この事例は、倉庫の床に区画線を設け、通路を緑色に塗った整理・整頓事例で、専門家評価はBランク(47点)。探すムダが1日平均60秒減った。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | 倉庫(組立工場の2階) |
| 改善対象 | 床面(在庫品の置き場) |
| 専門家評価 | Bランク(47点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 探すムダを1日平均60秒短縮×月12日発生。1カ月あたり720秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善の舞台は、組立工場の2階にある倉庫です。床には置き場の区切りがなく、いろいろな物が、一人ひとりの判断で置かれていました。その結果、在庫品が乱雑に並び、必要な物を探すムダが発生していました。

改善内容(After)
倉庫の床に区画線を設けて、在庫品を整理・整頓しました。さらに、通路の床を緑色に塗装し、「ここは通路」とひと目で分かるようにしました。
物を置く場所と、人が通る場所が床の上で分かれたことで、倉庫の使い勝手が大きく向上し、探すムダが減りました。

専門家コメント
組立工場の2階の部分の倉庫の床に区画線を設けて、在庫品を整理整頓された改善事例ですね。
区画線の他に通路の床を緑色に塗装して明確にしている点も素晴らしいと感じました。
この改善によって倉庫の使い勝手が格段に向上し、生産性アップが期待できる素晴らしい改善をありがとうございました。
今後に向けての提案ですが、それぞれの区画線の意味合いを明確にしてみてください。
緑色は通路とわかりますが、それ以外の部分に関して明示が無いように見受けられます。この状態が続くと、結局Beforeのようにいろいろなものが個人個人の思惑で置かれて、乱雑な状態に逆戻りしてしまう可能性があります。
この区画線内は梱包材、この区画線内は材料、という大雑把なレベルでもかまいません。ぜひ、区画線の意味合いをつけていただければと思います。
さらに言えば、この区画の責任者を設定し管理していただくと、乱れの防止につながります。
では、次なる改善を楽しみにしております。
5S改善評価:合計47点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 10点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | B | 13点 |
| (4)清潔レベル | C | 7点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 47点 |
(1)成果の大きさ:B(10点)
理由:探すムダの削減は1日平均60秒、1カ月あたり720秒(改善報告の試算)で、時間の効果そのものは大きくない。一方で、専門家は倉庫の使い勝手が格段に向上し、生産性アップが期待できると評価している。両方を踏まえ、「満足のいく成果」の下側と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:床に区画線を引く方法は、5S活動でよく使われる手法。そこに通路の緑色塗装を組み合わせ、置き場と通路をはっきり分けた点に工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(13点)
理由:倉庫の在庫品を片付けたうえで、床に区画線を設け、通路を塗装する作業は、数分では終わらない。物の移動と床の作業の両方が必要な改善として、「標準的な時間でできた改善」の上側と評価する。
(4)清潔レベル:C(7点)
理由:通路は緑色で明確になったが、それ以外の区画には何を置くかの明示がない。専門家が指摘するとおり、このままでは個人の判断で物が置かれ、乱雑な状態に戻る可能性がある。「何かのきっかけで再発する」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:区画の意味づけや、区画ごとの責任者は、まだ決まっていない。置き方のルールや点検の仕組みは改善報告に記載がなく、「ルール未整備」の状態と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
倉庫の床は、物が少しずつ置かれ、気づくと乱れている場所になりがちです。そこに線を引き、色を塗ったこと自体が大きな一歩です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 置き場の境目を、床の上に形として作った。「なんとなくこのあたり」ではなく、区画線という目に見える形で区切っています。整頓の3定(定位・定品・定量)のうち、「定位」の土台ができました
- 通路を緑色で明確にした。物を置く場所と人が通る場所が分かれたことで、誰が見ても「ここには置かない」と分かります。専門家も、この点を特に素晴らしいと評価しています
- 探すムダが実際に減った。1日平均60秒の短縮という形で、効果を数字で確かめています。倉庫の使い勝手が向上し、生産性アップにもつながる改善です
あと19点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計47点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと19点です。伸びしろが大きいのは、清潔レベル(7点)と習慣(しつけ)レベル(6点)です。専門家の提案は、そのままこの2項目を上げる道筋になっています。
- 区画ごとに「梱包材」「材料」などの意味を表示する → 清潔レベルが上がる
- 区画の責任者を決め、置き方のルールと点検を決める → 習慣(しつけ)レベルが上がる
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(7点) | C(6点) | 47点 | B |
| 区画の意味を表示する | B(12点) | C(6点) | 52点 | B |
| あわせて責任者とルールを決める | B(12点) | B(12点) | 58点 | B |
| 表示・ルールが定着し、点検まで回る | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
表示とルールを足すだけではBランクの中で点数が上がるところまでで、Aランクに届くには、乱れが起きにくい状態が続き、点検まで回っていることが必要です。
「区画の中が乱れる」を、起きる前に防ぐ
乱れてから片付け直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて置く」に頼らず、区画を見れば何を置くか分かり、違う物が置かれたらすぐ気づける形にします。専門家の提案をもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 区画に何を置くか分からず、個人の判断で置かれる | 区画ごとに「梱包材」「材料」などの品目を床や近くの壁に表示する |
| 区画からはみ出して置かれ、通路がふさがる | 置いてよい量の上限を表示し、通路(緑色)には置かないルールを決める |
| 乱れに誰も気づかない | 区画ごとに責任者を決め、決まった日に区画の状態を点検する |
| 区画線や塗装がかすれて、境目が分からなくなる | 点検の項目に、線と塗装のかすれを入れ、引き直しの目安を決める |
通路の幅や表示の変更は安全に関わるため、安全の担当者と確認しながら進めてください。床に引いた線に「意味」と「責任者」が加われば、この倉庫は、乱れが起きにくい職場へ大きく近づきます。
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置き場の区画・表示・在庫に関する、Aランクの事例です。



