この事例は、バレル加工と乾燥の作業計画・進捗状況を一覧表にまとめて見える化した整頓事例で、専門家評価はBランク(49点)。確認する時間が平均30秒ほど短縮した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 情報(バレル加工・乾燥の作業計画と進捗状況) |
| 専門家評価 | Bランク(49点。Bは46〜65点) |
| 効果 | バレル加工状況を確認する時間が、平均で30秒ほど短縮 |
改善前の状態(Before)
バレル加工の状況を確認するには、作業伝票を一つずつめくらなければなりませんでした。必要な情報は伝票の中にあるものの、いわば「隠れて埋もれてしまっている」状態で、知りたいことにすぐたどり着けませんでした。
進捗の確認は、それ自体がお金を生み出す作業ではありません。それでも、計画どおりに進んでいるかを知るためには欠かせない作業です。

改善内容(After)
バレル加工と乾燥の2つの工程について、作業計画と進捗状況を一覧表にまとめ、見える化しました。伝票を一つずつめくらなくても、一覧表を見れば2工程の計画と進み具合が分かります。
その結果、確認する時間が平均で30秒ほど短くなりました。情報を「探して読む」ものから「見れば分かる」ものに変えた改善です。

専門家コメント
バレル加工状況に関する情報を確認するために、以前は作業伝票を一つずつめくらなければいけなかった状態を、バレル加工と乾燥の2工程の作業計画と進捗状況を一覧表として見える化することで、確認作業の短縮につなげた事例ですね。
隠れて埋もれてしまっている情報を目の前に引っ張り出すことで、その活用を容易にした素晴らしい改善事例ですね。
お金を直接生み出さないが必要な作業である進捗確認作業を簡素化できたことは、当然、コスト削減効果や納期管理の正確性にも寄与できます。ありがとうございます。
今後の展望としては、紙媒体を使用する現状から、もう一歩進化してITの活用を検討してみてください。表計算ソフトや、プロジェクト管理ツールを活用し、それをモニターに表示させることで、より高度な進捗管理が可能になります。
また、データ収集や更新までも自動化することで、進捗確認そのものの作業効率も向上させることができます。
さらなる改善活動を期待しております。がんばってください。
5S改善評価:合計49点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | B | 10点 |
| (4)清潔レベル | C | 9点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 49点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:確認する時間が平均で30秒ほど短縮した。1回あたりの短縮は小さいものの、進捗確認は日々くり返す作業であり、専門家もコスト削減効果と納期管理の正確性への寄与を挙げている。ただし、確認の頻度や月あたりの効果は改善報告に記載がない。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:情報を一覧表にまとめる手法自体は、見える化でよく使われる方法。一方で、伝票の中に埋もれていた情報に目を向け、バレル加工と乾燥の2工程をまとめて見られるようにした着眼点は評価できる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(10点)
理由:2工程の作業計画と進捗状況を1枚にまとめるには、表に載せる項目や並べ方を考える手間がかかる。ただし、作成にかけた時間は改善報告に記載がないため、帯の下側に置く。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(9点)
理由:一覧表があれば、伝票をめくって探す状態には戻りにくい。ただし、紙の表を人の手で更新する形のため、更新が遅れたり漏れたりすると、表と実際の進捗がずれ、再び伝票を確認することになる。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:一覧表という仕組みは作られたが、誰が・いつ表を更新するか、どのように点検するかといった標準化の記述は、改善報告にない。「徹底すべきルールが未整備の改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計49点のこの事例は、物ではなく「情報」を整頓した改善です。特に次の点は、しっかり評価したいところです。
- 埋もれていた情報を、目の前に引っ張り出した。伝票の中にあった情報を一覧表に移し、見ればすぐ分かる状態にしています。専門家も「素晴らしい改善事例」と評価しています
- お金を生まないが必要な作業を、簡素化した。進捗確認のような付随作業は、見直しの対象から漏れがちです。そこに目を向けたこと自体が、改善の目の付けどころとして優れています
- 2つの工程を、まとめて見られるようにした。バレル加工と乾燥を一覧にしたことで、工程ごとに別々に確認する必要がなくなりました
整頓は、物の置き場だけの話ではありません。必要な情報が、決まった場所に、すぐ使える形である。この事例は、その考え方を情報に当てはめた良い例です。
あと17点でAランク。清潔と習慣をAに上げる
合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。1項目を上げるだけでは届かないため、清潔と習慣の2項目を上げる道筋になります。習慣(しつけ)レベルをC(7点)からA(17点)に上げると+10点で59点。さらに清潔レベルをC(9点)からA(16点)に上げると+7点で、合計66点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(9点) | C(7点) | 49点 | B |
| 表の更新と点検を標準化し、習慣をAに | C(9点) | A(17点) | 59点 | B |
| 表と実際のずれが起きない仕組みで、清潔もAに | A(16点) | A(17点) | 66点 | A |
習慣をAにするには、誰が・いつ表を更新するかを決め、皆に周知し、正しく更新されているかを点検するところまで進めます。
「表と実際のずれ」を、起きる前に防ぐ
見える化した一覧表は、更新されてはじめて役に立ちます。ずれに気づいてから伝票で確かめ直し、表を書き直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「忘れずに書く」という気づかいに頼らず、ずれそのものが起きない形を考えます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 表の更新が遅れ、実際の進捗とずれる | (例)工程の区切り(加工の開始・終了、乾燥の終了)に表を更新する手順を組み込み、作業の一部にする |
| 表がどこにあるか分からず、また伝票を探す | (例)表を掲示する場所を3定(定位・定品・定量)の考え方で決め、表示する |
| 紙の表で、書き写しの手間や間違いが起きる | (例)専門家の提案どおり、表計算ソフトなどで進捗を管理し、モニターに表示する |
| 更新そのものが負担になり、続かない | (例)専門家の提案どおり、データ収集や更新の自動化を検討する |
モニターの設置や、データ収集の自動化のように、設備やシステムに関わるものは、設備・システムの担当者と確認しながら進めてください。この考え方を他の工程の進捗確認にも広げると、職場全体で探すムダが減っていきます。
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