この事例は、オーブンの箱詰め場所を1箇所から2箇所にした整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。移動が半分になった。次の課題は、配置を維持する運用ルール。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 完成品(オーブン) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 1日8歩×150回=1,200歩が600歩に(600秒削減)。1カ月は600秒×21日=12,600秒で、12,600円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は、オーブンを箱に入れる作業で、作業者が往復8歩×150回という移動を伴うムダな動きが発生していました。箱詰めの場所が1箇所だったためです。

改善内容(After)
箱詰め場所を、従来の1箇所から2箇所に増設し、配置を見直しました。作業者の移動距離が半分の600歩になり、作業者の負担も軽くなっています。

専門家コメント
改善前は、オーブンを箱に入れる作業において、作業者が往復8歩×150回という移動距離を伴う、無駄な動きが発生している状態でした。そこで、箱詰め場所を従来の1箇所から2箇所に増設し、配置を見直すことによって、作業者の移動距離を効率的に半分に短縮した改善ですね。
非常に効果的な整頓の視点による改善です。目に見える効率アップだけでなく、作業者の負担軽減にもつながる素晴らしい取り組みに感謝します。
次に考えていただきたいのは、この新しい配置が、今後の作業変化や人員の増減に応じて柔軟に対応できる仕組みになっているか、という点です。例えば作業量が増えたときにどう対応するのかをルール化しておくと、今後の作業も安定して続けられるはずです。仕組みで問題を未然に防ぐ「清潔」の視点も、ぜひ取り入れて、より強い現場にしていきましょう。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | S | 20点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | A | 68点 |
5項目の合計は、20+16+12+12+8=68点で、Aランク(66〜80点)にあたります。成果が満点で、清潔と習慣の仕組み化がこれからという内訳です。
(1)成果の大きさ:S(20点)
理由:往復8歩×150回=1,200歩のムダな移動が削減され、作業効率が大きく向上した。作業者の疲労軽減や作業時間の短縮にも直結し、職場全体の生産性と安全性に寄与している。最大評価のS(20点)とする。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:「移動を減らすために作業位置を分散する」考え方自体は一般的。ただ、作業の実態(歩数と回数)を数値にして対策に結びつけた点が優れており、オーブンという重量物への対応も加味して、「やや発想が困難な改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:作業場所を1箇所から2箇所にするには、レイアウトの再検討、スペースの確保、通路の安全確保、台や備品の準備が必要だったと考えられる。時間は30分〜1時間程度、あるいはそれ以上の調整がかかった可能性があり、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:作業位置を分けることで、混雑や作業中の衝突・渋滞も防げる。ただし、作業場所の使い分けや、維持管理(清掃・整頓)のルールが整っているかは不明。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。「この作業台は誰が使う、どの順で使う」といった運用ルールを整えれば、A〜Sも可能。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:今回の改善は、担当者主導で行われたものと思われる。異動・人員変更・繁忙期があったとき、配置が維持されるかがポイント。ルール化(例:作業者が3人以上なら2箇所に分かれる、作業台の使い方のマニュアル化)や標準作業としての定着が、まだ確認できない。「ルール未整備」の段階と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 作業者の1日の移動を、往復の歩数×回数で数える
- 歩数が多い作業を選び、作業場所を増やすなど、モノを近くに置く配置を考える
- スペース、通路の安全、台や備品を確認し、レイアウトを変える。重量物を扱う場合は、安全の担当者とも確認する
- 変更後に歩数を数え直し、減った分を確かめる
Sランクに近づくための次の一歩
「人が動く」から「モノが近くにある」へ、整頓の基本に沿った改善です。次に考えたいのは、人員が増減しても、配置が崩れない運用の仕組みです。清潔・習慣の評価を上げるには、崩れてから直す「後追い」ではなく、崩れない決めごとを先に作る「未然防止」の視点が要ります。専門家のアドバイスは、次のとおりです。
- 作業台ごとに、使用区分(ライン1用/ライン2用など)を表示する
- 繁忙期・人員増に応じた、台数やレイアウトの使用ルールを決める
- 使用後の、清掃・整理点検のルールを設定する
- 改善内容を、他工程・他製品にも展開する
維持できる仕組みが加われば、5SレベルSも視野に入ります。
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