この事例は、小物類の破壊検査品に専用の入れ物を作り、運搬時の落下をなくした整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。拾う手間が消え、けがの防止にもつながった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 廃棄物(小物類の破壊検査品) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 運搬時に小物類が落ちなくなり、落ちたものを拾う作業がなくなった。落下によるけがの防止にもつながった |
改善前の状態(Before)
破壊検査を終えた小物類は、アミパレットに載せて運んでいました。ところが、小物はアミパレットから落ちてしまうため、運搬のたびに拾わなければなりませんでした。
落ちたものを拾う作業は、いわば「後始末」の作業です。物と入れ物が合っていない以上、注意だけで落下をゼロにするのは難しい状態でした。

改善内容(After)
小物類の破壊品を入れる、小物専用の入れ物を作成しました。これにより、運搬時に小物が落ちることもなくなりました。
ポイントは、「落ちたら拾う」をやめて、「落ちない入れ物に入れる」に変えたことです。小物には小物の入れ物、という当たり前のことを、現場で形にした改善です。

専門家コメント
アミパレットから小物類の破壊品が落ちてしまい、運搬時に拾う必要があった問題点を、小物専用入れ物を作成し、運搬時の落下を防いだ改善ですね。
この改善活動は、落ちたものを拾う作業をなくすという作業効率の改善はもとより、落下によるけがの防止といった安全面においても成果を発揮した素晴らしい内容だと感じました。改善活動ご苦労さまでした。
ただ、写真をよく確認すると通路へはみ出しているように見えますし、床に直接箱が置かれている点が気になりました。
通路へはみ出して置いてしまうと通行する際の安全面に問題が発生し、また、通行の邪魔になり作業の効率性が低下してしまう可能性もあります。さらに、床に直置きしておくと、運搬時にひと手間かかってしまいます。
せっかくの素晴らしい改善内容なので、もう一歩完璧なものに仕上げていただけると嬉しいです。では、次なる改善報告を楽しみにしております!
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | B | 10点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 11点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:運搬のたびに発生していた「落ちたものを拾う作業」がなくなった。専門家も、作業効率の改善に加えて、落下によるけがの防止という安全面の成果を挙げている。効率と安全の両方に効いている点を重く見て、帯の上側とした。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(10点)
理由:「小さい物には専用の入れ物を用意する」は、5S活動でよく見られる考え方。一方で、アミパレットの目から落ちるという現場の困りごとを、入れ物の側で解決した着眼は的確。帯の下側として、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:改善報告には、入れ物の材質や作り方、かかった時間の記載がない。専用の入れ物を作成する作業は、大がかりな加工を伴うものではないと考えられる。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(11点)
理由:入れ物という構造で落下を防いでおり、同じ運搬なら落下は再発しにくい。ただし専門家の指摘のとおり、入れ物が通路へはみ出しているように見えること、床に直接置かれていることで、通行の安全や運搬のひと手間という新しい課題が残っている。そのため帯の下側とし、「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:入れ物の置き場所、使い方、満杯時の扱いなどのルールについて、改善報告に記載がない。置き場が通路にはみ出している点からも、ルールはまだこれからの段階と判断する。「ルール未整備」として、帯の下側で評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計48点のこの事例は、Bランクに入ったばかりの位置ですが、改善の考え方はとても筋が良いものです。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「拾う」をやめて「落ちない」にした。運ぶ人の注意に頼らず、入れ物という形で落下そのものを防いでいます。これは清潔の考え方そのものです
- 効率と安全の両方に効いた。拾う作業がなくなっただけでなく、専門家が挙げたとおり、落下によるけがの防止にもつながっています
- 現場の小さな困りごとを見逃さなかった。「運ぶたびに少し拾う」は、慣れると当たり前になりがちです。それをムダと捉えて手を打ちました
あと18点でAランク。清潔と習慣を1段階ずつ上げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。一つの項目だけでは届かないため、専門家の指摘を軸に、清潔と習慣(しつけ)を上げていくのが近道です。
まず、通路へのはみ出しと床への直置きを解消すれば、清潔レベルはB(11点)からA(16点)へ上がる見込みです(+5点)。次に、置き場と使い方をルールにして周知・点検まで進めれば、習慣(しつけ)レベルはC(6点)からA(16点)に上がります(+10点)。ここまでで63点です。残り3点は、同じ入れ物の考え方を他の小物や他の運搬にも広げ、成果をA(16点)に上げることで届きます(以下は試算の例です)。
| 上げ方(例) | 清潔 | 習慣 | 成果 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(11点) | C(6点) | B(13点) | 48点 | B |
| はみ出し・直置きを解消 | A(16点) | C(6点) | B(13点) | 53点 | B |
| 置き場と使い方をルール化し、周知・点検 | A(16点) | A(16点) | B(13点) | 63点 | B |
| 他の小物・運搬にも展開 | A(16点) | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
「通路へのはみ出し」と「直置き」を、起きる前に防ぐ
落下はなくなりましたが、入れ物の置き方に新しい課題が残っています。はみ出しに誰かがつまずいてから直す、運搬のたびに床から持ち上げる手間を我慢する。これでは「後追い」のままです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「はみ出さないように気をつける」に頼らず、置き場の形そのものではみ出しが起きないようにします。専門家の指摘をもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 入れ物が通路へはみ出す | 入れ物の置き場を区画線で示し、通路にかからない位置を「定位」として決める |
| 床への直置きで、運搬時にひと手間かかる | 台車や台の上に入れ物を載せ、そのまま運べる形にする |
| 入れ物があふれて、また落ちる | 満杯の目安線を入れ物に付け、そこで運ぶルールにする |
通路や運搬に関わる変更は、安全の担当者と確認しながら進めてください。せっかくの素晴らしい改善です。置き方まで仕上げることで、専門家の言う「もう一歩完璧なもの」に近づき、Aランクも見えてきます。
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