援に来た人にも分かりやすい職場を目指してほしいとしています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

6. 設備の上に「物を置かない」看板を付ける(廃棄物)

設備の上に、さまざまな物が置かれたままになっていました。「物を置かない」という看板を付けて、新しいルールにしました。機械の上に物を置かなくなりました。専門家評価はCランクです。専門家は、看板によって設備の上に物を置くことはなくなるだろうと評価しつつ、写真を見ると周りもかなり乱れていると指摘しています。看板で禁止するだけで終わらせず、なぜ5Sが必要なのかを全員でひもとき、共有してほしいと述べています。禁止の看板は、すぐにできる一歩です。ただ、なぜ物が置かれてしまうのか、置きたくなる物の置き場がほかにあるのかまで考えなければ、看板の届かない場所で同じことが起きてしまいます。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

7. 外出先の名前をマグネットに書いて貼る(情報)

持ち場を離れるとき、外出先を手書きで書いていました。あらかじめ外出先の名前をマグネットに書いておき、外出するときはそれを貼るだけにして、手書きの手間を省きました。1日平均2秒の短縮が月に20日あり、1か月あたり40秒(40円)の削減です。専門家評価はCランクです。専門家は、決まっている内容を前もって準備しておき、あとの手間を省いた良い改善だと評価しています。そのうえで、写真を見ると出発時間はまだ手書きのようなので、時間も書かずに済む工夫を提案しています。たとえば、針を回すだけで時間を示せる時計の模型を使う方法です。また、出発時間よりも、戻る予定の時間を書いておくと、その場所を訪れた人への優しいメッセージになると述べています。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

8. 生産指示看板の納期欄を手書きにする(情報)

生産指示の看板(カンバン)にある納期の指示を、パソコンで入力していました。納期は変更が多いため、手書きで書き換えられるようにしたところ、1日平均で約5分の作業短縮につながりました。専門家評価はCランクです。専門家は、現場にパソコンやプリンターがない職場では、事務所まで移動するムダも生じるため、手書きで修正できるのは便利だと評価しています。そのうえで、さらに進めるなら、手元のスマートフォンから現場で指示書を印刷できるようにする方法もあると述べています。掲示物を「更新しやすい形」にすることも、貼って終わりにしないための大事な工夫です。この事例は点数の内訳が元の記録にありません。元の改善事例を見る

12件から見える、掲示を「行動」につなげる3つの視点

ここまで12件を見てきて、気づいたことはありませんか。看板やボードを作るところまでは、どの事例もできています。評価が分かれたのは、そこに何を書き、貼ったあとにどう扱うかでした。専門家の「次の一歩」を並べると、次の3つの視点に整理できます。

視点Cランクに多い状態A・Bランクに多い状態
判断できる情報を書く「物を置かない」など、お願いや禁止の言葉だけ定数・予備数・注文中・帰社時間など、見た人が判断できる情報がある
更新の決まりを持つ貼ったきりで、使用期限や担当者が決まっていない表示を変えるきっかけや、確かめる流れが見えている
見たあとの行動を決める見れば分かるが、次に何をするかは人任せ減ったら発注する、外出先へ連絡するなど、次の行動につながる

面白いのは、この3つはどれも、立派なポスターや高価な掲示板を必要としないということです。必要なのは、言葉を具体的にすることと、決めごとをひとつ足すことでした。スローガンも同じです。「整理整頓を心がけよう」を「ここに、何を、いくつ。」に変えるだけで、読んだ人の行動が変わり始めます。

自分の職場の掲示物を見直すとき、次のことを確認してみてください。

  • ☐ その掲示物を読んだ人が、次に何をすればよいか分かるか
  • ☐ 場所・品名・数・期限など、守れたかどうかを判断できる情報が書いてあるか
  • ☐ 掲示物に使用期限と担当者があり、古くなったら貼り替える決まりがあるか
  • ☐ 掲示物が、その行動をする場所の近くに貼ってあるか

4つとも「はい」と言えれば、その掲示物は、Aランクの水準に近いということです。

よくある質問

ここまで読んで、皆さんの中に浮かびやすい疑問を5つにまとめました。無料ポスターの使い方、スローガンの作り方、掲示物の扱い方の順にお答えします。

この記事のポスターは、無料で使えますか

はい。この記事で紹介した5Sのポスター4種は、メールアドレスの登録なしで、無料でダウンロードできます。A2サイズのPDFなので、そのまま印刷して職場に掲示してください。貼るときは、この記事でお伝えしたとおり、そのポスターの内容に関係する行動をする場所の近くを選ぶと、ただの飾りになりにくくなります。

