この事例は、作業場所の近くに専用のハンマーとラックを設置した整頓事例で、専門家評価はBランク(56点)。ハンマーを探しに行く手間がなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(ハンマー) |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ハンマーを探しに行く時間を1回3分(180秒)短縮×月10回。1カ月あたり1,800秒(1,800円)の削減(改善報告の試算)。必要な時にすぐ使えるようになった |
改善前の状態(Before)
ハンマーが必要になるたびに、作業を中断して工具置き場まで探しに行っていました。1回あたり3分かかり、月に10回ほど発生していました。

改善内容(After)
作業場所の近くに専用のハンマーを設置し、さらに取り出しやすいラックを取り付けました。探すことなく、必要な時にすぐに手に取って使えるようになりました。

専門家コメント
ハンマーが必要なたびに作業を中断して工具置き場まで探しに行っていたという状態を、作業場所の近くに専用のハンマーを設置し、さらに取り出しやすいラックを取り付けることで、すぐに手に取れるようにした改善ですね。
動作のムダをなくし、作業効率をしっかり向上させた素晴らしい工夫です。ありがとうございます。
このような「使う場所に、使うモノを置く」という考え方は、5S活動の“整頓”の基本であり、誰もが迷わず作業できる環境づくりに直結します。
次の改善視点としては、そのハンマーが常に“定位に戻される”ためのルールやしかけがあるか?という点です。
たとえば、
- ラックにハンマーの形跡表示をする
- 「使用後は必ず戻す」表示を追加する
- ラックの清掃と点検のルールを設ける
といった工夫を加えることで、“清潔”かつ“習慣(しつけ)”が行き届いた状態が長く維持されるはずです。
今回の改善をきっかけに、他のよく使う工具にも同じ発想を展開してみてください。次なる改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:探しに行く手間をなくしたことで、作業効率に直接的な効果があった。対象はハンマーに限定されるが、作業者全員に恩恵がある改善。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「使う場所に使うモノを置く」は5Sの基本的手法。ただし、専用ラックを取り付けて取りやすさまで考慮した点は現場ならではの工夫で評価できる。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:ラックの設置や位置決めに多少の検討と時間を要する。単純ではないが、比較的容易に実行可能。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:現状は「近くに置く」ことで効率化できているが、定位が守られないと乱れやすい。形跡表示や点検ルールを加えればB〜Aに向上。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:使用後に戻す仕組みやルールが明確でないと、習慣化しにくい。表示やルール化を導入すれば高レベルへ発展可能。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計56点のこの事例は、Bランクの真ん中にいます。小さな改善に見えますが、次の3点はしっかり評価したいところです。
- 「使う場所に、使うモノを置く」を実行した。整頓の基本を、ハンマーという身近な工具で形にしています。探しに行く移動そのものがなくなりました
- 置くだけでなく「取りやすさ」まで考えた。専用のラックを取り付けたことで、すぐに手に取れる状態になっています。独自性の評価でも、現場ならではの工夫とされています
- 成果がA(16点)。1回3分、月10回の探す時間がなくなり、改善報告の試算で1カ月あたり1,800秒の削減。作業者全員に恩恵があります
作業を中断して探しに行く、という小さなムダは、毎日の中で見過ごされがちです。それに気づいて形にしたこと自体が、5S活動の大事な一歩です。
あと10点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルが、どちらもC(8点)にとどまっています。ここが伸びしろです。
清潔をC(8点)からA(16点)に上げると+8点、習慣をC(8点)からB(12点)に上げると+4点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。どちらか一方をBに上げるだけでは60点、両方をBにしても64点で、あと一歩足りません。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 56点 | B |
| 清潔・習慣をBに | B(12点) | B(12点) | 64点 | B |
| 清潔をA、習慣をBに | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
「ハンマーが戻らない」を、起きる前に防ぐ
今は、ハンマーが近くにあるので便利です。しかし、誰かが使ったまま別の場所に置けば、また探しに行く状態に戻ります。起きてから探し回る「後追い」ではなく、戻らないこと自体が起きない形にするのが次の段階です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、表示と手順で防ぎます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 使ったハンマーが戻されない | ラックにハンマーの形跡表示をして、定位をひと目で分かるようにする(専門家の提案) |
| 戻すことを忘れる | 「使用後は必ず戻す」表示を追加する(専門家の提案) |
| ラックが汚れる・傷む | ラックの清掃と点検のルールを設ける(専門家の提案) |
| ハンマーがないことに気づくのが遅れる | (例)始業時や終業時の点検項目に「ハンマーがラックにあるか」を加える |
ラックの固定方法や設置場所など、設備・安全に関わることは、担当者と確認しながら進めてください。専門家が勧めるように、この発想を他のよく使う工具にも展開すれば、職場全体の整頓が一段と進みます。
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