この事例は、現品票や印鑑など記入に必要な物を作業場の一箇所に集約した整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。休憩場付近との往復がなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 備品(実績表、印鑑、材料現品票、現品票) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 記入の用意にかかる移動が、休憩場付近から23歩・25秒 → 6歩・2秒になった(改善報告の記載)。往復する必要がなくなった |
改善前の状態(Before)
現品票などを記入するには、実績表、印鑑、材料現品票、現品票といった物がそろっている必要があります。ところが、これらの物がバラバラに置いてあり、作業場に分散していました。
そのため、記入の用意をするたびに休憩場付近まで行って戻る往復が必要で、時間がかかっていました。改善報告によると、休憩場付近から23歩、25秒かかっていました。

改善内容(After)
記入に必要な物を、作業場の一箇所に集約して配置しました。休憩場付近まで往復することがなくなり、移動は6歩、2秒になりました。
必要な物が1カ所にまとまったことで、どこに何があるかも分かりやすくなっています。専門家コメントでも、移動距離の削減に加えて「視認性も高めた」と評価されています。

専門家コメント
実績表、印鑑、材料現品票、現品票などの必要な物品が作業場に分散して配置され、休憩場付近からの往復が必要な状態だったのを、作業場の一箇所に集約して配置することで、移動距離を大幅に削減し、視認性も高めた改善ですね。
この改善によって、無駄な移動が減り、作業の流れがスムーズになったはずです。作業効率の向上に貢献する素晴らしい取り組み、ありがとうございました!
次に考えてみるべきなのは、その配置が本当に「最適」なのかという点です。例えば、物品を取りに行く頻度や使用順序を考慮して、さらに取りやすい並びにできないか? もしくは、どこに何があるかをより明確にするために、ラベルや色分けを活用できないか?
また、時間が経つと、別の物品が増えたり、配置が乱れたりすることも考えられます。この状態を維持するためのルール作りも、ぜひ検討してみてください!
今回の改善を活かして、さらなる効率化に挑戦し、次の改善報告も楽しみにしています。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | B | 10点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 9点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:記入の用意にかかる移動が、23歩・25秒から6歩・2秒になり、休憩場付近との往復そのものがなくなった。記入のたびに発生する移動を減らし、作業の流れをスムーズにした効果は確か。発生回数や月あたりの削減時間が分からないため帯の上限にはしないが、「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(10点)
理由:分散した物を使う場所の近くに集約するのは、整頓の基本に沿った考え方。実績表・印鑑・現品票など「記入の用意」という一つの作業に必要な物をひとまとめにした点に、作業を見た工夫がある。「標準的に発想ができる改善」の下側と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:改善報告から読み取れるのは、記入に必要な物を一箇所に集めて配置したこと。置き場の製作や加工の記述はなく、大きな工数はかかっていないと判断する。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(9点)
理由:一箇所に集約したことで、物が分散する状態は起きにくくなった。ただし、ラベルや色分けなどの表示、置き場の区切りの記述はなく、専門家も「別の物品が増えたり、配置が乱れたりすること」を心配している。「何かのきっかけで再発する」状態の上側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:この状態を維持するためのルールや、補充・点検の決まりについての記述はない。専門家も、次にルール作りを検討するよう勧めている。「ルール未整備」の状態で、帯の下側と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、Bランクの入り口にある改善です。点数だけを見ると控えめですが、現場の動きをよく見た、良い改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「記入の用意」という作業の単位で物を集めた。実績表、印鑑、材料現品票、現品票は、別々の物でも、使う場面は同じです。使う場面でまとめたことで、往復そのものをなくしました
- 効果を歩数と秒数で測った。23歩・25秒から6歩・2秒へ。数字で比べたことで、改善の効果が誰にでも分かる形になっています
- 小さな手間を見逃さなかった。記入の用意は毎回の作業の中にある、気づきにくいムダです。そこに目を向けたことが、改善の出発点として大切です
あと20点でAランク。清潔と習慣を段階的に上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1項目だけでは届かないため、専門家コメントの提案に沿って、清潔・習慣・成果を順に上げていく形になります。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 成果 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(9点) | C(6点) | B(13点) | 46点 | B |
| ラベル・色分けで置き場を表示し、清潔をAに | A(16点) | C(6点) | B(13点) | 53点 | B |
| 維持のルールを決め、習慣もAに | A(16点) | A(16点) | B(13点) | 63点 | B |
| 使用順序で並びを見直し、成果もAに | A(16点) | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
専門家の問いかけ「その配置が本当に『最適』なのか」は、成果を上げる入り口です。取りに行く頻度や使う順に並べ直し、その効果をまた歩数と秒数で測れば、成果の評価も上がります。
「物が増える・配置が乱れる」を、起きる前に防ぐ
一箇所に集めた今は、乱れてから直す「後追い」ではなく、乱れが起きない仕組みへ進むタイミングです。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「元に戻すよう気をつける」に頼らず、表示と配置で、戻す場所が自然に分かる形にします。整頓の3定(定位・定品・定量)で考えると、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 使った物が別の場所に置かれる | 置き場に品名のラベルを付け、物ごとに定位を決める |
| 関係のない物が置き場に増える | 置く物(定品)を一覧にして置き場に貼り、それ以外は置かない |
| 現品票などの用紙が切れる | 用紙の量(定量)と補充の目安を表示する |
| 時間が経つと元のバラバラに戻る | 置き場の写真を標準として掲示し、点検日を決めて確認する |
こうした仕組みを決めることが、そのまま習慣(しつけ)の標準化にもつながります。今回の改善を出発点に、次の改善報告にもぜひ挑戦してください。
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