5Sのスローガンは、誰が考えるのがよいですか

5Sの担当の方がひとりで考えるより、その場所で実際に働く人と一緒に考える方が、守られやすいスローガンになります。この記事の作例をたたき台にして、「この職場なら、どう言うか」を話し合ってみてください。自分たちで決めた言葉には、自分たちで守ろうという気持ちが生まれやすくなります。ただし、言葉を決めたら終わりではありません。場所と数、使用期限まで決めてはじめて、行動を変える掲示になります。

ポスターや掲示物は、どこに貼ればよいですか

その行動をする場所の、なるべく近くに貼るのが基本です。今回の事例でも、高い棚に現品票を付けてリフトに乗ったまま確認できるようにした事例や、油置き場に定数の看板を掲示した事例のように、使う場所で見られる掲示が効果を上げていました。食堂や休憩所の掲示板は、改善事例の共有には向いていますが、作業のルールを伝える掲示は、作業する場所に置く方が伝わります。

掲示物がすぐ古くなってしまうときは、どうすればよいですか

掲示物に、使用期限と担当者を書くことをおすすめします。今回の事例でも、専門家は掲示物の定期点検や使用期限の明記、区切った場所ごとの担当者と貼り替えのルールを繰り返しすすめています。月に一度、掲示板の前で「この掲示物はまだ必要か」を確かめる時間を決めるだけでも、古い情報が重なっていく状態は防げます。

この評価基準は誰が使っていますか

5S-CONCEPTの事例データベースに登録された改善報告を、専門家が5項目(成果・独自性・難易度・清潔・習慣)で評価する、当社独自の基準です。国や業界団体の公的な認証制度ではありません。

まとめ|次に見る一手

冒頭の、スローガンを貼ったのに現場が変わらなかったという話に戻ります。スローガンやポスターは、5Sの大切な入口です。ただ、今回紹介した12件は、同じことを教えてくれています。見た人が判断できる情報を書くこと、更新の決まりを持つこと、見たあとの行動を決めること。この3つが、掲示物を「飾り」から「行動を変える道具」に変える正体でした。

この記事で配布している5Sのポスター4種も、貼って終わりにせず、ぜひ行動の場所の近くで使ってください。すべての掲示物を一度に作り直す必要はありません。まずは、職場の掲示物を一枚選び、「読んだ人が次に何をすればよいか分かるか」「守れたかどうかを判断できる情報があるか」「古くなったら貼り替える決まりがあるか」の3つを、この記事の判断表と見比べてみてください。それだけで、次に何を足せばよいかが見えてくるはずです。

改善した内容を、写真と短い言葉で報告書にして掲示したい方へ。5S-CONCEPTでは、改善前後の写真と短いコメントから、職場に掲示できるA4横の報告書を作れる「5S-Works!」の先行モニターを、無料で募集しています。作った報告書から1件を選んで、専門家に評価を依頼することもできます。先着順で、定員に達した時点で受付を終了します。くわしくは5S-Works! 先行モニター募集のページをご覧ください。まずは、職場の掲示物を一枚、見直すところから始めてみてください。

5Sが続かない本当の理由と、立て直す30日

無料ガイド『5Sが続かない本当の理由と、立て直す30日』

ラベルも線も引いたのに、三か月で元に戻る。そんな現場へ。誰か一人の頑張りに頼らず、チームで続ける仕組みのつくり方を、止まる7つのパターン・10問の自己診断・立て直しの30日にまとめました(A4・13ページ)。

無料で受け取る(PDF)
5S改善の報告書を、写真2枚から作れます
改善前・改善後の写真2枚で5S報告書が完成
改善前・改善後の写真とひとことから、A4の5S改善報告書が完成するアプリ「5S-Works!」。
いま無料の先行モニターを先着30名で募集しています。希望する1件について、5S-CONCEPTの専門家へ評価を依頼できます。評価依頼は1メールアドレスにつき1回で、点数・理由・コメントをメールでお返しします。

この記事を書いている会社について

チームで改善を続けられる、強い会社へ。

5S-CONCEPTを運営する株式会社事成すは、誰か一人の頑張りに頼っていた改善を、チームで続けられる会社の力に変えるお手伝いをしています。次の3つは、会社の課題に合わせて組み合わせてご利用いただけます。

30分の無料オンライン相談(平日9時〜17時)

5Sの止まりどころと最初の一手を、一緒に整理します。無理におすすめすることはありません。ご相談だけで契約が成立することもありません。

空いている時間を選んで予約する

社員を元気にする。会社を元気にする。そして街を元気にする。 株式会社事成す

この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。16年間で900社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例338件を評価(2026年9月27日時点)。

目次