この事例は、NC加工用のエンドミル・ドリル・リーマを引き出しから専用置き場に出した整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。工具の取り出しが1日45秒短縮された。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(NC加工用のエンドミル・ドリル・リーマ) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 工具の取り出し(1日5回)が、1日合計1分15秒から30秒になり、45秒短縮(1回あたり15秒から6秒) |
改善前の状態(Before)
NC加工で使うエンドミル、ドリル、リーマは、引き出しの中に収納されていました。工具を使うたびに引き出しから取り出す必要があり、1日5回の取り出しに、合計で1分15秒かかっていました。

改善内容(After)
エンドミル、ドリル、リーマの専用の置き場を作製し、引き出しの外に出して置くようにしました。専門家コメントによると、サイズごとに区分けされた立て型の工具スタンドで、工具を見やすく、取り出しやすい位置に配置しています。
その結果、1日5回の工具の取り出しにかかる時間が、合計1分15秒から30秒になりました。

専門家コメント
以前は引き出しの中に工具が収納されていましたが、専用の置き場を作製し、エンドミル、ドリル、リーマを外部に配置した改善ですね。
具体的には、サイズごとに区分けされた立て型の工具スタンドを導入し、工具を見やすく、取り出しやすい位置に配置したことで、1日5回の工具取り出し作業時間が、1回あたり15秒から6秒に短縮され、1日合計で45秒の時間短縮を実現したとのこと。大変効果的な改善で、作業効率が大きく向上したと思います。素晴らしい取り組みをありがとうございます!
今回の改善が非常に効果的な一歩であることは間違いありません。次の報告書を楽しみにしています!
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | B | 10点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:1日5回の工具の取り出しが、合計1分15秒から30秒になり、45秒短縮された。1回あたりでは15秒から6秒と、半分以下の時間になっている。専門家も「作業効率が大きく向上した」と評価している。一方で、取り出しは1日5回で、1日あたりの短縮は45秒にとどまる。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:引き出しの中の工具を外に出し、立て型のスタンドに並べる方法は、工具の整頓でよく使われる考え方。そのうえで、サイズごとに区分けし、どこに何を置くか(定位・定品)を分かりやすくした点に工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(10点)
理由:エンドミル、ドリル、リーマの専用の置き場を「作製」している。サイズごとの区分けも必要で、一定の手間がかかったと考えられる。ただし、費用や作業時間は改善報告に記載がないため、帯の下側に置く。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:工具が外に出て見えるようになり、乱れに気づきやすい状態にはなった。しかし、戻す場所を示すツールシャドウやラベル、点検の仕組みは改善報告にない。専門家も、使い続けるうちに工具が乱雑になったり、別の場所に戻されたりすることを予想している。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:使用後に戻すルール、点検のスケジュール、作業者全員での共有は、改善報告に記載がない(専門家の次の提案にあたる)。ルールが整っていない段階のため、帯の下側に置く。「ルールが未整備の改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、毎日くり返す「工具を取り出す」という動作に目を向け、時間を半分以下にした改善です。特に次の4点は、しっかり評価したいところです。
- 「しまう」から「見せる」に変えた。引き出しの中にあった工具を外に出し、見やすく、取り出しやすい位置に配置しました
- サイズごとに区分けした。どの工具をどこに置くかが決まり、整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、定位と定品の土台ができています
- 効果を数字で示した。1日5回、合計1分15秒から30秒へ。改善前と改善後を測って比べたことで、効果が誰にでも伝わります
- 専用の置き場を作製した。現場で使う工具に合わせた置き場は、使う人にとって使いやすい形になります
あと18点でAランク。清潔と習慣を2段階ずつ上げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。伸びしろが大きいのは、清潔レベル(8点)と習慣(しつけ)レベル(6点)です。2つをB(12点)まで上げると+10点で58点、まだBランクです。清潔をA(16点、+8点)、習慣をA(16点、+10点)まで上げると+18点で、合計66点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(6点) | 48点 | B |
| 清潔・習慣をBに | B(12点) | B(12点) | 58点 | B |
| 清潔・習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
専門家は次に考えてほしいこととして、この配置が長期間にわたり維持されるための具体的なルールや仕組みを挙げています。使用後に必ず元の位置に戻す「戻すルール」を作業者全員で共有し、定期的に工具の配置や状態を点検するスケジュールまで決めれば、習慣(しつけ)は「標準化・周知・点検」の段階に進みます。
「戻し間違い」と「乱れ」を、起きる前に防ぐ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。工具が別の場所に戻されてから並べ直すのは「後追い」です。「気をつけて戻す」に頼らず、戻し間違いが起きにくい形を、置き場そのものに組み込むのが「未然防止」です。専門家のアドバイスをもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 工具が別の場所に戻される | 置き場ごとにツールシャドウやラベルを付け、どこに何を戻すかを一目で分かるようにする |
| 工具が戻っていないことに気づかない | (例)ツールシャドウで空きが見えるようにし、作業の終わりに置き場を見て確認する手順にする |
| 置き場の乱れが少しずつ進む | 点検のスケジュールを決め、工具の配置と状態を定期的に確かめる |
| よく使う工具が取り出しにくい | 使用頻度に応じて、よく使う工具を手前に配置し直す |
刃物の状態の点検や交換の基準など、品質や安全に関わる決めごとは、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。使う人の声を定期的に集めて置き場を見直していけば、清潔・習慣のレベルが上がり、Aランクも十分に見えてきます。
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