【5S 整頓事例】部品写真と部品表に番号を付けて探しやすく|評価Bランク(工場)

この事例は、部品写真と部品表に対応する番号を付けて、どの部品かをひと目で分かるようにした整頓事例で、専門家評価はBランク(60点)。あと6点で、Aランクに届く。

項目 内容
改善の種類 整頓
改善場所 工場
改善対象 材料/部品(棚と部品表)
専門家評価 Bランク(60点。Bは46〜65点)
効果 どの部品かが分かり、探しやすくなった。1回平均600秒短縮×月間2回発生で、1カ月あたり1,200秒(1,200円)の削減(改善報告の試算)。誤出庫の防止にもつながる
所要時間 30分以上〜1時間程度(専門家の採点理由での想定)
目次

改善前の状態(Before)

棚に保管されている部品と部品表には番号が付いておらず、どの部品がどれなのか分からない状態でした。ある部品名が、ひとまとめで表示されていました。

部品名だけでは、似た部品を見分けられません。探すのに時間がかかるだけでなく、違う部品を出してしまう「誤出庫」のおそれもあります。

5S 整頓 部品棚 部品名がひとまとめで表示 改善前 工場
【改善前】ある部品名がひとまとめで表示されていた

改善内容(After)

部品の写真と部品表を作成し、両方に対応する番号を付けました。部品表を見れば、棚のどの部品かが番号で分かり、必要な部品を素早く特定できるようになりました。

改善報告の試算では、1回平均600秒の短縮×月間2回発生で、1カ月あたり1,200秒の削減です。

5S 整頓 部品棚 部品写真と部品表に対応番号を付与 改善後 工場
【改善後】部品写真と部品表を作成した

専門家コメント

改善前は、棚に保管されている部品と部品表に番号が付いておらず、どの部品がどれなのか分からない状態でした。そこで、部品写真と部品表の両方に対応する番号を付けることで、必要な部品を素早く特定できるようにした改善ですね。

情報が混乱しやすい状況に対して、「見てすぐわかる」仕組みを作ってくれたこと、本当にありがとうございます。このような整頓の工夫は作業効率を高め、誤出庫などのミスも防ぐ大きな効果があります。

次に考えてみてほしいのは、この番号の付け方にルールはあるのか?という点です。例えば「部品の種類別」「サイズ順」「使用頻度順」など整理の視点が加わると、よりパフォーマンスの高い置き方とルールが見えてくるかもしれません。すべての改善は、仮説と実行の繰り返しです。ぜひ今回の工夫をさらに発展させて、より使いやすい棚づくりを進めてください。次の素晴らしい改善報告も楽しみにしています。

5S改善評価:合計60点(Bランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 16点
(2)改善の独自性 B 12点
(3)改善の難易度 B 12点
(4)清潔レベル B 12点
(5)習慣(しつけ)レベル C 8点
合計 B 60点

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:部品に番号を付けて棚と表をリンクさせたことで、探す手間の削減、誤出庫の防止、作業時間の短縮といった効果が一気に得られる優れた改善である。特に、情報が錯綜しやすい場面での「視覚化」は、業務全体の品質にも関わるため、「やや大きい成果」と評価する。

(2)改善の独自性:B(12点)

理由:「番号で対応させる」手法自体は比較的標準的だが、実物(部品)と情報(部品表)を正確にリンクさせるという運用面での工夫は評価できる。特に、写真との組み合わせがあることで視認性がさらに高まり、実務に即したアイデアといえる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。

(3)改善の難易度:B(12点)

理由:部品の写真撮影・番号付け・棚への表示・表への反映と、それぞれに少しずつ手間のかかる作業が含まれているため、30分以上〜1時間程度の工数が想定される。簡易的な改善より一歩踏み込んでおり、「標準的な時間でできた改善」と評価する。

(4)清潔レベル:B(12点)

理由:今回の改善で「間違いにくく」「探しやすい」状態が整っており、同じような混乱が再発しにくくなる工夫が実施されている。ただし、番号の更新ルールや配置の見直しのタイミングなど、長期的な維持管理の仕掛けがまだ未整備であれば、A評価には届かない。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)

理由:改善内容は非常に優れているが、その状態を保ち続けるためのルール化(例:番号付けの基準、変更時の運用手順、周知方法など)が未設定である場合、改善の効果が一時的にとどまる可能性がある。標準化や運用ルールの明文化により、習慣レベルの向上が期待される。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。

評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩

評価できる点

Bランクの中でも、この事例は上位に近い改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。

  • 「現物」と「情報」を番号でつないだ。棚の部品と部品表の両方に対応する番号を付け、情報と現物の不一致という、現場で起こりやすい問題を、見てすぐ分かる形で解決しました
  • 写真を組み合わせて分かりやすくした。番号だけでなく部品の写真を付けたことで、似た部品の見分けがつきやすくなっています
  • 成果がA(16点)。探す手間の削減、誤出庫の防止、作業時間の短縮が、一度の改善で得られました。1回600秒の短縮は、1回あたりの効果が大きい改善です

専門家も「情報と現物の不一致という、現場で非常に起こりやすい問題に対して、視覚的にわかりやすく解決した好事例」と評価しています。

あと6点でAランク。清潔をA、習慣をBに上げる

合計60点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと6点です。清潔レベルをB(12点)からA(16点)に、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。

上げ方 清潔 習慣 合計 ランク
現在 B(12点) C(8点) 60点 B
清潔をA、習慣をBに上げる A(16点) B(12点) 68点 A

「番号のズレ」を、起きる前に防ぐ

専門家が指摘するとおり、番号の付け方にルールがないと、部品が増えたり配置を変えたりするたびに、番号と実物がずれていきます。表と棚が食い違えば、せっかくの仕組みが、かえって誤出庫のもとになります。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「番号を直すよう気をつける」に頼らず、ずれが起きにくい形にしておきます。

専門家が挙げた「次のステップ」は、次の4つです。

  • 番号の付け方に一貫性を持たせる(種類別/サイズ順/使用頻度順など)
  • 番号表の保守ルールや更新手順を整備する
  • 棚の定位置表示(番号+輪郭+写真)と連携する
  • 他部門や他の棚へ展開し、標準化する

未然防止の視点で考えると、部品の追加や配置の変更があったときに、部品表と棚の表示を同時に直す手順を決めておく方法もあります(例)。番号の付け方と更新の手順を明文化して他の棚にも広げれば、誰がやっても同じ状態を保てるようになり、習慣(しつけ)のレベルも上がります。次の改善報告では、この「ずれない仕組み化」まで進めた内容を、ぜひ聞かせてください。

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この記事を書いた専門家

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。16年間で900社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例338件を評価(2026年9月27日時点)。

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