この事例は、加工油と潤滑油の置き場に種類・名称・品番を統一して表示した整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。あと14点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 置き場(潤滑油・加工油) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 油を探す時間を、1日平均30秒短縮×月間20日発生。1カ月あたり600秒(600円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
加工油と潤滑油の置き場に、油の種類の表示がありませんでした。使いたい油がどれなのか分からず、そのつど迷ってしまう状態です。専門家も、目的の油を探すのに時間がかかっていた状態だったとコメントしています。
加工油と潤滑油は、日常的に使う資材です。毎回のように迷うと、一回あたりは小さな時間でも、積み重なって作業の流れを止めてしまいます。さらに、見た目が似た油が並んでいれば、取り違えのおそれも出てきます。

改善内容(After)
置き場に、油の種類を表示しました。専門家コメントによると、表示は種類・名称・品番を明確にし、さらに表示する位置も統一したものです。これで、誰でもすぐに判別できるようになりました。
改善報告では、表示を付けたことで「すぐ判る」状態になったと報告されています。探すムダがなくなり、作業の流れがスムーズになった、というのが今回の改善の中心です。

専門家コメント
加工油と潤滑油の置き場に表示がなく、目的の油を探すのに時間がかかっていた状態を、種類・名称・品番を明確に表示し、さらに表示位置も統一することで、誰でもすぐに判別できるようにした改善ですね。
視認性が高まり、探すムダがなくなることで、作業の流れもスムーズになったと思います。とても的確でありがたい改善です。ありがとうございます。
今回のような「整頓+表示の工夫」は、5Sの整頓の基本でもあり、ミスや取り違えの防止にもつながります。
次に考えてみてほしいのは、この表示が長期間きれいな状態で保たれるための“清潔”の仕組みです。たとえば、表示の耐久性を確認する、汚れや剥がれの点検ルールをつくる、油の入替や新規導入時の表示更新方法を決める、といったルールを設定すると、改善の効果がしっかり維持されます。
ぜひこの良い取り組みをさらに発展させ、次なる改善につなげていきましょう。次回の報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:探すムダをなくし、取り違え防止にもつながる効果は大きい。日常的に使う資材だからこそ、作業効率と正確性に貢献度が高い改善です。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:表示をつけて見やすくするのは整頓の基本的な手法。ただし「種類・名称・品番を統一フォーマットで表示した」という点は現場適用度が高く、良い工夫です。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:表示の作成と貼り付けは短時間でできる改善。難易度は低いが、その効果は大きいのが特徴。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:表示により現状は乱れにくいが、油汚れや剥がれによって再び見づらくなるリスクがある。耐久性の高い表示や点検ルールを整備すればA以上に成長できる。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:表示を守る仕組みや更新ルールがまだ弱い段階。入替時や新規油種導入時の対応を標準化できれば、BやAに向上可能。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計52点のこの事例は、Bランクの中では下側に位置しますが、現場にすぐ役立つ改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 探す時間をなくした。置き場に表示がなく迷っていた状態から、見てすぐ判る状態にしました。改善報告の試算では、1カ月あたり600秒(600円)の削減です
- 探すムダだけでなく、取り違えの防止にもつながった。成果の大きさがA(16点)と評価されています。日常的に使う資材だからこそ、効果が広く及びます
- 表示の内容と位置をそろえた。種類・名称・品番を明確にし、表示位置も統一したことで、誰でも同じように判別できます。専門家も「現場適用度が高く、良い工夫」と評価しています
短時間でできる改善でありながら、効果は大きい。5Sの整頓の基本を、現場で形にした事例です。
あと14点でAランク。清潔と習慣を、ともに2段階上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。どちらか一方を上げるだけでは届きません。清潔レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で60点、習慣(しつけ)レベルもC(8点)からA(16点)に上げると、さらに+8点で68点になり、Aランクに届きます。B(12点)までの1段階ずつでは、合計60点でBのままです。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔だけAに | A(16点) | C(8点) | 60点 | B |
| 習慣だけAに | C(8点) | A(16点) | 60点 | B |
| 両方Bに | B(12点) | B(12点) | 60点 | B |
| 両方Aに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
専門家が挙げた次の課題が、そのまま近道になります。清潔では、表示そのものを長持ちさせる工夫と点検ルール。習慣では、油の入替や新規導入のときに表示を更新する流れの標準化です。専門家の評価でも、清潔は耐久性の高い表示や点検ルールを整えればA以上、習慣は入替時や新規油種導入時の対応を標準化できればBやAに向上できるとされています。
「表示が見えなくなる」「更新を忘れる」を、起きる前に防ぐ
表示は、貼って終わりではありません。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。油汚れや剥がれで表示が見えなくなってから貼り直す、新しい油が入ったのに表示がなく、また迷う。こうした「後追い」を避けるため、「気をつけて見る」に頼らず、仕組みで防ぎます。専門家のコメントと発展ポイントをもとに、次のような仕組みを考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 油汚れや剥がれで、表示が読めなくなる | 耐油性ラベルやラミネートなど、耐久性の高い表示にする |
| 汚れ・剥がれに気づかない | 月1回の点検ルールを決め、「汚れ・剥がれ」を確認する |
| 油の入替や新規導入のとき、表示が追いつかない | 入替や新規導入時に、必ず表示を作成・更新する流れを標準化する |
| 表示の書き方や位置が、人によってばらつく | 種類・名称・品番を統一フォーマットで書き、位置も決めた表示の作り方を、見本にして共有する |
油の保管や表示のしかたに、会社や設備の決まりがある場合は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。この仕組みが回り始めれば、清潔と習慣がともに上がり、Aランクが見えてきます。
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