この事例は、部品置場の品番・品名・数量をはっきり表示した整頓事例で、専門家評価はBランク(49点)。部品を探すムダを1日平均300秒短縮した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場(部品置場) |
| 改善対象 | 材料/部品 |
| 専門家評価 | Bランク(49点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 部品を探すムダを、1日平均300秒短縮×発生日数20日。1カ月あたり6,000秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
部品置場では、これまで部品の品番や品名、数量が明示されていませんでした。そのため、作業者は必要な部品を探すために時間を費やしていました。
部品を探す時間は、1日に平均300秒、つまり5分ほど発生していました。
改善内容(After)
部品の品番・品名・数量を、はっきりと表示しました。何がどこに、どれだけあるかが分かるようになり、部品を探す手間が省けるようになりました。
その結果、部品を探すムダが1日平均300秒短縮されました。


専門家コメント
これまでは部品の品番や品名、数量の明示がなく、作業者が部品を探すために時間を費やしていたムダを、しっかりと表に明示をすることで、部品を探す手間を省くようにした改善ですね。
この改善によって、一日に5分も発生していた部品を探すムダを削減されたのは、本当に素晴らしい改善だと感じました。
お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
さて、今後についての提案ですが、写真を見る限り、ボックスコンテナの表面に部品名が書いた紙をそのまま貼り付けているように見受けられます。
この手法だと、風やひっかけで紙が破れたり、油分や汚れによって表示が見えなくなったりしてしまう可能性があります。また、直に貼っているため、コンテナの中身が変更されたときの貼り換えの手間もかかってしまいます。
そこで、コンテナにはクリアホルダーを貼り付けておき、その中に部品名を書いた紙を入れることで、紙の破損等の不具合や部品の入れ替えの手間を省くことができるようになります。
ぜひ、一度試してみていただけましたら幸いです。では、次なる改善を楽しみにお待ちしております。
5S改善評価:合計49点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 15点 |
| (2)改善の独自性 | B | 10点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 49点 |
(1)成果の大きさ:A(15点)
理由:1日に5分(300秒)発生していた部品を探すムダを短縮し、1カ月あたり6,000秒の削減につなげた。毎日くり返すムダを減らした効果は大きい。一方で、改善報告に書かれた効果は探す時間の短縮に限られるため、帯の下側に置き、「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(10点)
理由:置き場に品名を表示する方法は、多くの現場で使われている手法。ただし、品名だけでなく品番・数量までそろえて表示し、「何が・どれだけあるか」を分かるようにした点に工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:改善報告に作業時間や使った物の記載はない。専門家の所見では、部品名を書いた紙をコンテナの表面に貼る方法で、大きな加工や設備の変更は伴っていない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:表示によって探すムダは減ったが、紙を直に貼る方法のため、風やひっかけで破れたり、油分や汚れで見えなくなったりする可能性があると専門家が指摘している。表示が傷めば、また探すムダが戻る。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:品番・品名・数量という表示の項目はそろえたが、中身が変わったときの貼り換え方や、表示の点検のルールについては、改善報告に記載がない。「ルール未整備」の状態と判断し、C帯の下側に置く。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
部品を探す時間は、どの現場にもある身近なムダです。だからこそ、それを数字で示して減らしたこの改善は、しっかり評価したいところです。
- 「探すムダ」を数字でとらえた。1日平均300秒、月6,000秒と、ムダの大きさを数字で示しています
- 品番・品名・数量の3つをそろえて表示した。整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「何を(定品)」と「どれだけ(定量)」を見えるようにしています。品名だけの表示より、取り違えや数え直しが起きにくくなります
- 成果の大きさがA(15点)。毎日くり返すムダを減らしたことで、作業者が本来の作業に使える時間を生み出しています
あと17点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げる
合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。成果はすでにA(15点)なので、伸びしろは清潔レベルと習慣(しつけ)レベルにあります。清潔をC(8点)からA(16点)に、習慣をC(7点)からA(16点)に上げると、+17点で合計66点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(7点) | 49点 | B |
| 清潔・習慣をBに | B(12点) | B(12点) | 58点 | B |
| 清潔・習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
清潔をBに上げる第一歩は、専門家が提案したクリアホルダーの活用です。表示が傷みにくくなり、中身が変わっても紙を差し替えるだけで済みます。習慣をBに上げるには、表示の書き方を決めて、部品置場のすべてのコンテナにそろえることです。
「表示が読めない・中身と違う」を、起きる前に防ぐ
表示が破れてから貼り直す、中身が変わって探すムダが戻ってから気づく。これは「後追い」の対応です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見る」に頼らず、表示が傷まない・中身と食い違わない形にしておくことで、探すムダが戻らない状態を保てます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 紙が破れる、油分や汚れで見えなくなる | コンテナにクリアホルダーを貼り、その中に表示の紙を入れる(専門家の提案) |
| 中身が変わったのに、表示が古いまま | (例)中身を入れ替えた人が、その場で表示を差し替える手順を決めておく |
| 表示の傷みや食い違いに気づかない | (例)月1回など点検の日を決め、表示と中身が合っているかを確かめる |
| 他の置き場では表示の書き方がばらばら | (例)表示の書式を1枚の標準にまとめ、他の部品置場にも展開する |
(例)としたものは改善報告にない案です。コンテナや棚の固定方法を変えるなど、設備・安全に関わる変更をする場合は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
関連する5S活動の事例
同じ工場の整頓・習慣に関する、Aランクの事例です。



