この事例は、軍手の在庫不足を表示で知らせ、取りに行くムダをなくした整頓事例で、専門家評価はBランク(47点)。あと19点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(軍手) |
| 専門家評価 | Bランク(47点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 軍手を取りに行く往復1回1,000秒の移動のムダがなくなった。1カ月あたり1,000秒、1,000円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
これまでは、軍手の在庫量を外から確認する方法がありませんでした。そのため、軍手がなくなってから、取りに行く流れになっていました。必要になってから動くので、そのたびに移動のムダが生まれていました。

改善内容(After)
軍手の数が少なくなったら、表示のプレートで分かるようにしました。軍手を使う人が、棚の中の「軍手購入」の表示を裏返して、購入が必要なことを知らせる形です。パッと見て、棚の中の状態が分かります。
これで、なくなってから慌てて取りに行く動きがなくなり、移動のムダを省けました。

専門家コメント
これまで軍手の在庫量を外から確認する術がなかったため、無くなってから軍手を取りにいっていたムダを、軍手の購入が必要なことを明示することで、移動のムダを排除した事例ですね。
パッと見て、棚の中の状態がわかることでムダを省くことに成功した、とても素晴らしい改善をありがとうございます。
さて、さらなる改善に向けてのアドバイスですが、この「軍手購入」となっている状態は、軍手を使う人が裏返すため、裏返した後に本当に軍手が入ってくるのか不安になりますよね。
そこで、この軍手購入という表示をみて、だれかが取りに行っているという状態を表すために、軍手を取りに行くと決めた人が、なにがしかの表示をしてみてはどうでしょう。例えば、丸の赤いマグネットを棚の中に置いておいて、軍手を取りに行っているときは、「軍手購入」という表示の上に置く、とかいかがでしょうか。
他にもアイデアがあれば、ぜひ試してみていただければと思います。がんばってくださいね!!次回の報告を楽しみにしていますね。
5S改善評価:合計47点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | C | 9点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 11点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 47点 |
(1)成果の大きさ:C(9点)
理由:軍手が切れてから取りに行く往復1回1,000秒の移動のムダを、なくせた。ただし、削減は1カ月あたり1,000秒(1,000円)と、数字の上ではまだ小さい。「成果がややもの足りない」の帯の上側と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「少なくなったら表示で知らせる」という方法は、在庫の見える化として標準的な発想。外から在庫が確認できなかった課題に、軍手を使う人が裏返すだけの手軽な形で応えた点は、現場に合った工夫。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:表示のプレートを用意して棚に取り付ける改善で、大きな工数は必要としない。「そんなに時間をかけない改善」の帯の上側と評価する。
(4)清潔レベル:B(11点)
理由:在庫が少なくなったことを、棚を見れば誰でも気づける。軍手がなくなってから動く状態には戻りにくい。一方で、表示を裏返した後に、軍手が本当に入ってくるかが分からない不安が残るため、同じ状況なら再発が起きにくい帯の下側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:表示を裏返す、という運用は進んでいるが、誰が取りに行くのか、いつまでに補充するのか、といった標準化は、改善報告に記載がない。「徹底すべきルールを設定した」の帯の下側と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計47点のこの事例は、Bランクに入っています。点数以上に評価したいのは、次の点です。
- 「見えないもの」を、見えるようにした。これまでは軍手の在庫量を外から確認する方法がなく、なくなってから気づくしかありませんでした。それを、棚の表示で分かる形にしています
- 「なくなってから」を「少なくなったら」に変えた。気づくタイミングを早めたことで、慌てて取りに行く動きがなくなりました
- 移動のムダを、仕組みで減らした。専門家も「とても素晴らしい改善」と評価しています
あと19点でAランク。習慣と清潔を引き上げる
合計47点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと19点です。1項目だけでは届かないので、段階的に引き上げます。伸びしろが大きいのは習慣(しつけ)レベルのC(6点)です。次の表は算術の例です。
| 上げ方 | 点数の動き | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | 習慣6点、清潔11点、成果9点、難易度9点 | 47点 | B |
| 習慣をA(16点)に | +10点 | 57点 | B |
| さらに清潔をA(15点)に | +4点 | 61点 | B |
| さらに成果をB(12点)に | +3点 | 64点 | B |
| さらに難易度をB(11点)に | +2点 | 66点 | A |
「取りに行ったのか分からない」を、起きる前に防ぐ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。軍手が足りなくなってから困る、表示を裏返したのに入ってこない、という困りごとを後から直す「後追い」ではなく、起きない形にしていきます。専門家のアドバイスと合わせて、次のような仕組みを考えられます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 表示を裏返した後、誰かが取りに行っているか分からない | 取りに行く人が、赤い丸のマグネットを「軍手購入」の表示の上に置く(専門家の提案) |
| 表示に気づくのが遅れ、軍手が切れる(例) | 切れる前に購入の表示が出る数を決め、その数を棚に書いておく |
| 誰が取りに行くのか決まっていない(例) | 取りに行く担当と、確認のタイミングを決め、標準化する |
| 他の備品でも、なくなってから取りに行っている(例) | 同じ表示の方法を、他の消耗品や備品に広げる |
「(例)」と書いたものは、改善報告にはない案です。現場に合わせて、担当者と相談して決めてください。
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