この事例は、各製品の在庫表を作り、目視で数えていた在庫数量を記入で把握できるようにした整頓事例で、専門家評価はBランク(46点)。数えるムダがなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場(2階奥、棚板関係の置き場) |
| 改善対象 | 仕掛品/完成品 |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 在庫を数えるムダがなくなった。1日平均30秒短縮×月5日発生。1カ月あたり150秒(150円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
2階奥にある棚板関係の製品は、実際の物を目視で数えて、在庫数量を把握していました。在庫数を知りたいときは、そのたびに数え直す必要がありました。1日平均30秒ほどの作業ですが、月に5日ほど発生していました。

改善内容(After)
各製品の在庫表を作成し、在庫数量がわかるようにしました。入庫や出庫のときに在庫表へ記入することで、物を数えなくても在庫数量を把握できます。毎回数える手間がなくなり、在庫数量の正確さも上がりました。

専門家コメント
これまでは実際の物の目視で数えて在庫数量を把握していた状態から、各製品の在庫表を作成して、在庫数量を把握するようにした事例ですね。
在庫数を都度数える管理から、在庫表に記入する管理に変更することで、毎回数えるムダを省き、管理の正確性も向上させた素晴らしい改善だと感じました。とても効果的な改善をありがとうございました。
さて、今後の改善提案ですが、在庫表を活用していくうえでの一番のリスクは、在庫表への記入漏れです。入庫した時や出庫した時に、在庫表の記入漏れがあると、在庫不足や在庫過多という大きな問題を発生させてしまいます。
写真で見る限り、在庫表が棚に置いてあるだけで、記入漏れのリスクが高いように感じました。在庫表を棚ごとに分けたり、赤色にして目立つようにしたり、棚の置き場から出る際にゲートを用意して在庫表に記入するよう促す工夫をしたりしてみてくださいね。
在庫管理は会社にとって、とても大切な管理です。そこがおかしくならないよう、がんばってくださいね。では、次なる改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 11点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | B | 10点 |
| (4)清潔レベル | C | 7点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 9点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(11点)
理由:改善報告の試算では、1日平均30秒×月5日で、1カ月あたり150秒(150円)の削減。時間の効果は小さめですが、毎回数えるムダがなくなり、在庫数量の正確さも上がった点を、専門家は「素晴らしい改善」と評価しています。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:製品ごとに在庫表を作り、入出庫を記入して在庫を把握する方法は、在庫管理でよく使われる形です。目視で数える管理から記入する管理へ切り替えた判断は的確で、Cの中では上側に置きます。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(10点)
理由:改善報告には作成にかけた時間の記載がありません。各製品の在庫表を作り、現在の在庫数を確かめて記入を始めるまでの手間を見込み、帯の下側に置きます。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(7点)
理由:専門家は、在庫表が棚に置いてあるだけで、記入漏れのリスクが高いと指摘しています。記入漏れが起きると、在庫表の数と実際の数がずれ、在庫不足や在庫過多につながります。何かのきっかけで元に戻りやすい状態のため、「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(9点)
理由:「入出庫のときに在庫表へ記入する」という、守るべきルールを設定した点は評価できます。ただし、記入を確かめる点検や、記入漏れを防ぐ工夫は、改善報告からは読み取れません。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計46点のこの事例は、Bランクの入り口にいます。点数だけでは見えにくい、良いところがたくさんある改善です。特に次の4点は、しっかり評価したいところです。
- 「数える」から「記入する」へ、管理の方法そのものを変えた。数えるのを速くするのではなく、数えなくて済む形にしています
- ムダを省くだけでなく、正確さも上げた。専門家も、毎回数えるムダを省き、管理の正確性も向上させたと評価しています
- 製品ごとに在庫表を分けた。どの製品が何個あるかを、物を動かさずに確かめられます
- 効果を数字で示した。1日平均30秒×月5日という試算があることで、次の改善と比べることができます
在庫管理は、専門家の言葉どおり「会社にとって、とても大切な管理」です。その入り口に手をつけたこと自体が、大きな一歩です。
あと20点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。伸びしろが大きいのは、清潔レベル(7点)と習慣(しつけ)レベル(9点)です。記入漏れを防ぐ仕組みを作り、それを決まりとして続けられれば、2つの項目が同時に上がります。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(7点) | C(9点) | 46点 | B |
| 記入漏れが起きにくい置き方・表示にする | A(16点) | C(9点) | 55点 | B |
| 記入ルールを標準化し、周知・点検する | A(16点) | A(16点) | 62点 | B |
| 記入しないと持ち出せない仕組みまで進める | S(19点) | A(17点) | 66点 | A |
「記入漏れ」を、起きる前に防ぐ
在庫表は、記入されて初めて役に立ちます。記入漏れに気づいてから数え直して直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて書く」に頼らず、置き方・表示・手順で、書き忘れが起きにくい形にします。専門家の提案をもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 在庫表が目に入らず、記入を忘れる | 在庫表を棚ごとに分け、赤色にするなど目立たせる(専門家の提案) |
| 持ち出すときに記入しないまま出てしまう | 置き場の出口にゲートを用意し、在庫表への記入を促す(専門家の提案) |
| 記入漏れに長く気づかない | 週1回など日を決めて、在庫表と実際の数を照らし合わせる(例) |
| 在庫不足に気づくのが遅れる | 在庫表に下限の数を書き、下回ったら補充を申請するルールにする(例) |
ゲートなど、通路や置き場の構造に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。記入漏れを防ぐ仕組みが整えば、在庫表は「数えなくても信じられる数字」になります。
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